あれから50年の年。
今年は「あれから50年の年」なのですが、
この数字を見て思い浮かぶものはあるでしょうか?
もしかしたら知らない人も多いかもしれませんが、
今年はNPT発効から50年の年です。
いわゆる節目の年でもあるんです。
「え、NPTってなに?」って思っている人も多いかもしれませんが、NPTとは日本語で核不拡散条約のことを指します。
英語では「Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons」となります。
第二次大戦後、アメリカとソ連の冷戦により、核兵器の数が急激に上昇します。そして核兵器を保有する国がどんどん増えていって、このままだと多くの国が核武装してしまうので、NPTを制定して、法律的に核兵器を保有してもいい国を決めて、それ以外は保有してはいけないというルールを決めました。
現在、この条約のもとで核兵器を保有しているのは、アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスの5ヵ国。それ以外にインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮が保有しているとみられていて、それらの国はNPTに加盟していません。
というわけで、「核兵器をこれ以上拡散させないように、徐々に減らしていこう」って多くの国々で決めたのがちょうど50年前なの。
NPTは5年に1度、その内容を再検討し、より核廃絶を達成するにはどうしたらいいかの会議を開いていて、それを本会議と呼んでいるんだけど、今年はまさに本会議が行われる年でした。
けれど、世界的なコロナウイルスの蔓延の影響で延期され、2021年の春までをめどに会議を行う予定をしています。
今年は広島と長崎に原爆が落とされて75年であり、人類が核兵器を減らそうと決めてから50年の年です。2017年の7月に核兵器禁止条約が国連で採択されてから初めての本会議の年になる予定でした。
NPTができてから目に見えて核兵器の数は減少しています。
でも、数が減少しているだけで、技術力は日々向上しているから、1発の威力はどんどん上がっていきているのも現状です。
たった1発で壊滅的で非人道的な被害を受けた広島、長崎の何十倍もの威力を持った核兵器が、今ではボタン1つで発射できる時代にわたしたちは生きています。
そんな恐怖は日々のニュースに隠されているし、なかなか「核兵器の恐怖」って言ったって、想像できるものじゃないから、「わたしには関係ないや」って思っている人もたくさんいると思う。
2011年3月11日に福島第一原発が爆発したときに世界でありえない量の放射能が飛び散ったけど、ちっともニュースにならなかった。今でも汚染されている地域はたくさんあるし、原発で使われている核燃料で核兵器を作ることもできる。
日本は原発大国だから、もしその燃料を核兵器に転換すると50t弱のプルトニウム(核兵器をつくるための物質)を保有できるの。つまり日本だって核兵器を保有しているのと同じような感じだと、わたしは思っている。
ちょっとNPTのこと知りたいなって方はこちらをぜひ↓
わかりやすい動画学習ができるのと、来週オンラインNPT再検討会議があるので、お時間があるかたはぜひ。
核兵器のことって人間にとってすごく大切で、向き合うべき社会の課題だと思うの。それは、今まで紹介した映画で思ったことと一緒で、障がい者と当たり前の日常を送れるようにとか、パヴァーナみたいな女性の権利のない場所で生きている女の子がいることを知ることとかと一緒なの。
だって「間違っている」から。
必要のないものに「いらない」とわたしは言っているだけなの。
だからぜひ、核兵器が「いらないもの」だということを知ってほしい。
人を自然を生涯傷つけるものだと知ってほしい。
これからはわたしのだいすきな被爆者のお友達の話とか、広島と長崎のこととか、わたしが実際に「核兵器はいらない」と声をあげにいった国の話とか、わたしの言葉を綴っていこうかと思っています。
相変わらず本とか映画とか自分の感情の話もきっとするけど。