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正しく書けなかった漢字

月に一度の資源ごみの日。
シュレッダーの紙ごみは紙袋に入れて、袋に大きく「雑紙」と書いて出す。

あの日の朝、なぜか私は、「雑」という漢字が書けなかった。
どういうわけか、「殺」という字になってしまうのだった。

「殺」の上に二重線を引いて、もう一度書いてみた。
が、やはり「雑」ではなく、「殺」になってしまう。

あー。もう!

また、二重線を引く。
もう一度挑戦してみた。

二度あることは三度ある。

やはり「殺」だった。
上から二重線ではなく、今度はぐるぐる丸く色を塗った。

もう一度書いた。やはり「殺」だった。
私は焦り始めた。

気持ちを入れ替えて、最初に書くのは「九だ!」と自分に言い聞かせた。
えいっ!

やっと書けた。
袋の反対側にも書いた。

今度は大丈夫だった。
「雑紙」と書けた。

できあがった「雑紙」の袋は、ちょっとおどろおどろしいものになっていた。なぜなら、私は赤色のマッキーで書いていたからだ。

ストレスでも溜まっていたのだろうか。
月に一度、私は「雑」という漢字を書く前に深呼吸をする。



最後まで読んでくださりありがとうございます。
また、次のnoteでお会いしましょう。
(見出し画像:Bing Image Creatorで生成)


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