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[Maya] "恐竜少女カプア" リギングの紹介


概要

お疲れ様です。VolcaでアニメーションTAを担当している "Katahira" です。
この記事はVolcaオリジナルキャラクター、カプアのセットアップ(リギング)に関するメイキング記事になります。

主にリギングの初心者の方や、リギングも始めたいというアニメーターの方などに向けて、”Advanced Skeleton”(以下ASと呼びます)というMaya向けのプラグインを使用し、動かせるところまで持っていく過程をご紹介しております。

前回に引き続き、今回は設置したスケルトンに対してリグ(仕組み)を組み込んでいきます。


0️. その前にちょっと整理

いきなり一旦停止になってしまい申し訳ないのですが、
前回少し書き忘れてしまった点がありましたので
ここに追記させていただきます。

本文へ進む前に以下の点だけ確認をお願いします。

足の指の追加

足のボーンがひとまとまりになってしまっていたので、足の指にもボーンを追加します。
中央のボーンを指の数だけ複製し、各指に合わせ位置や角度を調整します。

その際、“Toes”と”ToesEnd”とラベルの打ってあるジョイントは
足のIK作成に必要そうなので、そのままにしておく必要があります。

orient jointで軸も整えておきましょう。

ジョイントの名前の整理

一通りのジョイント作成が終わったら、名前も整理しておきましょう。
一般的にジョイントの命名規則はプロジェクトやツールの事情などで変わりますが、基本分かりやすい名前を心がけます。
また左右や上下(L と R、Up と Low)は必ず付けるようにします。

ASにおいては、左右があるものには末尾に_Lと_Rを付けるようですが、
最初の Fit Skeleton 作成時には付ける必要は無いようで、後述するリグ自動生成時に自動でミラーしてジョイントの名前もLRを付けてくれます。

ですので、とりあえず Fit Skeleton 作成時にわかり易い名前をつけておけば問題ありません。


1. リグを自動生成

ASではひとたびスケルトンが完成すれば、Build AdvancedSkeleton をクリックすることで自動で必要十分な機能を備えたリグを作ってくれます。

少し待てば、このようにコントローラーたちが生成されます。

こちらのクリップのように、FKIK の切り替えスイッチなども付いた物を生成してくれます。


2. コントローラーの調整

自動生成されたコントローラーはモデルに埋まってしまっていたり、掴みにくい位置にあったりするので、Control の調整タブから使いやすいようにいじっていきましょう。

この数値をいじることで大きくしたり小さくしたりができます。ちなみにこの数値は現在の大きさを1としてのスケールのようです。

数値を“1.5”にして scale をクリック。

こちらでは太さを変えることができます。

個人的にルート、足、頭などは一番よく掴む気がするので、太くしてみました。

太さ”5”

左右があるコントローラーについては、こちらのミラーボタンで逆サイドにも同じ調整を反映できます。

色も変えることもできます。

また FK や IK、LやRでまとめて選択することもできます。
これは FK と IK、左右と真ん中で色分けをすることが多いためです。

また直接 control vertex を掴んで変形することもできます。

変形のプリセットも用意されているので、変形したい物を選択(複数可)+最後に変更したい形を選択、で

紹介し切れていない項目もありますが、
[ ? ] ボタンをクリックすれば機能の説明が確認できます。

これらを使用して使いやすいようにカスタマイズしていきましょう。


3️. ピッカーの作成

かなりシンプルなリグであれば直接コントローラーを掴むでも問題ありませんが、コントローラーの数が増えるほど位置的に掴むのが難しかったり、
カメラに収まっていなかったりで面倒になってきます。

そこでピッカーを作成しましょう。
今回はASのピッカーではなく、もっと直感的に操作でき、カスタマイズ性も高い Dreamwall Picker(以下DWPickerと呼びます)というフリーで公開してくれているピッカーを使います。

(ちなみにASで作成したリグであれば、セレクターをひとまずのピッカーとして使うこともできます)

詳しいインストール方法はリンク先に記載されているので、そちらを参照してください。

DWPickerを開くと何も無いウィンドウが表示されます。
File > Newで新しいピッカーを作成しましょう。

無くても動作すると言えば動作しますが、キャラの画像があった方が圧倒的に分かりやすいので背景画像をインポートします。

適当にこういった正面からスクショしたものなどを用意しましょう。

ボタンを追加するためにEdit > Advanced editingを開きます。
右クリックでボタン追加 → リネーム → 色変更 → 選択したいコントローラーを登録、と言った流れで作っていくことができます。

一通り作成し終わったら、saveするのを忘れないようにしましょう。
任意の場所で大丈夫です。


最後に

以上でリグ作成までが完了しました!
イチから作るとなると結構手間がかかるのですが、AdvancedSkeletonのおかげで一瞬で作成することができます。
時間が無限であれば各モデルにじっくり向き合ってリグを組むこともできますが、数体~数十体と増えるほど可能な限り自動化しなければすぐにスケジュールがパンクしてしまいます。こういったツールはそういった環境では必須となっているようです。

次の記事ではスキニングの工程を紹介していきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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