【動画🎓🎞️】株価と債券金利の関係。金利が◯◯の時には債券に投資せよ~お金の教科書STEP2(2-13)

本記事を書いている2023年6月の米国の政策金利は5.25％です。

米国FRBは2022年3月に「利上げ」を開始して以来初めて6月の金融政策決定会合(FOMC)で利上げ停止を行いました。

しかしこれを持って利上げがこれ以上は上がらないと現段階では断定できません。

物価上昇がまだ沈静化していないとして、米国の中央銀行にあたるFRBが更なる利上げを織り込み始めているという報道が増えてきました。

FOMCメンバーが予想する2023年の予想であるドットチャートでの中央値は5.625％。利上げは通常「0.25％(25bps)」ずつ上げていきますので、あと2〜3段階ほどは上がるかもしれないというのです。

ここまでお伝えしてきた通り、中央銀行の金融政策は満期1年以内の政府の発行する債券の金利を決定します。このため政策金利＝短期金利と呼びます。

一方で1年超の債券の金利は"市場の需給"で決まります。

ここで「債券は金利と価格が逆に動く」と呼ばれる現象が現れます。

少し大まかに概説すれば、この金利でほしいという人が多いと債券の価値は上がりますので、債券の金利は下がります。

この金利では欲しくないという人が多いと債券の価値は下がりますので、債券の金利が上がります。(金利が高くないと買ってもらえない)

株式は価格で売買をしますが、債券は金利で売買をします。

また各国の中央銀行が消費者物価指数や失業者数などの経済指標を参考に金融政策を行います。
このため、経済指標の発表後に金融政策を決定して金利を決め、それが市場金利に働きかけるために時間差で世の中に効果を波及させていきます。

経済指標カレンダー（11/14～11/21）| GMO外貨

株価は期待で買われる"先行指標"なのに対して、債券は市況を見て遅れて政策決定がされ、さらにその効果が市場に反映するまで時間がかかる"遅行指標"となるのが特徴です。

また伝統的な投資対象として株式と債券は表と裏の関係にあります。
「株式」はリスクをとって、投資対象の企業の成長に資金を投じます。

RPGでたとえれば、冒険に出かける人(冒険家)にお金を貸して、武器を買い、冒険で収穫した獲物を出資割合に応じて分配するのが株式投資です。

「攻撃は最大の防御」「先手必勝」という攻め気が多いのが株式投資

防具を買うとお金がかかるばかりか、素早さが落ちるので極力買わず、身に着けず、予算を攻撃力にだけ割り振ります。
武器は攻撃で傷みやすいため、冒険を終えた時に売っても多くの場合に二束三文にしかなりません。

冒険家が活躍して大金を稼げるかもしれませんが、逆に死んだり、傷ついたら戻ってくるお金が無くなるリスクがあります。

これが株式投資における投資原資(元金)が割り込むリスクと言えます。

対して「債券」は投資先の企業が破綻しない限り、元本が満期時に戻ってきて、それまでは利息を受け取れます。

RPG的に例えれば、冒険家自身が安全に帰ってくれば再び冒険で収穫を目指すことができるので、防具に予算をかけます。
しかもこの防具は換金性が高い特徴があるものという傾向があります。

「盾の勇者の成り上がり」
剣や槍・弓など攻撃系ではなく、
防御に特化した盾しか使えない勇者の運命は…

しかも◯年という期間を定めて、投資家への還元を最初から約束しているため投資家の取り分は少ない傾向にありますが、出資者にとっても冒険家にとっても計画が立てやすいという特徴があります。
(投資期間と配当・分配金など)

現在、日本ではNISAなどの株式投資や株式型投資信託での資産形成・資産運用がある種のブームになっていますが、殆どの投資家が債券と債券市場の仕組みを理解していないことは片手落ちと言わざるを得ないでしょう。

金利が急速に高くなってきた現在、これから景気後退を避けるためにアメリカをはじめ主要国の政策金利が利下げに転じ始める時に投資市場で何が起きるでしょうか。

今回の動画では債券の基本的な性質と株価との理論上の関係について解説しています。

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