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ヘッドライトを君へ

旦那氏は耳かきをされることを大変喜ぶ人種だ。
ものすごく気持ちがいいらしい。
私にはわからない。
耳かきを気持ちいいと思えたことがないのだ。
幼い頃、母がしてくれようとしても逃げたり、いやいやしてもらったり。
そして他人の耳をかくのも好きでない。
耳かきをする姿勢は首が凝る。
し終わった後、

バギャバギャ

って首が鳴るんだ。
だからお願いされても基本的に断る。

たまに気が向いてしてあげる時はものすごく真剣に耳を掻いてあげる。

耳の奥は暗い。
見えづらい。
焦点もあいづらい。
そんなとき、私は彼に言う。

「ライト」

まるで医者のように。
すると彼は急いで自分の部屋に行き釣り用のヘッドライトを渡してくる。

おでこにヘッドライト、目を細めながら耳かきをする私の姿は正直

いとすさまじ。(とても趣がない。)


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