📧ユダヤ人の歴史と秘密、世界を陰で支配しているのは本当？⑩(2020年11月)

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WITHOVER News2020｜ポッターさん｜note

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先月2020年10月5日～12日にかけてスウェーデンのノーベル財団およびスウェーデン国立銀行から今年の「ノーベル賞」受賞者と研究内容が発表されましたね。

アルフレッド・ノーベルによるダイナマイトの発明によって岩盤の掘削・爆破が飛躍的に進歩したことで石油の採掘が本格化する契機になったと同時に、戦争の道具として塹壕にダイナマイトを投げ込み相手を爆破するという戦い方(ビスマルク戦法)による近代化は、ノーベル自身が望んだ科学の発展とは違う使われ方をしてしまいました。

ノーベルは次々に入ってくる莫大な特許料を基に財団を設立。ノーベルが亡き後、その遺言に従い1901年から物理学・化学・生理学・医学・文学・平和賞と経済学賞(スウェーデン国立銀行)が毎年発表されています。

ノーベル賞2020 NHK特設サイト

ノーベル賞と言えば日本では2002年に「ニュートリノ素粒子の観測」(スーパーカミオカンデ観測装置)に成功した東京大学特別栄誉教授の小柴昌俊氏が94歳で旅立ったばかりですね。

今回は世界人口の0.02％しかいないのに、ノーベル賞受賞者の約20％を占めているとされるユダヤ人の歴史についてです。

一般的にユダヤ人とは単一民族としての国家を持たず、定住も許されず棄民として各地で迫害され、中東から欧州にかけて土地を転々としながらコミュニティを作り、ダイヤモンドの利権を独占していたり、キリスト教世界では卑しいとされていた貸金ビジネスで金利を得てきた人々とされています。

あまりに賢く優秀であるが故にアーリア人(中央アジアからヨーロッパまでに広く分布する人種)をその弁論で手玉に取り、騙し、富を奪い、世界の富の大部分を独占しているとさえ言われることもあります。

そんなユダヤ人は何処から来て、果たしてどんな人々なのでしょうか。

主説：ユダヤ人の源流はメソポタミアからの移民

今日主流となっている説は世界四大文明の中で最も古い歴史を持つとされているチグリス・ユーフラテス流域に誕生したメソポタミア文明(紀元前,Before Christ,BC3500年頃〜BC400年)の都市ウルからBC1900年頃に訪れた大飢饉を逃れるために現在のイスラエル周辺(約束の地カナン,肥沃な三日月地帯)を目指して始祖アブラハムと共に大移動をした人たち(ヘブライ人,渡り歩く人の意)がその源流となっているとされています。

エジプトへの移民と捕囚、出エジプトと最初で最後の建国

カナンへ移住して暮らしていたヘブライ人たちを約300年後に再び飢饉が襲いました。そして食料を求めてアフリカ北部までやって来たヘブライ人たちはエジプトの人たちから厚遇で受け入れられます。

異文化の人たちは外からの貴重な情報を持っていたからです。彼らは楔形文字*、貨幣、灌漑技術**…エジプトにはなかった様々な文化を持っていました。

*粘土質の土が手に入ることから粘土板に文字を掘ることが出来、これが商売や政治・町の決めごとなどを記録して多くの人に広めることが出来た。その結果として世界最古の貨幣文化もメソポタミア文明から誕生したとする説もある。

古代メソポタミアとギリシアの金融取引について - 歴ログ -世界史専門ブログ-

**土地の高低差を利用して川などから水を引き、農作物や生活を便利にする技術。

しかし王が代わると、異民族を快く思わない新たな王によりヘブライ人たちは奴隷として囚われてしまいます。

その後約400年もの間、酷使された後に子孫の一人モーゼがヘブライの民約60万人を引き連れてエジプト脱出(エクソダス、出エジプト)を決意。

　シナイ山を超える際に十戒を授かり、祈りを捧げると海が割れエジプトからの追手から免れたなどの伝説からユダヤ教(旧”約”聖書,唯一神ヤハウェ,Jehovah,エホバとの旧い約束を記した聖典)が信じられるようになっていきます。

　その後も穢れ*を払うために各地を転々とした末にカナンに戻ったヘブライの末裔たち(イスラエル12支族)はBC1000年頃からイスラエル王国(首都エルサレム)を建国。ここからヘブライ人をイスラエル人と呼ぶようになります。
*奴隷経験者は帰国できず、子孫たち代替わりをするのを待ったとされている。

　イスラエル人は北部に住むフェニキア人(海の民)の協力を得てユダヤ教の神殿(第一神殿)を作るなどソロモン王の治世による交易での黄金時代を迎えます。

国の分裂・滅亡、そして捕囚と流転を余儀なくされる時代へ

しかしソロモン王亡き後、一族を支えてきた12支族は北のイスラエル王国(10支族*日ユ同祖論のガド族など)と南のユダ王国(2支族,首都エルサレム)へ分裂。南北での争いが耐えない時代に入ります。

歴史上ユダヤ人が単一民族としての独立国家を持てたのはこの僅か90年だけだったというのは特筆すべき出来事でしょう。

　そこへメソポタミア北部で交通の要所を抑え錫(当時世界の主要技術だった青銅の原料)や羊の毛織物の交易で都市を繁栄させていたアッシュールバニパル王率いるアッシリア人の軍隊(新アッシリア帝国)が攻め込みます。

新アッシリア帝国は飴と鞭の政策で支配した地域で当時の最先端技術である製鉄技術を国力に取り込み、戦車を用いた戦術で北イスラエル王国を滅亡させます。

その後、新アッシリアに代わりオリエント一帯を支配した新バビロニア王国(ネブカドネザル2世)によって南のユダ王国も属国とされ、二度に渡るバビロニアへの強制移住(バビロン捕囚)が行われました。

しかしBC538年に隣国アケメネス朝ペルシア(クーデターによってメディア王国を改めペルシア帝国へ。べヒストゥーン碑文に記されるダレイオス1世)と衝突して新バビロニア王国も滅び、これによって一部のイスラエル人が解放されエルサレムに帰還。神殿の再建(第二神殿)とユダヤ教の教義の確立を始めます。

　アッシリアに代わって古代オリエント(中東)一帯やユダヤ人を支配したペルシアは中央アジアからエジプト、トルコまでを領土とする当時世界最大の帝国となります。

BC490年、地中海を隔てて接するマケドニア(ギリシア)と何度かの戦争が起きます。圧倒的な領土を誇る世界帝国ペルシアを退けたマケドニア軍の勝利を都市に伝えるために走った兵士がいたことからこの戦争があった地名マラトンに因んで長距離走の競技が誕生します。

アレクサンドロス大王による世界支配と大混乱の中世オリエント史の中でのユダヤ人

BC333年に世界帝国ペルシアがこのマケドニアの若きアレクサンドロス3世(後の大王、二十歳で戴冠)によって滅ぼされ、ペルシアの領土をほぼごっそり奪い新たな世界帝国となります。

 　しかし快進撃を続けたアレクサンドロス大王が遠征中に原因不明の突然死。わずか32歳で亡くなると、死後の世界は大混乱。混乱の中東一体を支配したのはプトレマイオス朝エジプト、その後はセレウコス朝シリアでした。

　シリアはその後ギリシアに代わって欧州を支配した帝政ローマ(ラテン語族)の属国となり、帝政ローマとのユダヤ戦争(AC63年)によって首都エルサレムは破壊され、イスラエルという名も捨てられ、地域一帯をパレスチナ*と呼ばれることになります。
*「ペリシテ人の土地」の意。ペリシテ人は十戒の石板を納めた聖櫃を強奪したとされているこの地に入植した民族の一つ、イスラエル人からすれば敵対民族。

　現在エルサレムにある世界遺産でもある聖地”嘆きの壁”はこの時に破壊された第二神殿の遺構とされています。(金のドームがある場所が”ゴルゴダの丘”とされる説もある)
　その後も各地へ転々として流浪の民となったユダヤの人々を更なる迫害が襲います。

ユダヤ人はイエス・キリストをエルサレムのゴルゴタの丘で十字架で磔にして殺した…この事がキリスト教の広まった世界各地でユダヤ人への憎悪となり、棄民として扱われていきます。

流浪のユダヤ人の生き残り戦略”子供に資産を遺すな”

　国を持てず、また一つの土地に留まることも出来ず、各地で転々と暮らすユダヤ人。彼らが生き残るために重視したのは”コミュニティ”と”教育”でした。
　各地で転々と暮らすユダヤ人同士のコミュニティが貴重な情報をもたらし、それを元にビジネスをして彼らは資産を築きました。

　欧州ではユダヤ人を雇う事がそもそも宗教的に卑しいとされた事もあったため、彼らは自分たちで生きていくために金利や手数料を得る術を身につけていったのです。

今日、金融やダイヤモンド・不動産などの世界を支配している多くはユダヤ人と言われています。

ダイヤモンドとユダヤ人、その切っても切れない関係 【連載】ビジネスに効く! 世界史最前線（第47回） | JBpress (ジェイビープレス)

　また子どもたちに次の生きる糧をどう伝えていくか。時にビジネスを取り上げられてきた彼らは資産を遺すのではなく、子どもたちが自分で資産を築けるようにするための教育を代々受け継いできました。

厳格な戒律を守り、信仰を重んじるためなら国の要職さえも捨てて移民になることも厭わない人々…しかしこれらは欧州の人々の眼には不気味に映ったのかもしれません。

近代に入るまでも中東だけでなく欧州各地でも度重なる迫害を受け、15世紀に大航海時代が始まる直前のイベリア半島からイスラム教徒を追い出すレコンキスタ(国土回復・十字軍の遠征に連動するキリスト教以外を排斥する戦争)を完遂したスペイン(カスティーリャ王国)でも要職についていたユダヤ人たちはカトリック教を国教とするとしたことに反旗を翻し、役職も財産も捨てて移民となったなどその流転の歴史は決して浅くありません。

そしてそんな彼らが近代に入るとヒトラーによる虐殺などを逃れる為に欧州から海を渡り、そして新大陸アメリカでその商才を開花させて豊かになっているというのは歴史の妙でもあります。

ユダヤ人の宗教観に垣間見れる教育思想