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VOICES Vol. 19  選択肢を広げるために

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あらすじ

フリースクールでボランティアしていた方から
今の教育システムに関しての声がとどきました。

本文の前にちょっとしたあらすじを紹介したいと思います。

この方は不登校・退学率が半数を占める、ある高校を舞台としたTVから教育現場に興味を持ち始めます。
その後フリースクールでのボランティアを経て、今思うことを形にしてくれました。
主に「子どもたちへの理解」と「選択肢の提示」の2本柱で構成されています。

どうすれば子どもたちの不登校や退学を減らすことができるのか。
そこには制度的な視点もありますが、日常的にできる様々な工夫でも改善は可能だとおっしゃっています。
例えば、声かけ。

叱るのではなく褒める。

教育現場では叱るのは簡単でも、褒めるのは難しいと言われています。
例えば、叱るには目の前の行為だけに触れて理由を説明しなくても叱ることは可能です。
しかし、褒めるためには、「OOをしたから」褒めるという理由が求められます。そのためには、教育者は常に子どもたちの行動に目を配る必要があります。
褒めるというのは、簡単そうに見えてとても難しいのです。

また、叱る・褒めるに共通しているのは、その背景に何があるのかまで思慮しなくてはなりません。

なぜこの子どもは学校に遅れてくるのか、学校に来ないのか
授業を真面目に聞かないのか、態度が悪いのか。
表面上だけ見れば、それは子どもの責任で、簡単に怒ることができます。

しかし、その奥底まで見ようとしないで頭ごなしに怒るのは、浅はかな行動であり、教育者の責任だと僕は考えています。

それぞれの子どもたちが生きているその背景まで視野に入れることが求められているというのをこの記事を通して僕たちに伝えてくれます。

次に選択肢の提示に関してですが

この方が再三伝えてくれるのは
選択肢は視野にに入らない限り存在しないと同じこと、ということです。

以前も書きましたが「NPO法人フリースクール全国ネットワーク」が出版している「フリースクール白書」には、「学校外の選択肢に関する情報が少ない」と指摘されています。
今でさえインターネットが普及して情報にアクセスできることは容易ですが、そもそもフリースクールを知らない人にとっては、いくらインターネットが進化してもそれは無意味なものです。

この方が伝えてくれた中でその通りだなと思ったのは、
「学校内で学校外の学びの場の情報を伝える時間があっても良いのでは」
、ということでした。

言われてみれば
なぜ、学校内でフリースクールなどの情報を耳にすることがないのでしょうか。
学校に来なくていいというのはある種のタブーのようなもので、口にしてはいけないような風潮があるように感じます。
しかし、学校と学校外は敵対するのではなく、共存していく時代が今きていると感じています。
どこで、ではなく、どのように学ぶのが子どもにとって一番大事なこと。
そう教えていただいたVoiceでした。

(菊地)

<<<本文は以下から始まります>>>>

◎プロフィール

フリースクールで、少しの期間ですがボランティアとしてお世話になっていました。
いま特に何か活動しているわけではありませんが、これからの子供達の未来、教育については大人たちがよく考えていく必要があると感じています。


◎『今の教育や、フリースクールについて』

「自分自身が学校に通っている」
「子供がいて学校に通っている」わけではないので
きちんと現在の教育について把握出来ているわけではないですが、
以前「逆転人生」というテレビ番組を見て、教育について思ったことを共有したいと思います。

その番組では、不登校、非行が多く退学率が半数ほどの高校が取り上げられていて、子どもたちを登校させ「退学率をどうやって減らすか
を課題として奮闘していく様子が描かれていました。

実際にとった対策ですが結論から言いますと
・「先生から生徒の現状把握」
・「生徒が自分自身の現状把握」
・「先生から生徒へ選択肢を与える」
でした。

この対策を行ったことで、
結果的に退学率を減らし就職率100%という結果を叩き出していました。

中でも取り上げたいと思うのは、
「先生から生徒の現状把握」です。

不登校や、遅刻が多いと言ってもただサボっているとは限りません。
家庭の事情で育児放棄なども見受けられ、その現状を知ることで、例えば遅刻しても「叱る」のではなく「よく来たね」と褒めて、180度違う声かけを行うようにしていました。

また、
「生徒が自分自身の現状把握」も不登校問題を解決する上で見落とすことができないと感じています。

例えばこの番組では、育児放棄の家庭で育つ子どもが登場し
「家事をこなし学校に行くことができない」
「金銭的に学校に行くことができない」などの理由により不登校、退学へとつながっていました。

そこで、学校がとった対策は「選択肢を与える」事でした。

たとえば夜間学校、通信制といった学校外での学びの場所の提供
生活が苦しく勉強を続けることができない人へは生活保護や様々な支援制度などの選択肢でした。
(市や、家庭の状況によって異なるため、詳しくは役所などで確認をしてください)

制度があっても知識としてなければ誰かが教えてくれないと、なかなか知り得る機会がありません。

また、貧困から抜け出すための具体的な術を学ぶ特別授業「反貧困学習」。親から子への「貧困の連鎖」を断ち切ろうとする授業が行われました。

それにより、退学率が減り希望する生徒の就職率100%となっていました。
もちろん、全ての教育現場や家庭に同じことができるかはまた別の話ですが、それでも一つの選択肢として伝えたいと思った次第です。


フリースクールについて

フリースクールにおいてですが集団で馴染めず、学校に行けない子が引きこもりになってしまう…などの場合、「フリースクール」を知っている子はどのくらいいるのでしょうか。
引きこもって人との関わりがなくなってしまうのは、1番良くないパターンだと思います。
でも、本人や保護者、学校が「フリースクール」の認知がなければ選択肢にもなりません。

積極的に促すようにと捉えられたりすると、保護者、学校間でトラブルになる可能性があるため、授業で実施しろとはいいませんが、張り紙などで「学校じゃなくても居場所はある」と知らせてもいいのでは?と思います。

私が学校に通っていた20年ほど前は全くそう言う知識はありませんでした。今はあるのかもしれませんが、きっと学校によるのでは、と思います。

いま、コロナ間で人との関わりがコミュニケーション、学業についての問題が沢山あると思います。
解決ができていない問題が沢山あるかとは思いますが、子供達へ
「選択肢を広げる」為に色々な事を発信し、共有できる事を望みます。



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