[番外編]プチ遭難@鎌倉大仏・後編
台風が近づいているというのに、鎌倉旅行に出かけた私と友人。うっかりハイキングコースから大仏コースへ足を踏み入れた所までが前編。
なにせ20分位で着くと思っていたし、結構薄暗くなっていたので、色んなものを見落としてました。スタコラ歩いてたら、大きな道路に出たんですが、GoogleMAP先生を見ると「今来た道を引き返せ」と言っている。うーーむ。なぜ。
たまたま近くにいた地元の人っぽいご婦人に声をかけ大仏までの道を聞くと
「ええー?今から大仏まで行くの!? ハイキングコースで!? ぷぷっ」。
ぷぷっ??
笑った。ご婦人確かに笑ったけど。止めて欲しかった…!! 返す返すも、この時このご婦人が
「今からハイキングコースに入るなんて、絶対やめた方がいいわよ」
と言ってくれていれば…!!
後に私と友人は
「きっとあのご婦人は狐で、私たちを化かしたんだろう」
と結論ずけることとなる(涙)。
お狐婦人の言うことにゃ、どうも私たちは、ハイキングコースに入る道を間違えて、坂を降りて来てしまったらしい。
戻ってみると、ありました。標識。
これは他の記事からいただいた写真。薄暗くて完全に見落としてました。
❌がついてる所を降りてしまったんですね。
改めてはいって歩くこと10分くらい。
なんか…。
暗くなってきたよね…?
でも20分で着くよね…?GoogleMAP先生もそう言ってるし・・・。
チラッとよぎる不安を打ち消す様に、友人とぺちゃくちゃ喋りながら歩くこと更に数十分…。
ハイキングコースにしては、アップダウンがキツイ。二人ともスニーカーは履いていたけど、雨に濡れた山道はかなり滑る。その上落ち葉も。
足を取られない様に、もうすぐだよね、もう着くよねと、三角点を見つけながら気分を盛り上げていた時突然…!!
前から現れた人物…!!!!
それは・・・!!!!!
半裸
水着
裸足
手ぶらの
外国人(白人男性)
待って。待って待って。
時間は夕方17時過ぎ。今は9月末。
ここは山の中のハイキングコース。雨。
有り得る? このいでたち、有り得る?
安全な人?危ない人?
ヤバイヤバイヤバイ。
観光客で半裸水着ってアリ?ナシ?
地元の人で裸足で山歩くのアリ?ナシ?
ぐるぐるぐるぐる脳内パニック。
悲鳴があがりそうだった。
隣にいる友達の名前を呼びそうだった。
でも!!
この人危ない人だったとしたら!!
「やべえ」
という態度を出したら殺されるかもしれない(失礼かもしれないけど)
と咄嗟に判断した私は、引きつってただろうけど、何でもない顔をして外人を見た。
すると外人は笑顔で言った。
「コンニチハ」
「こんにちはー」
私たちも笑顔で返して。
何でもない風に会話を。
すれ違ってからも。
しばらく嘘みたいな楽しげな会話を続けた。
多分この間、数分だと思う。
でもひょっとして危ない人だったら、
何にも気づいてないフリを続けないと。
追いかけてきたら。
振り返ったら真後ろにいたら。
想像するだけで、口から心臓が出そうな恐怖・・・。
ほんっっっとに。ほんっっっっとに。
怖かった……!!!!!
もちろんこの時、友人も「殺されるかも」と思ったそうで。
もし変質者だったら、追いかけられてもこのぬかるみで逃げられないし、捕まらなくても落ちて遭難するし。助からんなこれは。
とふたりとも思っていた。
こうやって書くと「そんな馬鹿な」と思われるかもしれないけど、想像してみてください。
殆ど視界が悪くなってる山道に突如現れる、
半裸
水着
裸足
手ぶらの
外国人(白人男性)
怖すぎる。悪気がなくても怖すぎる(涙)。
この後どんどん日が暮れて真っ暗。スマホライトで照らしながら、進めども進めどもゴールが見えず。下ったと思ったらまた上り。
真っ暗なので、木や岩の影が人に見えたり、急に携帯のバイブが震えてビクッとしたり。梟が鳴いたり。
そして、私が前、友人が後ろから歩いてきてたんだけど、ホントに後ろにいるのが友人なのか怖くなる…人って恐怖に囚われると、変なホルモンが出るみたい。
友人は髪が長いので、真っ暗な中でレインコート着てると貞子にしか見えず。声は友人だけど、顔は別人だったらどうしようか…とか。
友人は私の白い靴を頼りに歩いていたそうで。空を見るとまだ少し明るいのに、山道はこの暗さ。
途中で二度ほど標識を見逃し、危うくカフェ(樹ガーデン。Webで調べたら素敵なカフェだった)に行きそうになったり。
晴れた昼間なら凄くいいハイキングコースなんだろうけど、夕方〜夜、雨模様には無理!!
ハイキングなんて可愛いものじゃなく、ほとんど登山!!
ロープを掴まないと降りられない難所もいくつかあり、携帯と傘で片手が塞がれていたので、
「落ちたら死ぬ…死ななくても骨折…」
の思考を振り払い、必死に喋ってました。喋る気力だけで歩いてたと言っても過言ではない!!
きっとボケても、この日の事だけはずっと忘れないよね、おばあちゃん、またその話って言われるよね、とか言いながら、やっと街の灯りが見えた時の安堵と嬉しさと言ったら…!!
もう…言葉では表せない。
文明バンザイ…!!(号泣)。
今回、携帯の充電があったから良かったものの、もし充電器を持っていなかったら、真っ暗で方向もわからなくなって、多分二人とも心折れて山で一晩過ごすか、無理に歩いて捻挫とか骨折とかしてたと思う。
結局、1時間近く歩いてました。
大仏様はもちろん見れず…(涙)。
私の背中の疲労感が半端ない(笑)。
この位のプチ遭難でも
「生きててよかった…」
って思うくらい怖かったから、本格的に遭難したり、何かで九死に一生を得た人の死生観が変わる、というのが
「わかる…!!」と思ってしまいました…!!
でも、そんな状況の中、頭の片隅で
「この感情はインプロに使える・・・」
「このシチュエーションは怪談に使える・・・」
とかちらと思ってる自分にもちょっと呆れたけど(笑)
あの外人の正体は、
「きっと『大仏』だったんだ。必死に歩いてる私たちが気の毒で、大仏の方から歩いて来てくれたけど、慌ててたんで、変身が中途半端だったんだね」
と、飲みながら友人と結論づけました(笑)。
<教訓>
日が暮れてから、ハイキングコースに入ってはけない
鎌倉はリベンジしたいけど、ハイキングコースは二度と行きません…!!
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?