不登校と学校〜「3人の子どもたちが不登校になって」〜 Review
**本記事は、マガジンVol.11に掲載されている
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子どもが不登校になるということ
3人の不登校経験を持つAyataroさんから、声が届きました。
不思議なことに、子どもが不登校だと、その兄弟も不登校になることがしばしば起こります。僕もそうでした。
僕は4人兄弟の3番目で、上の2人も不登校でした。
こんなとき、保護者はどのように感じるのでしょうか。
Ayataroさんはどのように僕たちにその心境を語りかけてくれるのでしょうか。
お子さんが不登校になる。
多くの場合、それは想定外で少なからず精神的なダメージがあります。
そしてどこかに答えがあるはずだと、暗中模索の中、奮闘する保護者の姿があります。
Ayataroさんは、長男が不登校になった時のことをこう語っています。
息子と顔を合わせれば言い合いばかりで苦しい関係が続きました。思えばこの頃の私は、子どもと話す場を設けても、子どもの話を聞かず自分の考えばかり話していたので、険悪になるばかりだったのです。
とにかく辛くて、子育て本を読んだりコーチング講座を受けたり、必死に答えを探そうとし始めた時期でした。
先日ご紹介した「無敵の母さん」も同様に苦しんでいました。
(Voices Vol.7)
子どもを育てる。
親として、教育者としてどう対応していいかわからずパニックになる。
答えはどこにあるのかと探し、もがく。
面白いことに、焦って答えを見つけようとしても見つかりません。
しかし、すこしだけ肩の力を抜いて、子どもとじっくり向き合った時、
ふと、もしかしたらこれが答えなのかもしれない。と気づくことがあります。
2人目の子どもが不登校になった時、Ayataroさんの中にある変化が起こります。
とても辛いことだったけど、でも、長男の時みたいに死にそうなほど辛いことではなくなっていました。今の子どもの状態に必要なことなのかも、そして私にも必要なことなのかも、と思えるようになった
重要なのは
決して外にあるものを「見つける」のではなく、
内側にあるものに「気づく」ことなのかもしれません。
3人の不登校のお子さんを持つAyataroさんは僕たちにそう伝えてくれます。
そして、Ayataroさんは学校という場所を僕たちに問いかけてきます。
なぜ、不登校が生まれるのか。
その数は増加し続けるのか。
何が原因なのか。
教育の専門家は様々な視点でその原因を指摘していますが、
母親の目線で、そして真っ直ぐに僕たちに語りかけてくれます。
また、現在22歳になった長男、通信制の高校へ進学、卒業した長女が
当時を振り返って語る言葉にもぜひ耳を傾けて欲しいと思います。
不登校を経験した子どもが大人になってどう生きるのか。
僕たちは今だけではなく、その未来にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。
不登校を経験した子どもの未来
冒頭にお伝えしたように、僕には上に2人兄弟がいて、
どちらも不登校を経験しています。
長男は私立の中高一貫校に編入し、卒業。
大学まで進み、就職して生きています。
長女は結婚し、今は2人目の子どもを授かりながら、子育てに奮闘しています。
そして僕はというと、一般企業に就職さえしてないものの、コーヒー屋をこっそり営みながら暮らしています。
また、僕の友人はずっとフリースクールに通い、今は音楽家として活動しています。
多くの保護者は、自分の子どもが不登校になった時、
子どもの未来を想像し、心配し、不安になることがあると思います。
しかし、その未来は子どもと共に見たものなのでしょうか。
不安で仕方ない「今」。その気持ちはきっと計り知れないほど不安なのだと思います。
でも決して焦らないで欲しいと思います。
多くの選択肢があって、いろんな生き方があります。
気づいていない未来があります。
どうかその未来を子どもと共にゆっくり歩んでいって欲しい。
20年前不登校だった僕はもう28歳になりました。
それでもあの時じっくり僕と向き合ってくれた両親。
共に未来を想像したあの時間があったからこそ、
未来である今がある。
一歩も進んでいないように感じたあの時間が何よりも大切だったと、
今は強く思います。
(菊地)
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