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eスポーツは不登校の学生を生み出してしまっているのか。ゲームと学校について、VOLBOXが思うこと。【VOLBOX MEDIA】
皆様こんにちは、VOLBOXです。
ゲームで学んだこと。経験したこと。ゲームを続ける上で大切なことをTwitterで毎日発信しているのですが、VOLBOXに寄せられる声は全てがゲームに対する肯定的な声だけではありません。
VOLBOXが発信していくべきは応援してくれる人たちにはもちろん、そんな人たちとも楽しくゲームを遊べる世界を作っていくために必要な情報なのかなとも考えたりします。
しかしそんな中でも、特に難しい問題だなと感じることがあります。
それは、親世代のeスポーツに対する考え方です。
今Googleで「不登校 プロゲーマー」と検索すると、中学1年生の子供がプロゲーマーになるから中卒で良い。学校は行く意味がないと言って聞かないと悩むお母さんの相談が寄せられたブログが一番上に表示されます。
事実プロゲーマーになるために学校を辞めたいと考える若い世代も多く、その気持ちはいちゲーマーであるボルさん(VOLBOX)も良く分かります。
なぜならプロゲーマーという職業には学歴が必要ではなく、プロゲーマーはゲームを職業としているために毎日長時間ゲームをプレイしているからです。
特に小中学生の方はゲームにのめり込む時期ですから、そんなプロに憧れて自分も何時間もゲームをしたい。上手くなって、有名になりたい。
だから、学校を辞めたい。
と子供たちが考えているのでは「ありません」。
恐らく、プロゲーマーになりたいと子供から打ち解けられ頭を抱えるお父さんお母さんたちはそう考えていると思うからこそ、悩んでしまうのではないかとボルさんは思うのです。
これはゲーマーじゃないと分からないことだと少し思っているのですが、仕事と同じ時間。
約8時間以上もの時間をゲームに費やすということは、現実的に考えて「不可能」なんです。
まず1つは体力的な問題です。
先ほど紹介したツイートをしていた中学生の子は「Fortnite」というゲームのプレイヤーで、小中学生の間では多大なる人気を誇る「TPS」と呼ばれるジャンルのゲームです。
試合の長さはおよそ平均して15~20分程度。
大会では、一試合30分~40分にも及ぶ試合だってあるんです。
画像:「FNCS Analyst Chapter 2 Season 5 FNCS Finals Breakdown - Fortnite Competitive 」
この画像はフォートナイトのトップ選手のみが参加出来るFNCS(Fortnite Champion Series)の一場面です。
画面中央のキャラクターをプレイヤーは操作し、画面中に広がる鉄骨やレンガ、木の壁や階段を設置しながら、敵キャラクターを探し、倒して100人の中から1位を目指すというこのゲーム。
少し画像は荒くなっていますが、画面右下にある紫の四角がこのゲームのマップであり、紫に覆われている部分に入ってしまうとプレイヤーはダメージを受けてしまいます。
そのダメージを食らわないためには、木・レンガ・鉄骨の3種類の「建築」を上に重ねていく必要があります。
当然、上にいけばいくほど敵に狙われることは少なくなるので、プレイヤーは上を目指し建築を行うのですが、これらの建築は壊すことが出来ます。
尚且つこのゲームには重力が存在しているため、上へ積み上げていた建築の土台を崩されてしまうと、ダメージを受けてプレイヤーはダウンしてしまうのです。
ですから、選手たちは皆どのタイミングで上を目指すのか考えながら迫りくる紫のダメージ収縮の内側を目指し、その中で敵を倒さなければなりません。
どうでしょうか。これだけで頭が痛くなってきませんか?
安心してください。そんな「簡単な」ゲームではありません。
ゲーマーとしてもっと語りたいところではありますが、本題はそこではありません。
およそ大会では、これを「10回」も行います。
平均して200分近く集中し続けなければなりません。
ぜひ遊んだことのない方がいらっしゃれば、無料で遊べるので遊んでみてください。
楽しい・楽しくないの問題ではなく、一試合でめちゃくちゃ疲れます。
プロは練習としてこの試合を毎日8時間以上行うわけですから、並みの体力では続くはずがありません。しっかりと理解していなくても、中学生であればそれは不可能なことを知っているはずです。
本題に戻りましょう。
じゃあなぜ子供たちは不登校にまでなって、「プロゲーマーになりたい」と思うのか。
答えはとても単純です。
「認められたい。成功したい。」と思っているからです。
お父さん、お母さん、一度中学生の時の頃を思い出してもらえないでしょうか。
クラスを見渡せば、悩みの無さそうな友達、部活も勉強もめちゃくちゃ出来てしまう友達、音楽祭でピアノが弾けちゃう友達ばっかりです。
そんな友達に嫉妬した経験はないでしょうか。
今の子供たちは、更に嫉妬してしまう原因があります。
それが「YouTube」や「Twitter」なんです。
先ほど紹介させて頂いたFortniteのプロゲーマーの平均年齢は16~18歳。
しかもそれだけではなく、どれだけ才能があり、一夜にしてスターに上り詰めたプロでも20代を境に一瞬で大会のランキング上位から若い世代に順位を引き下げられます。
つまり中学生という若さで大会で何億円という賞金を稼いでしまうプレイヤーはざらにいる社会になっており、億とは言わずとも、10代という若さで若者から絶大な人気を誇るプレイヤーが、SNSやYouTubeを見ていると当たり前のようにそこら中にいるんです。
実際の中学生は、偏差値が50ぐらいあれば十分すぎるぐらいで、部活に入りながら友達とワイワイ楽しい学校生活を送っているだけでほとんどの親は認めてあげられるのに、中学生にとってはそういうわけにもいきません。
YouTubeで何万人も集めてしまうような中学生のプロゲーマーがタイムラインを占めていて、学校にいけば才能がある(ように見えてしまう同級生)友達に囲われます。
勉強がそこそこ出来ても、友達と楽しくしていても、部活に入っていてもどこか心は焦っているのです。
そうすれば、子供たちはどう思うでしょうか。
「早くこの焦りから解放されたい」と思うはずです。
高校に通い、大学に通い、就職するだけで中学生にとっては後7年"も"先の話しです。
この焦りから解放されるのに、後7年。
7年間「才能」という言葉に悩まされるなんて、子供たちにとって耐えられることでしょうか。
絶対に不可能です。
となると、焦ってしまった子供たちが欲しくなるのは、毎日何時間もゲームする時間でも、ゲームをしてお金がもらえる環境でもありません。
ちょっとだけ周りの大人たちから、「褒めてもらう」ことだけなんです。
これらを理解しながら、子供からの「プロゲーマーになりたい」というメッセージを理解してあげられているでしょうか。
ボルさんはただのゲーマーに過ぎませんが、ほんの少しだけ、「プロゲーマーになりたい」というメッセージに込められた真意を知ってほしいなと思い、このnoteを書かせて頂きました。
それぞれの家庭や考え方で答えは変わると思いますが、「ゲーム上手いね」と声をかけてあげるだけで、焦りから救われる子供たちは多いのではないかと思います。
ぜひ、ゲームに夢中なお子さんのいるお父さんお母さん、声をかけてあげてください。
VOLBOXでは、そんなゲーマーたちの考えていることを毎日発信しています。
ゲーム好きな子供の気持ちを知りたいと思う優しい皆さん、ぜひTwitterを覗いてもらえればなと思います。
Twitter…https://twitter.com/volbox_official