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あたりまえが一瞬で崩れた日

それはまだお正月休み真っ只中の1/2の15時に突然起こった。

2022年開講予定のとある企画の打ち合わせを終え、
もうすぐ告知の時間だなぁ、といつも通り作業をしていた私。
隣の部屋では子供たちがいつも通りキャッキャと遊んでる。

冬休み、春休みと言う比較的短い休みは
預かり保育のない幼稚園に通っているため、
2人の娘と過ごす時間が続いてた。
年末年始だし、託児所もおやすみだし、
スタジオも動かせないので分かっていたこと。


なーのーにー!!!
ドスン

何回目かのジャンプで「ギャァーーーーーー!」と
雄叫びをあげている次女3歳。
 普段から大袈裟なのでまたか、と思ってすぐ見に行かなかった。

私「どうしたのー?」
 隣の部屋から声をかける

3歳「足が痛い」

私「そんなジャンプとかしてるからよ。
  家の中でそんなことしていいんだっけ?
  お机は乗るものじゃないでしょー??」

 まだ事態に気づいてない私はペラペラとあたりまえのことを言う。

3歳「もう歩けん。お風呂も入れん。ぴょんぴょんもできん。
  うわぁぁぁぁーーー」

私「いいよ、ぴょんぴょんしなくて。
家の中では静かに過ごしてくれないと。
お風呂くらい入れるでしょ、またまたぁ〜」

とようやく部屋を見に行ったら、倒れたまま動かなくなってる。



え!!!!!!
すぐそばにいたお姉ちゃんは、普通におままごとをしてる。
ある意味こちらにもびっくり。
 

私「なにがあったの?ジャンプしてただけじゃないの?」

5歳「うん、そうだよ。机からお布団にジャンプしたら泣き出した」
 さらっと状況を伝えてくれるお姉ちゃん。まだ事態の深刻さに気づいてなかった。


まずい、何か大変なことが起こってる、と直感的に感じた私は
まず一番にまもなく告知時間になる仕事の件を一旦ストップするべく
ビジネスパートナーへ連絡。

「そんなことより救急車呼んで!大丈夫だから!!」と言ってくれたことで現実にかえる。


何番だっけ。119?
実はこの時「なんでまた救急車…」と言う思いがよぎった。

12月の終わりにも転倒して頭を怪我して大出血。
スタジオに連れて行った自分を責めた。。

目を離したすきにパワーラック付近で遊んでいたようで
ガシャンと言う大きな音とともに鳴き声が響いた。

打ち所が悪かった。重量固定のピンに当たってしまった様でさっくり切れた。

後から聞いた話だけど、頭部の外傷は驚くほど血が出る。
それだけ血流が多い場所ということだそう。
その量の多さに、正気を失った私は救急車を呼ぶにも、
スタジオの住所が思い出せずオロオロあわあわして、
電話口の方に「落ち着いてください」と言われたほど。


それもあって、今回は冷静だった。
状況を伝え、病院へ向かう準備をする。
お姉ちゃんは「救急車に乗れるの???!」と喜んでる。

うん、乗れるよ。自慢できる体験じゃないんだよ。乗らないほうがいいんだよ。
そう思いながらも空気を読んでくれたのか、せっせと準備を手伝ってくれる。


抱っこも拒否される状況で、痛みの大きさとショックのせいなのかうつろになっていく3歳さん。

寝ていいの?意識をなくしてるのかな?
判断がつかない。

「早くきてくださーーーーーい救急車さま!!!」と思っていたら到着。



1/2(日)
あたりまえだけど救急。
こんな日に、申し訳ない。
ちょっと見てもらって帰ろう。安心するために来たんだ。

そう思っていたけど、すぐにこの思いは崩れた。


股関節脱臼。
レントゲンの画像を見て、誰が見てもわかるひどい方向にずれている。
一応ピラティストレーナーなので、解剖学の勉強をしたからよくわかる。


緊急オペになります

そう告げられて一瞬頭が真っ白になった。

え。。。。オペ?
切るの?
いわゆる脱臼を戻す「整復」だよね?
どっち????


3歳の子がただ机からジャンプしただけで股関節脱臼というのは
ほぼ例がないことだそうで、担当のドクターも困っている。
子ども専門医と連絡を取りながら慎重に進めてくださってる。


例のないこと?
エビデンスがない?

え????


そう聞くと不安になるもの。
どうしてうちの子が。。。。。

悲しむよりも、自分の行動を責めてしまった。
あの時同じ部屋にいれば。
ジャンプは5回くらいしてた。1回目でダメでしょ、と他の遊びを促せばよかった。
ギャーと泣いた時、すぐに見に行けばよかった。


ワタシハ ナンテ ハハ ナンダ


お母さんになったら、少なからずみんな抱く感情だと思う。
でも正直ずっと見ていることなんてできない。
言い訳かもしれないけど。私にはできない。

振り返るのはやめにして、今できることをしようと思い直した。

5歳お姉ちゃんが暇を持て余している。
緊急オペになりますと言っても、そんなすぐには始まらない。
同意書書いて、あれこれ書いて。
親は慌ただしい。
18時をすぎた。お姉ちゃんそろそろ限界。
普段ならとっくにお夕飯が済んでいる。

我慢強いタイプではないので、YouTube見たいとか、お腹すいたとか、
帰りたいとか言ってあたりまえなのに、ものすごく退屈なのに
妹のそばでじっと我慢して待ってくれてる。

待ち時間は長い。
子どもにとっては相当長いと思う。
「長いよぉ、、、、マダァ?」とは言うものの、
院内の異様な雰囲気にそれ以上は言わない。

まさかこの時、長期入院になるなんて思ってなかった私たちは
この夜からあたりまえの日常から一旦離れることになった。


仕事を休めない主人はお姉ちゃんを見れない。
頼れるのは私の父のみ。
こういう時に転勤族はイタイ。。。

頼れる親族が県内にいる事はほぼない。
都会嫌い、出不精、どこへでも車でいきたい70歳男子を新幹線で呼びつけ
5歳孫と初の2人暮らしがスタートするなんて。

誰も想像してなかった。


無事オペは終わり、レントゲン的には整復できたという状況にしていただいた。それだけでも感謝が止まらない。
ずっと曲がったままの足が、まっすぐ伸びてる。
いい位置にはめてもらえたんだな、と安堵とともに入院の手続きが始まった。

2週間は入院となります。
コロナのためお部屋からできることもできなくて申し訳ないのですが…
感染予防のため窓も空きませんが、、、
お母さまには食事がついてこないので3食ファミリーマートの宅配となります。

。。。。。。

人生初。
人って初めてのことがこんなに重なるとよく分からなくなるもので
「大丈夫かな、できるかな」という迷いとかなく、『やらなくちゃ!』という思いに切り替わるんだなを実感した。

窓開かない?
ファミマ3食電話注文?

普段コンビニに行かない私はなにが売られているのかすら分からなかったけど
乗り越えたことだからこそ、綴れる✍️
同じようにお子さんの入院付き添いをされているお母さん(お父さん)は
たくさんいらっしゃるということも今回初めて知った。
どこかで私には関係ないこと、と思っていた自分が恥ずかしい。


子育てについて、今回の入院について。
子育てしながら働くことについて、たくさんシェアしたいことがあるので
何回かに分けて書いて行きます。

1つだけ言えることは

1人で頑張らなくていい

ということ。


甘えよう。人の優しさに。

家族。親族だけじゃない。
友人にも。まだ会ったことはなくてもSNSで繋がっている仲間に
どれだけ助けられたか数え切れません。

だから、ここぞとばかり優しさに甘えていい。
私にとって入院付き添いはこんな風に素直になっていく時間でもありました。


お読みくださりありがとうございます。


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