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カラヴァッジョに捧げる、おかきとチョコのライスケーキ
最近は、デジタルツールを使うことが日常的になり、SNS上でのアウトプットやコミュニケーションが増え、短い投稿だとしても、自由に書かれた文章や写真のなかに、その人の価値観を感じられます。
その延長線上にあるものが、絵画やクラシック音楽などの芸術ではないでしょうか?
今回は、洋酒とおかきを使った低カロリーのチョコスイーツをつくりながら、イタリアのルネサンス後期の画家・カラヴァッジョ(1571~1610年)を取り上げます。
これは、彼の代表作。
バッカス(1595年頃、ウフィツィ美術館)
カラヴァッジョの鑑賞のポイントは、リアルに描かれた題材と、光と影を使ったドラマチックな表現です。
果物やグラスの重み、まとった布の写実的な描写はもちろん、この絵からはインモラルなものを感じませんか。それもそのはず、バッカスとは酒の神。理性を取り払い人間本来の姿へ誘うのが役目です。モデルの視線や紅潮した頬に引き込まれ、こんなふうにすすめられたら、断酒中でもこのワインを断ることはできそうもありません(#^.^#)
こちらもすごいです。
聖マタイの召命(1599年 - 1600年、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会)
なんという創造力と描写の力量でしょうか。一枚の中にストーリーが見える、天才画家のなせる技です。
そんなカラヴァッジョの別の面。それは、荒くて怒りっぽい気性。
あるとき、喧嘩のはてに殺人を犯します。
画家の実生活は、作品のイメージとほど遠いことはよくあります。
カラヴァッジョの場合、そのギャップが他にない個性だと思います。
例えば、このナルキッソスという作品。
ナルキッソス(1597年頃、国立コルシーニ宮国立古典絵画館)
ナルキッソスは、ギリシャ神話に登場する、水面に映った自分の姿に恋をして動けなくなりやせ細って死んでしまう美少年の話です。多くの画家が同じテーマで美しい作品を残していますが、カラヴァッジョのナルキッソスは、ちょっと不気味です。
少年は、水面に映ったもう一人の自分(それは心のダークサイドではないかと感じますが)そこから眼をそむけることができなくなったように見えます。これは、カラヴァッジョ自身を投影したもので、深い思索を繰り返したからこそできる表現ではないでしょうか。
カラヴァッジョの人生の後半は、殺人、脱獄のはて、敵対者から襲撃を受けながら逃亡生活を送り、南イタリアの船中で38歳で病死します。
今の時代には、アンガーマネジメントという概念があり、いかに怒りをコントロールするかスキルが重視され、シェアされています。
しかし、カラヴァッジョから怒りを取り去ったら名作を残すことができたでしょうか。芸術家の場合、(世間で言うところの)悪癖も創作の一部ということもあるんですよね。
「少し甘いものでも食べてゆっくりしてください」、そんな言葉とともに
カラヴァッジョにチョコレートのライスケーキを捧げたいと思います。
材料
①チョコレートクリーム
・板チョコ
・生クリーム
・洋酒(私は、ドイツのブランデーAsbachを使用)
上記を50度くらいで湯煎します。味見をしながら適量を加えます。そのとき数回に分けて入れると滑らかです
②土台
・ブラウンライスケーキ
米が主原料のヘルシースナック。大型スーパー、カルディ、成城石井で手に入ります
③飾り(砕いたり、カットして適当な大きなに)
・ナッツ(アーモンド、くるみ、ピスタチオなど)
・ドライアプリコット
・おかき
土台にチョコレートクリームと飾りを載せるだけ。所要時間は、およそ15分です。
洋酒、おかきと、チョコレートの甘じょっぱい組み合わせが最高です。
短時間で美味しくできました。
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