骨髄ドナーの適合通知が届いた~あなたが誰かのヒーローになる日⑪
ある日、私の携帯電話に一通のSMSが届いた。
日本骨髄バンクからのHLA型(白血球の型)が合致して、ドナー候補者の一人として選ばれたという通知だった。
私がドナー候補者の一人として選ばれたのはこれで二度目だ。
前回はこんなSMSが届いた記憶はないので、最近導入されたのだろう。
このSMSから5日ほどして自宅に郵送物が届いた。
前回の候補者として選ばれてからおよそ2年ぶりの適合通知に、私は不思議と安堵していた。
この記事が公開される頃には諸々の検査等も終わり、ドナーとなっているのか、はたまた検査段階で前回同様に数値が基準を満たせず候補から外れてしまっているかの結論が出た後だろう。
これは私が誰かのヒーローになる(かもしれない)までの備忘録である。
「今年、2万人のヒーローが引退します。」
かつてこんな衝撃的なキャッチコピーを見たことはあるだろうか?
これは日本骨髄バンクが平成28年(2016年)にAC JAPAN(公共広告機構)を通じて発信している骨髄ドナーへの登録を呼びかけたものだ。
今時と思われるかもしれないが、男にとってヒーローとは永遠の憧れである。
男の子であれば誰もがきっと幼少期に何らかのヒーローに扮して、ポーズを取ったことがあるだろう。
世代によってそれは月光仮面かもしれない。
ギャバン、シャリバン、シャイダー、メタルダーや仮面ライダーや戦隊ヒーローかもしれない。ウルトラマンかもしれないし、もしかしたらパーマンかもしれない。
ヒーローがもしいなかったとしたら、世界はどれだけ絶望に満ちているだろう。
ヒーローとはその存在そのものが”希望”であり、”憧れ”なのだと私は思う。
1年で2万人の引退するヒーローたちは、社会の中で私たちと同じように暮らしている。
朝は満員電車に揺られ、会社では上司に怒られているかもしれない。部下をなだめているかもしれない。夕方、家に帰ると子供を抱きかかえて買い物に行っているかもしれない。
家族とご飯を食べ、お風呂に入って、日が変わる頃には布団についているかもしれない。
しかし彼ら彼女たちは一度、通知を受けると素性を隠し、そして見ず知らずの誰かのためにその身を挺して、救おうと手を差し伸べる人たちだ。
街が破壊されているわけでもない、怪人が何か悪だくみをしているでもない。
けれど困っている人を助けるために、彼らは立ち上がる。
自分が傷づくことを厭わず、助けるために立ち上がる。
そんな彼らはやはりヒーローと呼ぶにふさわしいと私は思う。
そして私も誰かにとってのヒーローでありたいと思う。
助ける相手の顔も名前も知らないけれど、誰かの役に立ったと思いたい。
それは自己満足かもしれないけれど、世の中のために役に立ったという実感が得られる。
ドナー提供はそういった意味で、とてもよくできた仕組みだと思う。
しかしその一方で、骨髄バンクへの登録者数はこれら引退をするドナー登録者たちに加えて、外出自粛・テレワークの普及なども重なり横ばいを辛うじて維持している水準まで落ち込んでいます。
860,638人というのは日本骨髄バンク発足から集計時点までに登録したドナー数ですので、引退をした人たちも含んでいます。
より大切なのは有効なドナー登録者数の方でこちらは533,074人。
また年齢別でみると年齢が上がるにつれて増加傾向にあり、47歳をピークに徐々に減少していきます。(ドナーは55歳で引退)
私の経験からお話をさせて頂くと、これは危惧すべき状況だと思います。
私自身が1回目の適合通知を受けた際にもそうだったように、年齢と共に移植前に行う事前の血液検査でひっかかって骨髄提供まで進めないケースが高くなることが考えられるからです。
40代でも50代でも登録するのは構わないのですが、若い世代がこの登録者数の中心に来ないと折角適合しても提供できない可能性が高くなり、それが年々高まっていることをこの状況は意味しているからです。
日本骨髄バンクは50万人のドナーがいれば、日本人の骨髄移植の95%を行うことが出来るとしていますから、2020年の増加数はかなりギリギリの水準まで落ち込んだことを意味しています。
日本骨髄バンクの広告『今年、2万人のヒーローが引退します。』にはこんなことが書かれています。
次のヒーローはこの広告を観た、この記事を観たあなたであって欲しい。
ヒーローの意思は、社会で暮らす一人一人にリレーのように受け継がれていって欲しいと思います。
ドナー登録をされている方は対象年齢18~54歳までのおよそ100人に1人。
以前、このnote.comの中でも献血についての記事を書いたことがあります。この中でも骨髄ドナー登録について軽く触れたのでドナー登録に興味のある方は是非、この記事と合わせて読んで欲しいと思います。
移植が求められている「白血球」とは?
血液は細胞部分と血漿成分に分類が出来、凡そ45%が赤血球などの細胞成分と呼ばれています。(血液も細胞という考え方)
細胞成分の割合の96%と大部分を赤血球が占めています。赤血球は体中に酸素を運び、二酸化炭素を持ち帰るという役割をしています。
その数は血液1μLあたり男性で500万個、女性で450万個という途方もない数です。
赤血球の寿命は約100~120日程度です。
一方の白血球は体内に侵入してきた細菌やウィルス、有害物を食べてやっつける役割をしています。
血液1μLあたり4,000~9,000個と少なく、寿命も3~5日と極端に短いのが特徴です。
その他、止血作用である血小板が血液1μLあたり15~40万個となっており、寿命は10日ほどです。
通常の血液型といえばA型・B型・AB型・O型の4種類(ABO血液型、赤血球の型)とRh±が有名ですが、白血球にも型があり、これをHLA型(Human Leukocyte Antigen)と呼びます。
HLA型にはA座、B座、C座、DR座などが数種類~数十種類あり、その組み合わせは数万通りに及びます。
「骨髄移植」は血液の種類の一つ、白血球を何らかの原因で自ら作り出すことができない病気(白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、重症再生不良性貧血、免疫不全症、一部の先天性代謝異常症など)の数少ない治療方法です。
少し細かく説明すると骨髄の中では芽球(がきゅう)と呼ばれる様々な血液細胞に分化することができる細胞を作っています。
例えば急性骨髄性白血病(AML)になると白血球に分化するはずだった芽球がガン化(腫瘍化)して異常に増えます。正常な血液細胞が作れなくなるとガン化した芽球(白血病細胞)の比率が高くなり、正常な赤血球や血小板が減り、骨髄では白血病細胞が充満。
すると
・正常の血液細胞を造れないための症状
・白血病細胞が増えたための症状
を発症し、これによって、次のような様々な状態に陥ってしまいます。
1.正常白血球減少による症状:治りにくい感染症(口内炎、肺炎、尿路感染)原因不明の発熱。
2.赤血球減少(貧血)による症状:顔面蒼白、息切れ、動悸、全身倦怠感など。
3.血小板減少による症状:皮下出血、粘膜出血、歯肉出血、消化管出血、性器出血、脳出血など。
医療技術の進歩と発展によって化学療法や免疫抑制剤などで治癒可能となったものもありますが、未だに造血幹細胞移植でしか治癒が望めない患者が大勢います。
血縁関係のある両親であっても子どもと型が合致する可能性はおよそ4分の1、ここで型が合致すれば骨髄移植のドナーは型の一致する親からということになりますが、もし型が両親のいずれとも合致しない場合には第三者(非血縁者)からの移植に頼らざるを得なくなります。
※兄弟姉妹も同じ理由から型が一致するとは限らない。また年齢的な移植制限もある。
日本人は比較的HLAが似ていることが多く、骨髄ドナー登録者数50万人を超えている現在において国内の患者の約95%※が骨髄バンクに登録した人からHLA適合者を見つけることが出来るようになりました。
※一部、海外ドナーからの提供を受ける場合などがある。
患者の治療と3つの移植方法、ドナーの入院期間
白血球を作るためには骨髄液が必要となり、移植を受ける患者側はドナーが決まると移植予定の1~2週間前から大量の抗がん剤投与や全身への放射線照射という移植前処置を行います。
そして移植後に正常な血液細胞が作られて安定するまで、塵や細菌のない無菌室で過ごします。
白血球は寿命が短いため、輸血で補うことは現実的ではありません。このため「造血管細胞」(一般名称:骨髄)と呼ばれる赤血球、白血球、血小板の元になる骨の中心部にある海綿状(スポンジ状)の造血組織を移植することで、患者が自分の中で白血球を作り出す手伝いをするのが骨髄移植です。
造血幹細胞移植にはここで紹介する2つの方法以外に、へその緒と胎盤の血液の中「さい帯血」にも含まれていて、こちらを使用するものを「さい帯血移植*」と呼びます。
*出産後は処分されてきたものからのため提供者にとっての負担が少ないが採取できる量が少なく、骨髄移植と比べて移植の歴史が浅いために研究がまだ十分ではありません。こちらは日本赤十字社関東甲信越さい帯血バンクなどが実施しています。
日本骨髄バンクが提供している移植には2種類の骨髄液の採取方法があります。
一つが骨盤の背中側のウエストの位置の少し下にある骨盤骨(腸骨)からの「骨髄採取」です。
全身麻酔の上、手術室でうつ伏せの状態で骨髄穿刺針(ボールペンの芯ほどの太さ)を皮膚の上から刺して、1回に数ml程度の骨髄液を吸引。皮膚を切開して刺しやすくすることもあります。
左右それぞれ1~3か所、計2~6か所ほどから採取し、体重(kg)あたり15mlほどを目標にドナーの身体の負担にならない範囲で摂取されます。
(手術室にいる時間は2~4時間ほど)
採取後2~3日で退院となり、復職または復学が可能となります。
もう一つの採取方法が「末梢血幹細胞採取」という方法です。
G-CSFと呼ばれる白血球を増加させる薬を採取前3~4日間、1日1~2回注射することでドナーの末梢血(全身を流れている血液)の中に増血管細胞が増加します。
4日目または5日目に腕の太い血管(または大腿静脈)から採取を行い、血液成分分離装置にかけて体重あたり200ml/kgを目標に循環させます。(上限250ml/kg)
体重50kgのドナーの場合、10~12.5㍑の血液が血液成分分離装置を循環することになります。
移植に必要な量が採取できれば1日で終了ですが、必要数に足りない場合には翌日2回目の採取を行います。
こちらは採取終了の翌日に退院して、復職または復学することが一般的です。
いずれの場合も採取後1年間はドナー登録保留となり、患者との適合は行われません。
また骨髄バンクによる提供回数は現在は血縁・非血縁に関わらず、骨髄と末梢血幹細胞を合わせて2回まで提供可能としています。
また末梢血幹細胞提供の際に使用するG-CFSの長期的な安全性について科学的データを収集中のため、現時点では1回までとしています。(採取が中止となっても1回と見なします)
骨髄移植と末梢血幹細胞移植は既に世界で30万例以上行われていて、患者自身の造血幹細胞を移植する自家移植とさい帯血移植を含めると100万例以上の移植数になります。
移植による患者の生存率と自家移植と同種移植
どんなものにも100%は存在しません。骨髄移植も有効な治療方法の一つではありますが、100%ではありません。
下記リンクによると65歳以下の急性骨髄性白血病の患者の5年生存率は約40%、急性リンパ性白血病の場合は約30%とされています。
自分の骨髄を一度取り出し保存。そのうえで抗がん剤・放射線で体内の白血球を徹底的に減らしたうえで取り出した骨髄を戻すと、血液を作る機能が回復することがあり、これを自分の骨髄を使って行おうというのが自家移植です。
尚、同種移植は型の一致した第三者(血縁者・非血縁者含む)からの移植のことです。
移植後100日における生存率は自家移植の場合、50歳未満と50歳以上ではともに高く近年では90%半ばを維持しています。
同種移植(50歳未満)の場合はそれよりもやや低い90%台前半を、50歳以上では80%台前半を指しています。
ではこれが移植後365日経過時点で観るとどうなるでしょうか。
自家移植、同種移植共に10%ほど数値が低下しています。同種移植で50歳以上だと生存率50%台半ばとなりますが、近年はゆるやかにその数値が上向き傾向であることはうかがえます。
しかしこれを更に詳細に観ていくと同種移植における血縁者間と非血縁者間でも異なる数字のばらつきがあり、移植100日後はともに高い数字を出していて血縁者であるかどうかは誤差のように思えるほどです。
移植後365日経過時点での生存率でみると骨髄移植が相変わらず高い位置にいますが、やや血縁者間の移植の方が数字が良くなりそうな傾向が観れます。
またさい帯血移植が血縁者間の末梢血幹細胞移植を上回るようになってきます。さい帯血がどんな細胞にもなれる万能細胞と期待される所以ですね。
移植後にどれくらいの経過年数まで移植患者が生存したかの統計も公表されています。
一般的に骨髄ドナーとして提供をする非血縁者間の骨髄移植では5年後50%、末梢血幹細胞移植で48.2%。
現在の所は長期間で観ると、さい帯血移植よりも骨髄移植または末梢血幹細胞移植の方が生存率が高い傾向にあるようです。
また急性骨髄性白血病の5年生存率が40%、急性リンパ性白血病の5年生存率が30%であることを考えると骨髄移植の可能性にかける患者の気持ちはまさに希望のための治療方法と言えるのではないでしょうか。
オレンジの封筒の中身は…
さて日本骨髄バンクから届いたオレンジ色の封筒の中身を少しだけご紹介したい。(IDや日付、連絡先等はモザイク処理をさせてもらいました)
まずは挨拶文。
適合したので7日以内に返信してくださいという案内文。
今後の流れについて、また海外渡航やドナー提供を希望しない場合の連絡を速やかにして欲しいガイダンス。
計7枚に及ぶ健康状態等に関する問診票と個人情報の取扱いに関する同意書。
あと上記7枚に加えて該当者だけが返送する東日本大震災避難地域等における被ばくに関する確認書。
面談施設一覧(希望の病院に〇をできるだけ沢山する)
そしてハンドブックと返信用封筒。
デジタル化が叫ばれている昨今ですが、郵送コストがかかってもこういうのはアナログの方がいいと思うんですよね。
初めて適合者になった人の場合などは家族に見せて説明をしたりするのになんでもデジタルというのもなかなか難しいと思う。
また私など保険募集をしているから紙で書くことの重要性をやはり感じる。
紙で説明をして、紙にサインをするというのはお互いの意思確認であり、単なる同意事項とは重みが違うと思う。(古い考え方かもしれないが)
民間の医療保険から給付されるファイトマネー「ドナー・ニーズ・ベネフィット(DNB)」
骨髄ドナーとして提供をすることになった際に、手術や入院代は患者自身が負担をするため費用の負担はありません。
しかしドナー自身で加入をしている民間の医療保険から「ドナー・ニーズ・ベネフィット(DNB)」と呼ばれる給付を受ける事が出来る場合があります。
これは2005年4月にプルデンシャル生命が日本で最初に提供を開始したサービスで、加入中の医療保険から骨髄ドナーとなって骨髄ドナーへの骨髄移植または末梢血幹細胞採取をしてくれた被保険者へ手術給付金を支払うというものです。
2014年7月末までに185件、2,102万円がプルデンシャル生命1社だけでも行われています。
入院や手術に費用が掛からないのに、手術給付金が支払われることに「経済的損失への保障」である民間の保険での給付は疑問を感じる方もいるかもしれません。
確かに入院や手術料の負担はドナー側にはありません。
しかし仕事などを休んで骨髄移植のために入院をして、身体に針を刺して…こうした行為を経ての移植に対して僅かばかりのファイトマネーとして給付金が支払われるとしたら、骨髄移植をする人が少しでも安心して、または積極的にドナーになろうと考えてもらえるのではないかと同社の保険募集人(ライフプランナー)たちの声から提供を始めたと言われています。
2005年3月、プルデンシャル生命がDNB導入をするに先立って保険業法の改正が行われました。
同社の米国法人は1989年、現在では生命保険に当たり前のように付帯されている無料の特約「リビング・ニーズ・ベネフィット(LNB)」を北米で初めて提供を開始した保険会社でもあります。
LNBの時も、またDNBの時も既存の保険業法などのルールの中では取扱いのできなかったものですが、当局(現在で言えば金融庁など)に掛け合って法律の改正を働きかけてその実現にこぎつけた経緯があります。
DNBは今日ではプルデンシャル生命の他、日本中の多くの生命保険会社が提供する医療保険に付帯する保障となりました。
ニッセイ基礎研究所によると2019年11月時点で生命保険会社22社、損害保険会社3社と一部の共済がこの動きに参加しています。
保険会社によって、また加入中の医療保険の内容によってもこのDNBから給付される手術給付金の金額や倍率(日額の何倍)は一様ではありません。
これを目的に医療保険に加入する人などいないでしょう。
しかし、この小さなことの積み重ね。
見ず知らずの困っている誰かを助けるという骨髄ドナーと保険という共通の助け合いの輪でもあることは言うまでもないでしょう。
自治体が支援する骨髄移植ドナー支援制度
その他にも近年では従業員が骨髄移植をすることで仕事を休むにあたっての支援制度(助成金)が自治体によって提供されていることがあります。
例えば新宿区が居住地または勤務地のドナーと勤め先の場合、ドナーには入院1日につき2万円、勤務する事業所には1万円が助成金として支給されます。※港区はドナーに3万円…自治体によって異なります。
こうした制度があることは社会的な認知が十分に進んでいるとは言い難いと思います。
仕事を休むにしても、業務の引継ぎや職場の理解なども欠かせません。
これを読まれた方の一人でも多くの方が、骨髄ドナーの登録をしていただき、私のように適合の通知を受けた時に可能であれば困っている人の手助けをしてくれたらそう願っています。
骨髄ドナー登録について
繰り返しの紹介になりますが、骨髄ドナー登録については過去の記事を参照してください。
または日本骨髄バンクの下記ページをご参照ください。
日本赤十字社の献血受付時に申出ることでドナー登録を行うことが出来ます。
ドナー提供の機会は一期一会
既に触れたとおり以前に骨髄提供のドナー候補となりながらも血液検査の数値で提供できなかった私ですが、今回は返送した問診票と電話での詳細な数値結果の報告を行いました。
そして、それから約1週間ほどした後に電話でこの数値では今回も見送った方が良いでしょうとの医師の判断によってドナー提供の機会は訪れませんでした。
この辺りは保険加入の時と似ていて、健康診断結果が「要治療」や「要精密検査」になっていなくても、また日常生活に支障を来していないとしても移植者へのリスクを考えると見送らざるを得ないということなのだと思います。
そうしたやり取りの数日後、電話でやり取りした内容を書面でお知らせする保留期間が前回より長めの3年という通知が郵送で届きました。
冒頭でも触れましたが、現在骨髄ドナーに登録をしている中心年齢は40代後半にさしかかっています。
私はこの保留期間が明けた後で、HLA型が合致したとしても提供できる可能性はどれだけ残っているのでしょうか。
どんなに健康に気を使っていても加齢という衰えは避けようがなく訪れることを私は知っています。
食事や運動、ストレスなど様々な要因が健康診断の数値には反映されます。
ダイエットも始め、1年前より体重は8kg減りました。
健康診断は感染対策で例年より遅れ、こうしたやり取りのおよそ半年ほど前に受けたばかりでした。しかし今回は血液検査をする前に候補から外れてしまいました。
他にも複数の型が該当した候補者がいるということなのだと思います。
骨髄ドナーの輪は、こうして多くの見ず知らずのドナー登録者同士のリレーによってもつながれていると知ると少し安心したような、提供できなくてやはり残念なような複雑な気持ちになります。
こうした人の役に立てる機会というのは人生の中でもそうそうあることではないでしょう。
だからこそ今、20代・30代の若い人にもこうした輪に賛同できる人には賛同してほしいと願っています。
まずはドナー登録者から。日本赤十字社の献血ルーム、献血会場で献血と一緒に登録が可能です。