金髪にして初出勤

今でこそ念願の金髪にしていますが、ある日を境にいきなり

黒髪→金髪

というわけではありません。

長年通っている美容師さんと相談して、1年近くかけて徐々に明るくしていきました。

これには主に3つの理由がありました。

1.私の髪の色素がとても強く(真っ黒)、短期間で金髪にするにはブリーチ(髪の色素を抜くこと)を一気に行うしかなかったのですが、それは髪を大分、痛ませることになるので、美容師さんと相談の上、最終手段に取っておくことにしました。

2.金髪のように明るい髪にしたいけれども、確固たる具体的な色(金髪にもプラチナブロンド、ダークブロンド等、幅があるのです)が決まっておらず、最初はブラウン系のカラーから始めて徐々に明るくしながら自分に一番似合う色を考えていこうと思いました。

3.(これは後付けの理由ですが)いきなり金髪にするよりも、徐々に明るくしていく方が、自分の周囲の人たち(特に会社)もスムーズに慣れて受け容れられる(ソフトランディング)ことにつながるのではないかと思いました。

以上の様な理由で、最初はブラウン系の髪色からスタートしました。私のヘアカラーを担当して下さった(今もです)のは、私が高校生の頃からお世話になっている美容師「Mさん」です。Mさんに相談の上、極力、赤みを抑えてスーツに馴染むような髪色にして頂きました。

実際、仕上がって鏡を見た時には、軽やかな気持ちと、自分がこれから変化していく高揚感みたいなものを感じた記憶があります。そして、さすがは「Mさん」の技術で、スーツを着た時にも上手いこと馴染んでいました。


そして年明けの初出勤の日となりました。

私の勤務先は業歴が100年以上の典型的な日本の老舗企業です。外資系やベンチャー系の企業の様な自由な雰囲気は無く、規律と伝統を重んじる、所謂、「お堅い」会社です。社内規則として「ドレスコード」というものがあり、男性はスーツやネクタイ着用、女性もヒールの高さまで制限が付けられる等、ある意味とても厳格な会社です。

(ちなみに、そういった(自由が制限される)厳格な雰囲気の業種こそ、メンタル系の病の罹患率や離職率が高いような気がするのですが)。

実際、私以外の男性は皆、黒髪・短髪で、女性でもヘアカラーをしている人はあまりいませんでした。(グローバルな広い視点で見れば)私が勇気を持って挑戦していたことも

「たかが」ヘアカラーなのですが、

私の勤務先の環境下では

「されど」ヘアカラーだったのです。


そうして、年明けの初出勤に髪をブラウンにしていきました。

結論から言えば、やはり色々な場所で周囲からの視線は感じました。

これは自意識過剰とかではなく、心の状態をフラットにしてもその様に感じました。通勤の電車の中や職場のフロア等、あらゆるところで「ジロジロ」「チラチラ」見られている感覚を身体で感じていました。

日本で男性でスーツを着た状態でブラウンの髪色の人自体、少ないから無理もないかもしれません。ただ、(特に男性で)生まれつき髪色の色素が薄かったりする人は、普段からこのような思いをしているのだろか、と考えると、とてもやるせない気持ちを覚えました。

私の仕事は外勤で社内にいる時間が短く、かつ外出を繰り返します。その為、勤務先で長時間、周囲の人たちと同じ空間で過ごす時間が短かったこともあり、「その日は」特に何事もなく初出勤の日を終えることができました。




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