挫折ばかりの人生でした。でも……写実画家・塩谷亮さん
皆さんは、画家という職業にどのようなイメージを持っていますか?
型にはまらない自由人?
破天荒な情熱家?
私自身そんなイメージをどこかで持っていたことは正直否めません。
ですが、それが思い込みであったことをあらためて教えてくれたのが、zoomの画面の向こう側にいる人でした。
その名は、塩谷亮さん。
日本を代表する写実画家です。
昨夜は、来年早々に開催されるオンライン講演の打合せ。
講師を務める塩谷さんは、アトリエからzoomに参加してくださいました。
ところで、「写実絵画」というジャンルをご存じですか?
目の前にある現実、例えば風景、静物、人物などをモチーフとして描かれています。一見、写真に見えてしまうほど緻密で完璧な構図が特徴です。
「絵の横のクレジットが隠されていたとしても、僕の作品だと伝わるようなものを描きたいんです」と静かに語る塩谷さん。
その後ろには、フィレンツェでの留学時代に模写したというヴェロッキオ工房の『キリストの洗礼』の二人の天使たちが額に入れられてかかっています。
写実絵画の研究で名画の模写は、とても重要なのだそうです。
だとしても、ご自身の模写を額に入れて飾っている、そんな姿勢から原点をとても大事にされる方なのだということが無言のうちにわかりました。
今や美術界で不動の地位を築いた写実画家であり、何冊もの技法の著書を発刊され、後進の教育にも力を入れている塩谷さんですが、今日まで挫折の連続、美大では教授陣から見放され、コンクールの落選が何年も続いたと語ります。
そんな彼がどうして、あきらめずに作品を産み出し続け、結果を残すことができているのでしょうか?
「こんな時代で試行錯誤している人たちが多いと思います。だから敢えて、自分が底辺からここまで歩いてきたことをお話ししたいんです」と塩谷さん。あわせて画家としての創作、西洋絵画の鑑賞方法についてもわかりやく解説してくださいます。
2023年1月12日(木)20:00
オンライン(アーカイブ視聴可能)
美しき写実絵画が生まれるまで
https://shajitsukaiga.peatix.com/
講師:塩谷亮
画家という職業は、自分自身がブランドです。
「自分が崩れたら、すべてが崩れる」
そのプレッシャーは、経営者やクリエイターなど創造を生業とするすべての人たちに共通すると感じています。
いくつもの荒波を越え、今なお挑み続ける創作活動を支えるものは何でしょうか?
この機会に写実画家・塩谷亮さんのお話にどうぞ耳を傾けてください。