声劇『世界滅亡会議』台本原案~最終版~(第二回田中フェス企画)
《ここだけは残してほしい要素の指定 声劇「黎明と漆黒の世界滅亡会議(仮)」》
■概要
第二回田中フェス企画声劇
▼舞台
地上世界リアリティ(REALITY)(注1)
天界クラスター(cluster)(注1)
(注1 台本原案者としてはあくまでもアプリとしてのclusterとREALITYの対立や、clusterの方がREALITYより優れていたり上位の存在であるという位置づけはしていません。
演出上そうすることで緊張感を持たせられる、観客にわかりやすくするためにで、「天界クラスター」の方が「地上世界リアリティ」に対して生殺与奪権を握っていて、力関係が上であることを強調するのであっても、絶対に現実のclusterとREALITYの対立を全面的に強調しないでほしい。なお結果的に観客がそうと捉えることは構いません。)
▼登場人物
大天使長……アルカンジュ・ドゥ・ルオーブ(通称「ルオーブ」)
魔王……ロワ・デモン・ノワール・ドゥ・ジェ(通称「ノワール」)
アドリブありで意見したり、囃し立てたり、の突込み役の天使と悪魔たち
地上世界リアリティから招待された、リアリティの人間たちの代表者たち役(飛び込み参加枠には、田中フェスの歌枠などの参加者限定)
ナレーション兼語り部
■《黎明と漆黒の世界滅亡会議(仮)》本編
天界では一年に一回、七の月が終わった八の月に、天界の代表たる大天使長と、魔界の代表たる魔王が会見する会議がある。
世界の滅亡と存続を考える会議、通称「世界滅亡会議」である。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇(注2)
◆◆◆◆◆◆◆(注3)
地上世界「リアリティ」では、いつの頃からか「第七の月に魔王が降ってきて、それを迎え撃つ大天使との戦いが“対よろ”の合図と共に始まり、リアリティ世界に様々な災厄という名のギフトが魔王サイドと大天使サイドの両方から贈られた果てに、“対あり”の合図で世界が滅亡する、という伝説、予言が語られている。
◆◆◆◆◆◆◆(注3)
それが起こる年と解釈された1999年の前年の1998年に、「そんなに期待されているなら、いっそのこと1999年の七の月に世界を滅ぼしてもいいだろうか?」という魔王の意見を検討するために、天界において初めての「世界滅亡会議」が開かれたが。
結果的には「まだ世界を滅ぼす時ではない」との結論となり、その時は世界が滅亡することは回避された。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇(注2)
(注2 ◇ラインで挟んだ部分は、読み台本からは丸々カットしてOK)
(注3 ◆ラインで挟んだ部分は、宣伝ページでの作品内容紹介文で採用してほしい!)
そして今年、2023年の八の月に第26回「世界滅亡会議」が天界……「クラスター」で開かれようとしていた。
そこに「あなた」は他の数人の人間たちと一緒に「リアリティ」の人間たちの代表として選ばれて召喚され、
「世界を存続させた方がいいか?それとも、もう滅ぼした方がいいか?の選択とその理由」
を答える形で、「黎明」の大天使長と「漆黒」の魔王に意見を述べることを求められていた。
サンプル1「俺は……世界なんて滅んでしまえ!と思ってたこともあるけど。今は……リアリティ(※)で生きていて(活動していて)、この世界でもっと生きていたいと思えることがあったから、世界の存続を望むよ」
サンプル2「私はリアリティで叶えたい夢があるから、勝手に世界が滅ぼされたら困る!」
サンプル3「僕は世界が存在していて僕がそこに生きているから、だらだらと生きているだけで。一応、生きていることの理由みたいなものもあるけど。それは生きているから(理由を)求めてしまうだけで……ぶっちゃけ世界が滅んで消えてしまっても構わない」
サンプル4「今、彼女(彼氏)いるし、楽しいから。なんで世界が滅びるの?って感じで困るから。世界は滅びないでほしい」
サンプル5「まだ彼女(彼氏)を作れていないから!その前に世界が滅びるとかどうとか、勘弁してほしい!マジで!世界が続いたらきっと俺(私)にも彼女(彼氏)ができるはず!だから世界が滅亡するのは反対!断固拒否!」
サンプル6「えー?別に世界が滅びてもいいけど~。その前に一度は彼氏(彼女)ほしい!ね、ねねね?大天使長さんと魔王さん、世界の滅亡が決まったらさぁ、彼氏(彼女)がほしい願いを叶えてくれたりしないかな?」
サンプル7「まだほしいアバターアイテムのガチャが出てないっすよ。自分、ほしいガチャを回すまで……ほしいアイテムが出るまで、心残りで。とてもとても、大人しく世界と一緒に滅べないっすね」
サンプル8「ボクは世界存続を望むかなぁ?だってこの才能溢れるスーパーデラックスゴージャスアルティメットスター☆なボクが世界と一緒に滅んでしまったら、世界中のファンが悲しむし、ボクはファンのみんなを悲しませたくはないからね!」
サンプル9「ふむ。私の選択は世界の存続一択だが。結果的に世界滅亡が選ばれたとしても問題ない。なぜならば私は、実は伝説の勇者で、伝説の勇者である私が、世界滅亡を阻止する冒険の旅に出て、必ず世界を救ってみせるからだ」
サンプル10「わたしは世界は存続してほしいな!だってわたしの歌を聞いてほしい人たちが、まだまだいて、いつか全員に聞いてもらえることが目標で夢だから!
なんで歌を聞いてほしいかと言うとね、歌は……心を込めて歌った歌は、聞いてくれた人の心を動かせると思うから。
自惚れなのかもしれないけど、自惚れなんかじゃないよ。だってね、わたしがそうだったから!歌を聞いて心が動いたの。だからそれで今度はわたしが歌ってる!歌い続けている今があるの!
だから……そんな奇跡が起こる世界を、まだ壊さないでほしいと思うよ!」
(※リアリティ=地上世界=地球=現世の解釈とは別に、なりたい自分になれるアバター&配信&コミュニケーションツールアプリとしてのREALITYのこととの認識でもOK)
それらの意見を聞いた、大天使長ルオーブと漆黒の魔王ノワールが出した結論は……?
大天使長ルオーブ「……どう思いますか?ノワール」(☆)
魔王ノワール「フム、いいんじゃないか?自分たちの欲望に正直で」(☆)
大天使長「そうですね。これならば世界は存続の流れで問題なさそうですね」(☆)
魔王ノワール「……お前たち人間たちは知らないだろうが、この世界を成り立たせているのは欲望なのだ。耳障りの良い言葉で言えば『希望』や『夢』だな」(☆)
大天使長ルオーブ「ですが欲望は過ぎれば害悪ともなります。それが世界を破滅に導くことも……」(☆)
魔王ノワール「それで、だ。欲望を煽り体現する悪魔と」(☆)
大天使長ルオーブ「禁欲を美徳とし体現する天使が存在し」(☆)
魔王ノワール「それぞれの代表として、魔王の我と」
大天使長ルオーブ「大天使長の私とで、世界の声を聞いて世界の存続が可能か?を判断しているのです」
魔王ノワール「今回は世界の存続となったが。人間たちよ、努々(ゆめゆめ)忘れるな。世界の存続を……世界の在り方を本当に決めているのは誰か?を」(★)
大天使長ルオーブ「それを忘れていなければ、世界はきっとあなたたちの声を聞いてくれるでしょう」(★)
魔王ノワール「……まぁ、このことは元の世界、リアリティに戻した時にお前たちの記憶から消してしまうルールだがな。それでも忘れないでいてほしい」
(☆ この辺の大天使長と魔王のセリフは、天使と悪魔用のセリフとして改変しても大丈夫そう)
(★ このセリフはセットで、前後のセリフとの整合性をつけるため等の変更はあってもいいけど、残してほしい)
そんな大天使長と魔王の言葉がだんだんと遠くに聞こえるようになり、まぶたが重くなって、抵抗できずに閉じてしまう。暗闇の向こうに光の世界が消えていく──。
そして「リアリティ」では、何事もなかったかのような日常が続いている。
そこであなたの声は、叫びは世界に届いていますか?
END
■■
~補足~
これはあくまでも「原案」の台本であり、実際に使われた台本は、声劇を演じてくれた、魔王役(他、複数担当)のヲタきゃん文月(ふみつき)さんと、大天使長役(他、複数担当)の土塊 土偶(つちくれ どぐう)さんによってアレンジが入ったものになっています。
主に魔王と天使長の掛け合い部分で、互いに天使と悪魔(魔王)としての役割上相反する存在として、意見を対立させる(最終的にはお互いに一致した結論を出す)という、物語に緊張感を与えるセリフが追加されていました。
ちなみに私は本番で使われた台本は、事前はもちろん、事後にも渡されていないので。
cluster側の問題か、私の通信環境によるものか?音声プツプツで聞き取れなかった部分もあり、詳細なアレンジ内容までは把握していません。
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