梅図かずお 私の恐怖の記憶
梅図かずお先生が先日お亡くなりになりました。
子供の頃にトラウマ級の恐怖を心に植え付けた方は
梅図かずお先生と永井豪先生のお二人だと思ってます。
梅図かずお先生の作品は「漂流教室」あたりからの作品が海外などで評価されてるみたいですが私は「おろち」という作品が一番怖いと思ってます。
昨今、怪談の分野でも「人怖」というジャンルが確立してると思いますが梅図先生の作品には「怖い人」が多数出てきます。
恐怖という感情は人それぞれだと思うのですが「おろち」で描かれるのは人間の内面に潜む狂気と恐怖です。
例えばの話しなんですが親に叱られた時に
「自分は、この家の子供では無いんじゃないか?」なんて思ったり、子供なので親より早く寝床に入っいるものの眠りにつけず親の話しに聴き耳をたていると子供とは普段しない話しをしていて自分の両親が赤の他人なのではと錯覚に囚われたりした事があります。
「おろち」に描かれる恐怖は日常に潜む恐怖が描かれています。
「おろち」は主人公の少女の名前で彼女は歳をとりません。
何年経っても少女のまま。
彼女は興味も持った人間の人生を見守る立場。
他人の記憶を操作する力がありその能力を使ってお手伝いとして観察する対象の家庭に入りこんだりするのですがあくまで観察者の目線で見守る立場をとる事が多いです。
彼女の気になった対象の人物を見守るという漫画が恐怖漫画になるのは「最も恐ろしいのが人間の内面」だから。
美しい姉妹、頭の良い子供、優しい父。
こんな登場人物達の心の奥底にある普段隠されて暗い感情や自分だけの秘密。
それを、永遠に歳を取らない少女「おろち」の視線で語られるというお話し。
おろちは歳を取らず放浪していて何年か後に
「どうなっているのか」結末を見届ける為に戻ってくる。
そこで明かされる顛末が……….。
ストーリーをざっくりと説明するとこんな感じになります。
梅図かずお先生の作品を昨日何冊かKindleで購入しましたが「おろち」以降、絵のタッチが変わり梅図かずお先生らしい絵のスタイルが確立した感じがします。
漂流教室だとか洗礼、おろちも映画化されてますが梅図先生の作品は映像で見るよりも漫画で見る方が遥かに恐ろしいと感じるのは私だけでしょうか?。