![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/158563891/rectangle_large_type_2_0bbd2c7b9db6576ce71ddc4dbe90206e.png?width=1200)
NHK静岡のWeb記事に載りました。
まずは、御礼を言いたいです。ありがとうございます。
今回、8月の静岡新聞に「繊細な子(HSC)に学校外の居場所」という記事が掲載され、それを見た、NHK静岡のディレクターさんがわざわざ連絡をくださり、取材していただくことになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1729338621-pLVKEaf8AkcuJ3tmRwSio9C1.png?width=1200)
御殿場に何回も足を運んでくださり、しっかりと時間をかけて話を聞き、とても丁寧に取材していただきました。
言葉一つ一つまで、何度も何度も、表現が間違っていないか、誤解はないか確認してくださり、その「繊細ぶり」は、こちらが驚くほど。
—[彼は、HSPだったのでは? (#^^#) きっと。]
HSPは、相手の表情を細かく読み取ったり、ささいな違和感を察知するのが、本当に得意。
ディレクターというお仕事は本当に大変だと思いますが、常にアンテナを張り、読み手・視聴者の視点に立ち、いかに分かりやすく、それでいて大事なことを端折らず、言葉を選び、情報を伝える。
まさに、HSPならではの良さが発揮できる、非常に高度でやりがいのあるお仕事だと思います。
一部の子どもたちも、取材を受けたのですが、間近で働くかっこいい大人を見れたことは、彼らにとっても貴重な機会となりました。
今回、かの有名な串崎教授と、同じ誌面に載せていただいたことが、最高にうれしく★☆感激しております。
教授は、「性格の一つ」とおっしゃっていますが、少し補足をさせていただくと、これは多くの一般の方々=多数派に向けて(HSPは少数派)説明するときには便利な言葉です。
ですが、「性格」で片づけられてしまうと、必ずしも当事者にとって、「理解してもらえた」…とは、ならないと感じています。
研究者たちは、声をそろえて「背が高い」「目が青い」などと同じで、「感受性が非常に高い」という生物学的なタイプであると、言っています。
そして、人間以外の多数の動物種にも、「敏感で、常に周囲に気を配っている個体が少数混じっている」ことが確認されています。
つまり、これは種の生存戦略的《遺伝》ということですね。
(HSPは心理学用語ですが、提唱者アーロン博士も、遺伝+環境要因と言っています)
しかし、動物の「性格の違い」を見分けることは難しいので、ハイリ―センシティブアニマルが、生きづらいかどうかは分かりません。
なぜ、人間のHSPが、生きづらいと言われているのか。
ヒトの赤ちゃんは、一人では生きていけません。歩くことも食べることもできません。人間の場合、遺伝的因子をはるかに超える情報量を、生後~脳にインプットし、習得していきます。これは「生まれた環境に適応する能力を究極に高めた進化」と言えます。その代わり、長期にわたり、親に保護され、養育されることで、その環境に適した「ヒト」になっていくのです。
では、もし・・・その過程で?
「常に周囲に気を配り、他者に合わせようとし、怒られないようビクビクし、周りと違う自分(疎外感)を感じ続けていたら・・・」
特に「日本」という風土は、
「相手を立てる」「言うより察する」「感情を押さえて」「我慢は美徳」「自分を下げる」「目立つな合わせろ」「黙って言うことを聞く」…
こういう態度を期待されます。
本来子どもなら、子どもらしく、そんなことはお構いなしに、自由奔放に、相手のものを奪い、激しく泣き、嫌なものは嫌!と訴えます。
ですが、HSPの子ども(HSC)は、早い子で3歳くらいから、大人の期待を察し、大人が望むように振る舞うそうです。
親と先生と友達すべてに気を配り、自分の立ち位置をわきまえ、一生懸命、他人のために生きるのです。
マイノリティであるHSPは、「自分の感じていることが人と共有できない」「言っても理解してもらえない」「自分だけ気づいている」体験があまりに多すぎて、余計なことは言わないように、他者から浮かないように、気を張りつめて、我慢して生活しています。あまりにそれが日常なので、本人も気づかず、「自分だけおかしい」「自分が悪い」と、知らず知らず、ストレスを溜めています。
生まれつきの因子+生まれた環境(家庭環境や学校など)で、出来あがるものが=『性格』だとしたら、確かに、HSPは性格なのですが、生涯変えられない「気質」をベースに持っている以上、「直せばいい」「感じ方次第」「もっと自信をもって」などとは、簡単には片づけられないのです。
人間じゃなかったら、役に立つはずの能力
HSPは「炭鉱のカナリア」と言われています。誰も気づいていないうちから、「これおかしいんじゃない?」と察知し、リスクを回避します。
—だったら『活かすしかない』っしょ。
これが、私が息子と関わる中で、たどり着いた答えです。
長くなりましたが、(/ω\)こっ恥ずかしい気持ちを、押し込めて、こうしてメディアに紹介されたことを、自分で反芻できるようになったのも、「自分は、このまま生きていく」と覚悟したからに他なりません。
私が強くなれたのは、息子のおかげです。
今、同じように苦しんでいる子がいるのなら、そばに行って「顔を上げて。あなたは素晴らしい。」と伝えたい。
どんな「性格」の人間でも結局、人は人の中でしか生きられないし、誰かの役に立つことで、自分の価値を信じることができます。
フリースクールに通ってくれている子たちには、心から感謝しています。