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ちょっとした断酒

少しだけ、断酒をしている。

少しだけというのは、会社の送別会で1回だけ飲んだし、まだ3カ月目だし。完全を目指すと失敗しやすいので、少しだけがちょうどいい。


お酒の力は偉大なり。

現実から私をどこか遠くの世界に飛ばしてくれるヒーローなり。


ただ、効果が切れてしまうと、急に現実というものが空虚でつまらないものになってしまって、切れてしまったという確かさに失望してしまう。酒に希望でもあるようである。どんなことでも笑って前向きにさせてくれるし、なんといっても気分がよくなる。その反動に、私は向きあえる強さをもっていないから、酒は少し遠ざけている。

家の冷蔵庫にあれば飲みたくなるし、ある状態を保ってしまう。1缶飲むと、2缶目に手が伸びている。そういうものである。強力だからこそ、弱っているときこそ、即効性がある薬になるけれど、一時しのぎでしかないけれど、頼ってしまう。依存してしまいやすい、確実に手にはいる対象になってしまっている時期もあった。

意外にも、無理をして断酒をしている感覚はない。気がつければ、3か月で一度だけの飲酒回数。優秀じゃないか、私。しょうもないことでも、自分を認められることがあると、少しだけうれしい。

お金も節約できていることだし、いい具合じゃないか。これからも続けていこう。

今年の会社の忘年会は、偉いとされる役職の方が横に来る可能性もあるので、接待が面倒で不参加にした。未だにお酌して、グラスを空けないようにするなんて、そういう行為や考え方が嫌いである。自分でできることを、下っ端がしなくてもいい。働いていることを労う会なんだろ。付き合いが悪いなんて言われようが、そんなの関係ない。こういうときには、今どきの若者ですから、と答えておけばどうにでもなる。

自分の弱さから遠ざかろうとしても、余計に苦しむので、無理に離れようとしなくていい。弱さは日常に溶け込ませておくのが、私には似合っているんだろう。


昨日で仕事納めであった。

今日からは、さっそくミカン畑の近くにある無人の小屋で、一袋100円のミカンを2つ、それぞれ違う小屋で買ってきた。大きさも違うけれど、味も違うはず。こうやって、少しずつやりたいことをやって、年末年始は私の思うまま自由に過ごそうか。一人で年越しになりそうだが、今年は悲観していない。来年に期待もしていない。

ただ、私の手の届く範囲に、美しい私だけの庭をつくるような時間を過ごしたい。

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