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逆転のシティ!レイトン・オリエントの壁を打ち破った終盤の輝き

マンチェスター・シティがFAカップ5回戦進出を決めた。しかし、その道のりは決して容易なものではなかった。アウェイで対戦したのは、リーグ1に所属するレイトン・オリエント。格下と見られる相手との一戦は、シティにとって主力を温存しつつ新戦力を試す機会でもあった。しかし、試合は序盤から予想外の展開を見せる。


ディアス復帰戦、そして新戦力の船出

FAカップ4回戦、マンチェスター・シティはアウェイでレイトン・オリエントと対戦。ペップ・グアルディオラは主力の数名を温存しながらも、ルベン・ディアスの復帰と新戦力のヴィトール・レイス、ニコ・ゴンサレスのデビューという見どころ満載の布陣を敷いた。

試合開始からシティはボールを握り、ニコが中盤の底でリズムを作る展開。サビーニョとジャック・グリーリッシュがワイドに張り、オマル・マルムシュが前線でチャンスをうかがう。特に9分の場面では、ニコのロブパスからサビーニョが右サイドのスペースを突き、ギュンドアンへ折り返すも決めきれず。この試合の難しさを予感させる一幕だった。

衝撃の先制点とニコの負傷交代

試合の流れを一変させたのは16分、シティのミスから生まれたまさかのゴールだった。ディアスの苦し紛れの縦パスを受けたニコが相手MFのプレスに耐えきれずボールを失うと、拾ったドンリーがハーフウェーライン付近からロングシュート。ボールはクロスバーに当たった後、懸命に戻ったシュテファン・オルテガの背中に当たり、ゴールに吸い込まれた。痛恨のオウンゴールでシティは1点のビハインドを背負うことになった。

さらにこのプレーでニコが腰を痛め、22分にベルナルド・シウバと交代。デビュー戦はわずか20分余りで幕を閉じることとなった。

決定機を作るも、ゴールを阻むオリエントの魂のブロック

先制したレイトン・オリエントは徹底したブロックを敷き、全員守備でシティの猛攻を耐えしのぐ。シティはギュンドアン、ジェームズ・マカティ、グリーリッシュを中心に幾度も決定機を演出するも、相手DFの執念のブロックとGKキーレーの好守に阻まれ続けた。特に前半終了間際、ベルナルドがダイレクトで流し込んだシュートが相手DFのゴールカバーによって防がれた場面は、シティの攻撃がことごとく寸前で防がれる試合展開を象徴するシーンだった。

ハーフタイムの決断、守備陣を刷新

前半を0-1で折り返したシティは、復帰明けのディアスとレイスの両CBに代えてジョン・ストーンズとアブドゥコディル・クサノフを投入。試合後、この交代は試合前から決まっていたことをペップは明かした。

「ルベン・ディアスは負傷から復帰明けだったので、45分だけプレーさせる予定だった。その結果、クサノフとレイスという2人の新加入選手を同時にプレーさせたくなかった。リスクが大きすぎた。経験豊富な選手を1人加えたかった。ジョン・ストーンズは後半に素晴らしい活躍を見せた。それが交代の理由だ!」

この交代で守備ラインの安定を図るとともに、ギュンドアンが最終ラインに落ちることでビルドアップの変化をつけた。

後半開始からもレイトン・オリエントの守備ブロックを前に攻めあぐねる時間が続いたが、56分、ついに均衡が破れる。

クサノフの“シティ初ゴール”で同点!

左CKのショートコーナーからグリーリッシュがペナルティアーク付近のリコ・ルイスへパス。リコが放ったミドルシュートが途中出場のクサノフの背中に当たり、そのままゴールへと転がり込んだ。意図せぬ形ではあったが、ウズベキスタン代表DFにとってはシティでの記念すべき初ゴールとなった。

勝負を決めたデ・ブライネの一撃!

72分、ペップはさらに勝負をかける。マカティとニコ・オライリーを下げ、ケビン・デ・ブライネとフィル・フォーデンを投入。すると、この交代がシティに待望の逆転ゴールをもたらす。

79分、グリーリッシュが見事なスルーパスをゴールエリア左角へと送り、絶妙なタイミングで抜け出したデ・ブライネがGKの鼻先でワンタッチ。これが決勝ゴールとなり、シティはついにスコアを2-1と逆転した。

プレミア王者の底力、苦しみながらも5回戦へ

試合終盤、レイトン・オリエントはパワープレーに出るが、ストーンズやクサノフがしっかりと跳ね返し、最終的にシティが逃げ切り。苦しみながらも2-1で逆転勝利を収め、FAカップ5回戦進出を決めた。

試合後、リコは「このような試合は本当に難しい。相手は時に6バックで守っていて、崩すのが非常に困難だった。でも、焦れずにプレーを続けることが大事だった」と語り、ペップのハーフタイムでのメッセージを強調。「彼は冷静に『チャンスは来るから、落ち着いてやれ』と言っていた」と明かした。

守りを固めた相手に苦しみながらも、最後は個のクオリティで打ち破ったシティ。簡単には勝たせてもらえなかったが、FAカップの厳しさを乗り越え、次のラウンドへ進む権利を手にした。

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