見出し画像

講師自己紹介

20代、英語をどのように勉強してもほとんど話せるようにならなかった私でしたが、突然、イタリアで働くことになりました。
しかも、働く先は、国連の機関です。各国から集まった専門家たちがネイティブ並みの英語で話す中、毎日がピンチの連続。できない、わからない→落ち込み→それでもなんとか立ち直り再チャレンジ!(たまに全てを忘れて息抜き!)という日々を過ごす間に、少しずつ英語で意思疎通ができるようになりました。

私が国連で働いていたと聞くと、みなさん私がめちゃめちゃ英語が得意だと思われるのですが、とんでもない!人一倍できなくて、悔しかったり恥ずかしい思いをしてきました。誰よりもゆっくりペースで、全然話せるようにならないし、悔しくて、いるかいないかわからない英語の神様に向かって怒鳴り散らしたこともあります。今もまだまだ伸びしろが沢山で、学びの途中です。英語は、なかなか捕まえられない蝶々のような存在で、今も追い続けています!

カナダ人の現夫と職場で出会い、結婚、子育て。以降、日常的に英語を使っています。

正しい英文を使って話しても、母音の発音が短すぎたり、よくあるrとlの区別が曖昧といった発音の問題で相手に伝わらない悔しさを沢山経験してきました。一方で日本人らしいアクセントを持ちながらも、しっかり相手に伝わる英語を話している同僚も沢山いたんです。何が違うのか、カナダ人の夫にも相談しながら、私なりの発音ポイントを見つけて行きました。

2013年、家族でイタリアから北海道へ移住。子ども達はシュタイナー学校へ通い始めました。シュタイナー学校は、教師や事務局だけでなく保護者も学校の運営に関わり一緒に作っていく学校です。私も保護者としてのお手伝いを楽しんでいるうち、2018年春より高等部の英語の講師を担う機会をいただきました。

一人一人の個性を尊重し、その人がその人らしく育つよう導くシュタイナー教育の現場。各学年の子どもがどのような成長段階にあるのかという深い洞察が示され、それぞれの学年にカリキュラムはあるのですが、何を使ってどのように教えるのかは教師の自由に任されていて、決まった教科書はありません。

特に私の担当するクラスは、高校1〜3年生の子ども達が混ざった縦割りクラスです。ティーネイジャーの彼/彼女らが自分の成長のために何を必要としているのか、それは彼らの様子を観察し、会話し、感じ取ったものから見つけ出すしかありません。

そうやって考え抜いて準備した内容を授業の場に持って行き、彼らが喜びを持って学ぶ姿を見た時、彼らのニーズに応えられたのだな、と何にも変えられない喜びを得ます。人やクラスのメンバーが異なれば、前とは違った内容、方法が必要なこともあります。もちろん、準備した授業が思うようにいかないことも沢山あります。(失敗の方が多いかもしれません。。。)

そんなところ、家族の事情で海外へ越していかれた先生が、学校の保護者や教師を対象に開催して下さった本の読書会に参加しました。「デジタルで読む脳×紙の本で読む脳」というディスレクシア研究者のメアリアン・ウルフさんの本でした。

その中には、私たちが文字を読むときに脳の中がどのように動くのか、「読む」力はもともと人間が持ち備えているものではなく、人類が長い時間をかけて脳の機能を変容させ進化させて来たものであること、そして一人一人の人間についても、誕生後に人類が遂げた脳の発達の経過が辿られ、読む訓練をすることによってのみ読めるようになる、つまり自然には読めるようにならないということが書かれていました。

また、日本語(象形文字としての漢字を使う)を扱う時と英語(記号的なアルファベット)を扱う時では違う脳の部分を使っているので、日本語と英語を学習する場合は、別の部分の脳を訓練する必要があるとも書かれていました。

本を読む間に、クラスの子ども達の様子や、卒業していった子ども達の様子が頭に思い浮かび、なぜ彼/彼女らが英語に苦手意識を持っているのか、という謎の扉が開いたように感じました。

そして、幸運なことに、東京でディスレクシア専門の英語塾を運営し、読み書きに困難を持っている子ども達のサポートに成果を上げていらっしゃる”もじこ塾”さんの存在を知りました。もじこ先生は、ご自身のブログで寛容にも授業内容を詳細に公開して下さっていて、私も見よう見まねでクラスの子ども達と様々な練習を試してみました。柱となるのは、フォニックス(英語の音とそれを表す文字の組み合わせのルール)習得のための勉強です。

すると、今まで何をしても掴み所のないように思われた英語が、少しずつ自分の力で読めるようになり、失われていた自信がだんだんと戻り、表情が明るく前向きになっていく 生徒が1人、そしてまた1人と現れるのを目の当たりにするようになりました。

そして、自信が回復すると、今まで「わからない」と決めつけていた文法や会話にも取り組むことができるようになるのです。

そんな子ども達の様子に励まされ、フォニックス教室を立ち上げることにしました。

英語を母国語とする国では、子ども達はフォニックスを学び読み書きを身につけるのですが、日本の英語教育の中でフォニックスのアプローチが使われる機会はまだ少ないように感じます。

Volcano Bay Englishのフォニックス教室へ来てくださる皆さまが、無理なく楽しく確実に英語の力を伸ばしていけるよう、お手伝いいたします。

ラムセイ真帆


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?