【動画🎓🎞️】投資信託はどんな仕組みの金融商品なのか～『お金の教科書STEP3』3-8

日本では今から60年以上前の1951(昭和26)年6月に証券投資信託法が施行され始まった投資信託という金融商品。

証券会社に限らず外資系保険会社で1970年代から扱い始めた変額保険・変額個人年金、2002年に始まった企業型の確定拠出型年金(DC)、個人型のiDeCo、厚生年金の資金を預かり運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、一般NISA・つみたてNISA、2024年1月から始まる「新しいNISA」…

投資信託(ファンド)は今や個人投資家にとって身近な資産形成・資産運用の投資先となっています。

日本の個人家計における金融資産は米国・英国と比較しても預貯金の占める割合が圧倒的に大きく半分以上を占めています。

他方、預貯金の割合が12%と極端に少ない米国や、27%と約4分の1を占める英国のように先進諸国では預貯金の割合は低い傾向にあります。

資産所得倍増に関する基礎資料集
令和4年10月　内閣官房

たとえばアメリカ人は世界の基軸通貨である「米ドルUSD」(以下、ドル)が自国通貨ですから、ドル預金を持っていても、ドルで米国内に投資をしても為替リスクを負うことを考慮する必要がありません。

英国もまた同様で19世紀に世界の覇権国家として君臨し、世界中に植民地を持ちカナダ・オーストラリア・ニュージーランド・香港・マカオ・インド・エジプト・南アフリカ…独立した現在もこれらの元植民地を束ねるコモンウェルス(英連邦王国)を構成。

2018年4月19日に開かれたコモンウェルス
故エリザベス2世女王を中心に46か国の首長と7か国の外相が集結。
現在はチャールズ3世に引き継がれている

2023年時点では国連に次ぐ加盟国・人口26億人を誇る巨大組織となっており、この加盟国間では貿易や国際協力を通じてイギリス連邦の目的実現を目指す役割を担っていることからイギリスの通貨ポンドは現在もなお強い影響力を世界に及ぼしており、ドル円(アメリカ人口3.3憶人)、ユーロ円(EU人口5億人)などの主要通貨と比べても通貨価値の高いのがイギリスポンド(GBP)です。

こうした先進国に対して、日本は覇権国家でもなければ旧植民地も保有していないことから預貯金比率が比較して多少高いのは仕方ない面はあるにしても、50%以上というのはいくら何でも預貯金が大きすぎる状態と言えます。

何しろ日本の銀行預金の利率はメガバンクの普通預金で0.001%、10年定期で0.2%と極端に低くなっています。

銀行はこの個人や企業から預かった預貯金を使って日本の国債を買い、国債を通じて日本は様々な高速道路やダム、堤防などのインフラを整えているのですが、その一方で国が主導する公共事業などには限界があり、経済が好循環で持続的な成長をしていくためには民間企業による事業の拡大が求められています。

その際に企業が資金を用意する代表的な方法は銀行の融資などですが、これまで既に紹介してきた通り銀行融資は企業の経営において常に最適な資金調達手段とは限らないのです。

こうした問題を解決するのが株式や債券での資金調達であり、個人の投資家にとってはどの企業の株式や債券を買ったらよいのかは非常に悩ましい問題です。

そこで投資信託というみんなでお金を出し合って、巨大な共有資産のプールを作り、それを資産運用会社という運用のプロにコストを支払う代わりに運用をしてもらう仕組みが投資信託です。

日本国内では2023年8月末時点で316兆2,633億円が投資信託で運用されています。

ここにはGPIFなどの厚生年金の運用、また日銀や財務省などが金融政策で投資をしている資金も含まれ、家計金融資産に占める投資信託の割合は4~5%ほどです。

しかし冒頭で触れたとおり、投資信託は今や証券会社だけでなく企業型DCやiDeCo、変額保険・変額個人年金などでも投資先として扱われており、こうした間接的に投資をしている割合を加味すると株式・投資信託の合計投資割合は18.8%(2015)となり、英米の比率には劣るものの、表面的な数字以上に身近と言えます。

2014年に一般NISAが始まったこともあり、その後の2017年iDeCo税制改正、2018年つみたてNISA、老後2000万円問題や人生100年時代などのキーワードと共にここ数年でも20代30代といった若い世代を中心に今や投資信託はもっとも身近な資産形成、投資先の選択肢になっていると考えられます。

ところでこの投資信託はどういった仕組みの金融商品なのでしょうか。

ネット証券や税制優遇制度が普及し、投資が身近になった影響か投資信託の基本的な仕組みを理解せずに投資をしている人も今や少なくありません。

基本を理解していないと投資詐欺や、本来であれば負わなくてよいリスクを負ってしまうことがあります。

驚くべきことに投資経験がそろそろ数年にもなろうという人の中にも「○天証券がヤバイらしいけど、もし潰れたら私の投資しているお金は大丈夫ですか？」と今更のように様々なニュースやTwitter(X)の書き込みを見てセミナー等で質問をされることがあります。

増やすことにばかり意識が向きすぎてしまい、リスクを正しく認識できていない、基礎をおざなりにして高いリターンは出ているけど、ギャンブルにおけるビギナーズラックに酔いしれている人のように、今更実際の長期運用で平均リターンでは満足できなくなってしまっている方も中にはいます。

さてさて、投資信託とは何のためにどうして生み出された投資対象、金融商品なのでしょうか。

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