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【青ヶ島滞在記】帰るまで残り2日

〜前回の記事〜あらすじ

ゆっくり時間を過ごしたり、居酒屋でご馳走になったり、ヘリコプターの予約を取ったり。青ヶ島に来てから初めて“ゆっくり”した時間を過ごした気がします。


8月30日 ヘリに乗れる!!!

朝、ヘリコプターの代金を支払いに行く。台風の影響なのか髪がボサボサになるほどの風。雨の降ったり止んだりはあったが、夏の終わりと秋の始まりを告げるような清々しい空。

「ぼくの足が流れる雲を 追いかけたいと言うのです」

武田鉄矢さん作詞、堀江美都子さん歌。きみがいるからの歌詞を思い出す。追いかけて追いかけてそのままどこかへ行きたい。

尊敬する先輩が海外へしばらく行かれるとの報告を受けて(ぼくは海外ではないが)定住しない働き方、動き方に魅力を感じる。格別関東に固執しているわけではないので、関西でも九州でも行ったことのないところへ行き、転々としながら生活してみたい。今回の青ヶ島でさらに“移動欲”が出てきた。

青ヶ島に来て変わったことは大きく2つ。

1つ目は自分の傲慢さに気づいたこと。2つ目は人との関わり方を変えなくちゃいけないと思ったこと。

これをやっていきたい、これはやりたく無い。それがあるのはいいが、それに誰かを付き合わせてしまうのは良く無い。自分だけで負担を負うならいいが、本来負わなくていいこと相手に負わせてしまうのはよくない。やらなければならないことがあるにも関わらず、ぼくのことで負担を負わせるのはダメだ。


青ヶ島へ来てもそうだ。突然「1か月居させてください」と申し出て受け入れてくださった皆さんに対して、本当に本当にありがたくて申し訳ない。だからできるだけ、無理のない範囲内でできるだけ力になって、青ヶ島の良さを伝えていきたい。ありがたいことに僕をきっかけに青ヶ島を知ったというお声も頂いた。

事情があり、今日はかいゆう丸に泊まらせていただいている。清掃していたお部屋を使わせていただく新鮮さ。これまでであれば観光の宿泊施設を利用する側だったが、今回このように迎える側になった。だからこそより、これからの旅先でのありがたさが染みるようになるだろう。

お部屋も清潔感があり冷暖房機能も心地よく、素足で歩く床も気持ちが良い。ベッド頭のところ、棚と電源がある嬉しさ。

テレビやエアコンのリモコンを置いておくことも、スマホを寝る寸前まで触れることもありがたい。快適さは実際自分が使うことで初めて「ここにこれがあったら」と感じる。

声のお仕事もそうだ。こうやりたい!こうやって読みたい!という気持ちも大切だが、制作側が「読んでほしい声(音)」をいち早く察知し、それを鳴らすのがいわゆる「うまさ」になる。それを度外視したのが「良さ」だ。あくまでも個人的な見解。

青ヶ島を通して“応えられる力をつけていくこと”の大切さを改めて感じた。察することができても、それを打ち出す力がないと。

次回「最後の青ヶ島」


ナレーター
有野優樹(ありのひろき)

青ヶ島で経験した不思議な話

青ヶ島到着の様子

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正直に言います。話を上手くするため、映画を見たり本を読んだりのお金に当てます。直近、島に暫く住む予定なのでそちらの生活費に。