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映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning-』についての考察とネタバレと妄想(まとめ)

男なら誰しも好きなモビルスーツ(MS)の一つや二つくらいはあるものです。
どうも、プロトゼータやゼータプラスが大好きなポッターです( ˘ω˘ )

好きなMSについて

ゼータプラスC型

ちなみにリ・ガズィも好きです。
要するにZ系がマシンとして、また造形を含め好きなんですね。

ええ、百式やZZも好きです。(聞いてない)

『機動戦士ガンダム』の第一期放送は1979年4月~1980年1月という世代。
( 私は1980年生まれ)

当然、生放送で観て育ったような世代ではありませんが、幼稚園の頃に夕方放送されていた『機動戦士Zガンダム』(1985年3月~1986年2月)を観ていましたし、『機動戦士ガンダム』は再放送で観ていた世代です。
多分、その頃からずっとZ系に脳を焼かれたクチです。

小学生に上がるとSDガンダムが流行し、騎士ナイトガンダム物語も始まりました。好きなのはやはり剣士ゼータガンダム。

再放送で初代のガンダムも観ているものの、まずZ系の造形が好きなんです。あとはレッドウォーリアーも好きです。

始めて作ったガンプラは小学生の時のRX78-2(いわゆるファーストガンダム)ですが、プラモ狂四郎に憧れてミニ四駆で培った小学生の技術*でこのRX78-2をパテやプラ板で加工、塗装し、レッドウォーリアーを作ったのが人生最大の大作でした。

*銅板をエッチング液で溶かして作った基盤を利用した電子工作を自由研究で提出していたのが高学年の頃でほぼ同時代。なぜ理系でなく文系に…()

『プラモ狂四郎』はサンライズ非公認だったが、
現在のビルドファイターにつながるガンプラファイトの源流へ

わかりますかね?ガンダムのあの口元と違うこのマスクにとっても惹かれるんです。(マスク美人みたいな想像力を刺激するというか…)

この影響か、Z系統ではありませんがF91のマスクが外れるところとか…()

あとはZ系等に多く見られる変形機構が私の中の男の子心をくすぐります。

『機動戦士ガンダムSEED』でいえば、イージス、ジャスティス、セイバーなど…私の癖がよく分かるでしょう。
(別にアスランが好きなわけでも嫌いなわけでもない)

まぁ、このように男子なら好きなMSの一つや二つは誰しもあるものです。

ここからは続けてジオン側のMSで好きなのは…(以下自粛)

好きなMSについて語り始めるとそれだけで何徹することになるかわからないので、早速(?)本題の『機動戦士ガンダム GQuuuuuuXジークアクス』(以下GQX)について私の率直な感想をネタバレありで書いていきたいと思います。


知的財産権(IP)について

おっと、その前に大切な前提についての話を少しだけ。

IP*の世界的代表格はウォルト・ディズニー。ミッキー・マウスなどのキャラクターコンテンツを生み出し管理し、そこから長期的に収益を得るビジネスを確立。今や世界各地にあるディズニーランドはその集大成とも言えます。

*Intellectual Property(知的財産権)

著作権は米国の場合、作品発行から最大95年間(1924~1963公表の場合)。
1964年以降は著作者の死後50年、法人著作権は創作(発表・公表)から70年です。

技術や特許、例えば特定の症状を緩和する薬の特許権は出願から20年(特例で延長5年)であることを考えると著作権というのは非常に息の長いビジネスであることがわかります。

※最大95年はディズニーの権益を守るためとよく語られた。

1928年に公開された『蒸気船ウィリー』の初代ミッキーマウスの著作権はウォルト・ディズニー(1901-1966)個人による創作でしたが、上記の特例期間に該当していたため公表から95年が経過した2023年末で失効し、パブリックドメインになりました。よって同作に登場するミニーマウスと共に商業利用や二次創作、生成AIへの学習提供が現在は可能となりました。

*キャラクター名が商標登録されている場合は引き続き規制を受ける。また失効したのは『蒸気船ウィリー』の白黒版のミッキーマウスで、その後の作品に登場するカラー版やリデザイン(服装など)は引き続き著作権が有効。

パブリックドメインとなったミッキー等を使った
二次創作のホラー作品が近年公開されるようになった

ドナルドダック(1934)、スーパーマン(1938)、バッドマン(1939)などアメリカを代表するキャラクターたちも今後相次いで著作権が失効します。

また日本ではサンリオキャラクターや任天堂(マリオシリーズ)、またスタジオジブリなどのIPが有名です。またソニーグループ*が2024年12月にKADOKAWAの筆頭株主となったことでアニメ・音楽・映画とIPから得られる権利収入などが期待されています。

(グループ社長もソニー銀行をゼロから創業した十時氏になったし、色々期待が高まっている)

*傘下にソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、ソニーミュージックや映像企画・製作・販売・映画配給などを手掛けるアニプレックス、制作会社のA-1PicturesやCloverWorks、海外映像配信(OTT)及び映画配給会社のCrunchyroll LLC(サンフランシスコ)を有する。


さてこのIPという情報を、少しだけ念頭に置いてここからは考えていきましょう。

『機動戦士ガンダム』の初放送は1979年4月7日で2024年の同日で45周年を迎えました。

『機動戦士ガンダム』というアニメーション作品は、法人であるサンライズによって公開されたものですから著作権上は公表から70年とまだ時間的に余裕がありますが、折り返しである35年はとっくに過ぎています。

(共同著作物は最後の著作者の死後70年だが、法人は解散を除けば企業が買収・合併を含め著作権を譲渡し続けることができるため公表から70年と考える)

そして『機動戦士ガンダム』の原作の著作権者は以下のようになっています。


原作:矢立肇×富野由悠季

ガンダムの生みの親でもある富野由悠季よしゆきと、株式会社サンライズ(公開時は日本サンライズ、現バンダイナムコピクチャーズ)のペンネームである矢立肇やたてはじめが併記されているのは『機動戦士ガンダム』が、サンライズで働く富野氏との共同著作物であることを示しています。

富野氏は『伝説巨神イデオン』の結末から”皆殺しの富野”と呼ばれ、エヴァンゲリオンにおける"殲滅の庵野"と組んで、良くない事が起こる予感しかしません。


『機動戦士ガンダム GQuuuuuuXジークアクス』はガンダムの版権(著作権)を持つサンライズと、『シン・エヴァンゲリオン:||』や『シン・コジラ』『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』などのシン・シリーズで日本のIPの再創作で今や押しも押されぬオタク界の神になりつつある庵野秀明率いるスタジオカラーによる共同制作をした作品です。


これは一言で言ってしまうと、ラーメン屋などの飲食店などでも見られる暖簾のれん分けです。

オリジナル(元祖)の『機動戦士ガンダム』の著作権を譲渡する訳ではないけれど、スタジオカラーに暖簾分けをして、そこから作ったカラー作品はサンライズ(バンダイナムコピクチャーズ)の許可を得れば「ガンダム」を冠しても良いという制限付き許可を得たということなのではないでしょうか。

かのディズニーでさえ、世界中の物語をベースにした再創作から次々にヒット作を生み出したウォルトが亡くなった後で新たなヒット作を生み出せるようになるまでには非常に長い苦悩の時代がありました。

ディズニーアニメーションでいえば1966年のウォルトの他界から、1989年の『リトル・マーメイド』までの23年も低迷し続けたのです。

こうした点を考えるといくら富野氏が健在とはいえ、ガンダムを生み出し、宇宙世紀シリーズを築き上げてきたとはいえ停滞期にぶち当たったというのは決して珍しい話でもないのではないでしょうか。

監督:鶴巻和哉

監督はスタジオカラー所属の鶴巻和哉監督。
新聞配達奨学生として東京のアニメ専門学校を卒業し、5歳先輩の摩砂雪(庵野と同世代)の絵にあこがれてスタジオジャイアンツに入社。

鈴木俊二に誘われてガイナックス『ふしぎの海のナディア』から参加。
庵野秀明らガイナックスのスタッフから学ぶことが多いと感じてその後も残留。『新世紀エヴァンゲリオン』で摩砂雪と共に副監督を務めました。

その後は2000年にSF作品『フリクリ』(キャラクター原案:貞本義行)で初監督を務め、2004年にはガイナックスの看板作品でもあった『トップをねらえ2!』の監督。
2006年に庵野秀明がカラーを設立すると移籍し、2007年から始まったエヴァンゲリオンの新劇場版では総監督:庵野秀明、序・破・Q、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を監督として支えてきました。

ちなみにメガネ娘好きですが、エヴァの中ではアスカ派だそう。
(アスカの眼帯は鶴巻氏の癖なのでは…と個人的には疑っている)

現在のカラーの取締役の中で最も庵野秀明と付き合いも長く、実質的な監督としての後継者や庵野秀明の懐刀と呼んで差し支えないかもしれません。
(摩砂雪は相談役として原画や絵コンテ、作画監督を務めることが多い)

パンフレットによると、まだ『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021年3月公開)を制作していた頃にサンライズの関係者から鶴巻が監督としてやってみないかという打診がカラーのプロデューサーにあったということで、それが正式な形になったのが始まりだったそう。

シン・エヴァの制作は前作『Q』(2012)の公開時期から考えても、かなり長く、明確な時期を特定する材料は足りませんが、軍人ではない女性パイロットを主人公にした作品…として構想しているうちに『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(2022)が公開されたということに触れられているため同作の制作発表がされたのが2021年9月ということを考えるとシン・エヴァの公開が既に具体的に見えつつあった時期ではないかと推察します。

何故なら鶴巻氏自身がシン・エヴァでかなりギリギリまで奔走していたことを我々は知っているからです。

実力も経験も申し分ない監督である一方で、庵野秀明の陰に隠れてなかなか作品が評価されないことも少なくありません。

サンライズ×カラー共同制作という大きな看板の作品を任されたことで、その評価が大きく変わるのかにも注目です。


脚本:榎戸洋司×庵野秀明

作品の脚本は『美少女戦士セーラームーンS』で脚本家としてデビューした榎戸えのきど洋司。後にTV版『新世紀エヴァンゲリオン』で庵野秀明と共同脚本を手掛け、『ラーゼフォン』やエヴァの新劇場版などでも脚本協力をしてきました。

脚本家の多くはフリーランスであることが珍しくありません。榎戸もスタジオカラーの所属ではありませんが、過去に組んでいるということもあり信頼していなければ庵野秀明が再度組むことはしないでしょう。

どこまでが榎戸の構想で、どこからが庵野秀明の構想なのか、また鶴巻監督はどこまでかかわったのかは明確ではありませんが、構想を言語化して表現するという上で相当な役割を担ったであろうことは想像できます。


メカニックデザイン:山下いくと

MSなどのメカニックデザインはガンダムシリーズの花形とも言えます。
GQXのメカニックデザインは山下いくと。

ふしぎの海のナディア』でニュー・ノーチラス号を、
『新世紀エヴァンゲリオン』では途中参加。

小説版エヴァ『エヴァンゲリオンANIMA』ではメカニックデザインだけでなく執筆、デザイン、イラスト、製作総指揮を担当。
(ん?編集以外ほぼ全部では…)

スタジオカラーがガンダム作品を担当するなら、ごくごく自然な流れで担当をしています。

まぁ、狙っていなくてもシン・ガンダム感(シン・エヴァ×ガンダム)が出てしまうのは仕方ありませんね(苦笑)


キャラクターデザイン:竹

キャラクターデザインはポケットモンスターシリーズ(サン&ムーンソード&シールドスカーレット&バイオレット)のキャラクターや一部モンスターを担当したり、西尾維新『戯言シリーズ』『刀語』などの表紙・挿絵を手掛けた氏。

よって、これまでのガンダムシリーズの中でもかなりデフォルメ感の強いキャラクターで描かれるGQX…(うーん、かわいい)

しかし、キャラデのかわいさに騙されてはいけません。
アニメ業界にはかわいい絵柄と物語のギャップを利用して鑑賞者の心をエグることを良しとする悪習があります。

こういうのはジェットコースターのようなものですから、落差は激しければ激しいほど良いのです。


GQuuuuuuXを楽しむ

GQXを一層楽しむために、必要なことは『機動戦士ガンダム』をもう一度見直すということだと断言します。

全シリーズ全話を見直すのは大変ですが、せめて第1話の「ガンダム大地に立つ!!」だけでも見てから劇場に行ってほしいと思います。

バンダイチャンネルで無料で観れます。
またdアニメストアやUNEXTでは全話視聴可能。
(時間が許すなら全40話…いやトップをねらえ、TV版エヴァから…)


時系列

さて、『機動戦士ガンダム』をこよなく愛する多くのファンたちは本作をどう観たのでしょうか。

恐らく内心こんな感じだったのではないでしょうか。

これが決して大げさな表現ではありません。
たとえばある方は鑑賞前…


鑑賞後ーー

お分かりいただけるでしょうか。
古参のファンでさえ、いやファンだからこそ、衝撃を受ける展開が待っていました。

そして衝撃のあまり「ネタバレを踏む前に見に行け」と勧める箝口令かんこうれいが自然発生的に生じました。

ここまでの展開は『シン・エヴァンゲリオン:||』でもなかった展開です。

あまりに厳格に、まるで信仰心を試すような口をつぐむ鑑賞者の行動に、
カラーのx(サブ垢)からはこんな投稿まで。


では、公式が公開前に公表した予告をご覧ください。

以下、ネタバレを含む考察です。

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ガンダムの課題(ネタバレ含む)


ガンダムシリーズには幾つかのシリーズ派生作品があります。

TV版『機動戦士ガンダム』(ファーストガンダム)と、そのリメイク*である劇場三部作。

*TV番組として打ち切りとなり、ストーリーを削ることになったためTV版をベースに作り直した。

その続編にあたる『Zガンダム』『ZZガンダム』、その後のアムロとシャアの決着を描いた初のオリジナル劇場作品『逆襲のシャア』。

その後の『ガンダムUC』『F91』『Vガンダム』もまた正史であり、作中の暦から「宇宙世紀(U.C.)」シリーズと呼ばれます。

ここはサンライズにとっての聖域であり、それ以外のガンダムシリーズは「アナザーガンダム」(オルタナティブ)と呼ばれています。

これまでも様々なアナザーガンダムが誕生しました。しかしシリーズとして継続したのは『ガンダムSEED』くらいで、その他は劇場版などがスポット的に投じられたに留まります。

また『THE ORIGIN』など、正史の中でも一部を改編したAnother U.C.もあります。

時系列とアナザーガンダムに分けると以下のようになります。


そして今回の『GQX』を含めるとこうなるのでしょう。

SDガンダムやガンプラファイトを除く


これまでサンライズが頑なに守り続けてきた「宇宙世紀(U.C.)」シリーズというガンダムシリーズの聖域初めて改編されたことになります。

厳密に振り返ると1999年に公開された『G-SAVIOUR』は宇宙世紀0233年という宇宙世紀シリーズの中では最も遠い未来を描いた例外的な作品もあるわけですが、今回はガンダムシリーズの最もコアな部分である1年戦争からの分岐であるため、驚いたというファンが相次いだのです。

ファンの中には「宇宙世紀」シリーズを「正史」と呼ぶ人たちもいるくらいですから、その重みが伝わってくるでしょうか。


上映前は「アナザーガンダムが新たに追加」、または「シン・ガンダムかもしれない」くらいに思っていたところにコレです。

(かつてのアップルも驚愕の情報統制を達成したとも言えます)

しかも地球連邦軍が1年戦争に勝利するというこれまでの「宇宙世紀」からの流れを、ジオンが勝利した世界線として描くというのですから、劇場で上映が始まって吹き出しそうになるのを堪えるのに必死だった人たちは相当なガノタ(ガンダムオタク)でしょう。

ジオンの勝利…それはファンであれば誰しもが一度は考える世界線です。
しかしそれがあまりに「if」すぎる話であることも、ファンはよく知っています。


下記noteでも指摘されているように「宇宙世紀」シリーズは原作者である富野氏自身も高齢となり、そしてメインのガンダムファンの年齢も40~50代となってきています。

これの何が問題かといえば、

「宇宙世紀」シリーズへ新たなファンを呼び込めない
・若い層向けのアナザーガンダムがシリーズとして続いていない現状
・AnotherU.C.を含む「宇宙世紀」シリーズの行き詰まり

という問題に直面して、既に四半世紀が経とうとしているという問題です。

つまり、富野氏が健在とはいえ、かつてのディズニー低迷期と酷似する状況に陥っているといえます。

そうした点において、現在の日本のアニメーション業界において富野氏の信頼を勝ち得、「宇宙世紀」シリーズを再創作できるのはスタジオカラーの他にないのではないでしょうか。

『GQX』が人気になればその源流である「宇宙世紀」シリーズへも新たなファンを呼び込むこともでき、ガンダムという作品全体を活性化することができます。


パンフとデザインワークス

サンライズとスタジオカラーがどう目論んだのか分かりませんが、劇場第一弾(1週目)の鑑賞特典はあっさりと配布が終わりました。

売店で購入できるパンフレットには通常版(1,300円)と豪華版(3,000円)があり、豪華版は通常版込みで声優らによる対談が載っているそうです。
(残念ながら私が行った劇場では豪華版は完売していた)

それはさておき、公開2週目からの鑑賞特典として「デザインワークス」という様々な設定資料が配布されました。

これが驚くべきことに…

有料で買ったパンフレットと紙質的に同等品




しかも劇中でまだ登場していない私服姿のマチュたちや髪型のアレンジ、GQXをはじめとしたMSなどの詳細な設定画が描かれていました。

初見ではあれ?と思っていたマチュの…姿も。


是非、デザインワークスをまだ手にしていない方がいたら劇場で鑑賞をして手に入れてください。

(特典の配布状況は各劇場のWebページやXなどで事前確認を)



駅名と作品の目指しているゴール

マチュが電車に乗っているシーンで路線図が映し出されます。マチュがどちら行きなのか曖昧ですが、乗っている路線の端は行き止まり(その先に路線がつながっていない)になっていて、その端の駅名はネノクニとなっています。

ネノクニ(根の国)とは黄泉の世界を意味し、劇中の世界線が死後の世界を目指していることが考えられます。

ガンダム作品で度々登場する(キラキラの)「向こう側の世界」に連れて行こうとしているのが本作のゴールだとしたら、物語が進んでいくとちょっと残酷な描写などが出てくるかもしれない点は留意が必要です。


タイトルの由来

言葉遊び

マチュ「空って自由ですか?」

脚本を考えた人たちが一番、自由ですよね(笑)

「GQuuuuuuX」というタイトルの"G"は当然ガンダムを意味し、"GQ"で「ジークジオン(Sieg Zeon)の勝利した世界線」という韻を踏んでいることは確かでしょう。

しかしそこにいくつかの意味をさらに重ねると想像します。

たとえばQはQuestion(謎・不思議)に包まれたという意味や、Queer変態という意味。主人公パイロットが女性である事からQueenクイーンかもしれません。

ウルトラマンシリーズの前身である『ウルトラQ』のQに因んだ空想(仮想)世界と鶴巻監督がパンフレットで言う"仮想戦記"を掛けているのでしょうか。

ここから想起させるのはこの作品そのものが『ギレンの野望』のような準公式による二次創作であるということからクランバトルから戦略バトルになっていく(チェスのクイーン)

Xはローマ数字の「10」を意味し、Qはアルファベット17番目(マチュの年齢?)か小文字にすると"q"で"9"や”q”は重さの単位"gグラム"のように見ることもできます。

GQとXが大文字だと思われますが、Xだけ高さが低くなっている点も特徴的で、”uuuuuu”と”X”をUX体験(User eXperience)に掛けているのかもしれません。

『これから30分、あなたの目はあなたの体を離れ、この不思議な時間の中に入って行くのです』(ウルトラQ/石坂浩二)

”uuuuuu”(uが6)でQ(9)とひっくり返っている暗喩で、GQX本編冒頭のマチュの逆立ちシーンとスペースコロニーが作り出す遠心力による仮初めの重力(宇宙の無重力)を意味しているともとらえることもできるかもしれません。

"6"といえばBeginningで描かれた一年戦争から6年後のU.C.0085がGQX本編の舞台でもあります。

"X"にはGQuuuuuuXが主力の武器として振るうヒートアックス、またガンダムシリーズで度々描かれるビールサーベルなどと切り結ぶシーンを想起させます。

またやや強引な感じがありますが、ゼクノヴァ発生時にシャアが呟いた「ときが見える…」から想起する時空(じくぅぅぅぅぅぅ=世界線)が交わるクロスオーバーという意味。

ちょっとこれは無理があるかなと思いますが、世界線を捻じ曲げたという意味、また「カラー×サンライズ 夢が交わる」は単なる2社による夢のコラボレーションだけを指すのではなかったとしたらどうでしょうか?

様々な世界線、たとえばアナザーガンダムや他作品とのコラボ…
本編の展開によってはシン・〇〇シリーズと交わることさえないとは言えません。

というかガンプラには既に型式が記載されています。これまでジオンのMSは"MS-XXX"などだった表記が"gMS-Ω"。

Ωオメガはギリシア文字24番目、ギリシア数字で800や「最高・究極」または虚数を表します。

ここに隠されている真名のヒントが?


IT用語説

マチュ「よくわからないけど、なんかわかった…」

日本ではIT用語の中に"hogeほげ"という特に意味はないプログラム(メタ構文変数)があります。

これの英語圏でのものに「foo」「bar」「baz」「qux」があり、前のものを既に使っている場合などにその次のメタ構文変数を用いる暗黙のルールになっていて、4番目の「qux」の次に来る5番目が「quux」。

6番目は「corge」、7番目は「grault」と13番目までRFCでは定義されていて続くのですが、正直覚えるのも面倒くさいために6番目からを「quuux」と"u"を増やして代用。7番目は当然「quuuux」となります。

これが元ネタかどうかは分かりませんが、作中で緑のおじさんはソドン(ペガサス)の艦内では実験中の白いガンダムクアックスと呼びます。
(エグザベ君を迎えに行ってからはジークアックスと呼ぶ)

これに従うと「quuuuuux」は9番目という意味になります。

作中でGQuuuuuuXを解析するカネバン有限公司*のジェジーはMSの仮称であり、真名は別にあると語っています。

*有限公司は中国の有限責任会社のこと。カネバン有限公司はサイド6のアジア人コミュニティーの中にあり、アジア系である可能性が考えられる。

そもそもシャアが鹵獲したガンダム(RX78-02)は試作機であり、量産機ではありません。

型式も『機動戦士ガンダム』のRX-78-2ではなく、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に準じてRX-78-02となっています。

そして『機動戦士ガンダム』にはRX78-1が存在し、「プロトタイプガンダム」と呼ばれます。

しかしGQXではRX-78-01となり、バイザー型の顔を隠した01ゼロひとガンダムと呼ばれています。

そしてRX78は試作機*だけで8機存在するとされ、GQXで鹵獲された後も連邦軍が開発を続けたかは現在では不明ですが、その次に作られたという意味で9番目という仮名が付けられたのかもしれません。

*R=連邦軍、X=試作機、78=開発拠点
RX-78-"02"と機体番号が2桁になった事で2桁台数の製造が念頭に置かれていた事が推測できる。

では何故、こんな仮名を付けたのかといえば想像ですが、シャアは初めて操縦席に座った際にこの機体名「GUNDAM」を見て「連邦が考えそうな俗っぽい名前だ」と一笑します。

これによってジオンが開発した機種からは別な名前を付けようとして仮名が振られた際に暫定的に付けたのがメタ構文変数の9番目「quuuuuux」だったのではないでしょうか。

当然、メタですのでメタフィクションとして8機の試作機があることを踏まえての9番目です。


そしてメタな発言をするとメタ構文変数の"hoge"を使って富野由悠季のファンからの愛称である”禿”(御禿)とかけて、”hage”とした遊び心かもしれません。

「特に意味はない」のがメタ構文変数ですから困ったものです(笑)

キャラクターについて

アマテ・ユズリハ

うーん、かわいいですね。主人公のアマテ・ユズリハは、身バレを防ぐため幼い頃の呼び方「マチュ」をバトルネームとしてMS同士のクランバトルに参加。

恐らく日系の苗字で漢字だとゆずりはでしょうか。アマテがファーストネームということになると思われますが、個人的には「マチュ」と呼ぶようになったきっかけが気になります。
(単に舌っ足らずで"ア"が発音しづらかっただけ?)

「アマテ」の語源ですが、大きく4つほどが考えられそうです。

メキシコのパピルス
カレイ(魚)の呼び方
ウルトラマンに出てくる戦神(女王)
④ジオン兵の異世界転生
天照アマテラス

メキシコのパピルスはシャーマンが生産していたことから「魔術的な効果」のある紙という面があるようで、アステカ帝国(メキシコ中部)との間の通信、記録、儀式にも利用されていたとされています。

原料はクワ科やイチジク族の樹皮から作るとされ、巨大なイチジクは神聖な木とされているそうです。

なんとなくマチュピチュ(ペルー)に近いのでありそうな線ではあるけど、ちょっと違う気がします。

まぁ、スタジオカラー(庵野秀明)のことだからウルトラマン関連であることも全く否定できないわけですが…。

で、④ジオン兵の転生者説。
シャアによるガンダム鹵獲によって死ななかったジオン兵がザクノヴァに巻き込まれてGQXの世界に転生。
幼少期に前世の名前が出てきて、言ってしまった説。(ないない…)


最後にマチュの母親タマキ・ユズリハが名前から恐らくは日系人であることを考えると、太陽神である⑤天照大御神の方が濃厚かなと。

新しい作品シリーズを作っていこうとする中で、縁起のよさそうな…庵野さんが考えそうな…。

前述の駅名ネノクニといい、作中には神社も出てきていることから本作は古事記や日本神話、日本の歴史に纏わる名前が散りばめられているのかもしれません。

本作ではマチュの父親がまだ登場しておらず、シングルマザーである可能性も高いのですが母親の髪は青系で、養子説や父親似という線が考えられます。

SEEDのコーディネーターやガンダム作品に度々登場する教科人間のように遺伝子操作によって人工的に創り出された可能性もあります。

水星の魔女のような複数の意識体がいるかも…

またはエヴァンゲリオンの綾波レイのような…

また宇宙世紀シリーズに登場する人物の中で、髪色の近いキャラクターを振り返るとハマーン・カーンがいます。

彼女はU.C.0067年生まれ。
作中のU.C.0085時点で18歳となり、マチュと近い年齢になります。

マチュは女子高生という設定こそ公開されていますが、年齢は現在まだ公開されていません。

作中でマチュは母親との会話で進路希望を出すよう言われており、現実の高校生に照らすと高2か高3…塾に通っているあたり、受験生だとすれば全くないわけでもなさそうです。

但し、ハマーンは父親がジオン公国の高官…一年戦争にジオンが勝利した世界でサイド6のような辺境にあえて娘を隠す必然性が考えられませんので同一人物である可能性は低いと思われます。(ゼロとは断言できないが)

マチュがジークアクスのオメガ・サイコミュのロックを解除した点をニュータイプと観るとそれほど候補者は多くないと思いますが、全く新しく生み出されたキャラクターかもしれませんが。


尚、公開前にジオン勝利の世界線であることを予告PV第一弾から読み取っていたツワモノもいます。

この考察の全てが当たっているかは本編が始まってみないと分かりませんが、可能性の一つとしてはありそうです。


ニャアン

戦争孤児で、非合法なアルバイトに手を出さないといけないというガンダム作品によく出てきそうな薄幸の少女…

名前の由来は、鶴巻監督が手掛けた『トップをねらえ2!』(2004)に登場するベトナム系の秀才パイロットが名前の由来という説があります。

Nhãnはベトナム語で竜眼という果実を指し、漢方の生薬として心と体を補い補血、滋養強壮の効果があり、疲労・不眠・貧血・病後・サンゴの肥立ち、胃腸に効く…

ということはベトナム系なのでしょうか。
ララァと同じインド系だとばかり思っていました。

まだ劇中では運び屋やマチュの後ろに隠れておびえるなど積極的な姿が描かれていませんが、今後どんな立ち回りになるのか。

なんとなく、本当に根拠はないんですが、『水星の魔女』でいえばミオリネのような恐怖を増幅するような役どころになるような…

またはララァのような…(あ、こっちのほうがしっくり来るな)

そういえばシャアの活躍でジオンが勝利する世界とはいえ、ララァ本人が登場していません。

彼女を意味しているのでは?と考えられる「シャロンの薔薇」という言葉をキシリアが話していますが、残酷でなければガンダムではない…(苦笑)

まさかそんな酷い事になってしまうんでしょうか…


シュウジ・イトウ

不思議系男子…スタジオカラーは大好きですね。
エヴァのカヲル君的な意味深な言葉を話すキャラクター。

名前の通り日系人のようですが、
シュウジは瞳孔が開いていて、色白…悪い予感がします。

シュウジがマチュをキラキラの向こう(死後の世界)に連れて行こうとするのを、ニャアンが引き留めようとする役割なのかもしれません。

マチュ、意外とチョロい子?

ダウナー系のペイントアートなんかしちゃう男の子とボーイ・ミーツ・ガール的にも見えますが、哀しいですがこれってガンダムなのよね。


みんなが考えている妄想

また作中で「コイツがあるぞ」とジェジーが言っています。
既にガンプラでGQuuuuuuXが発売されており、確かに顔の輪郭部分にそれらしいものがあります。

まさか…

TV放送時期は…

さて、本編の公開が待ち遠しいところですがまだTV放送がいつからと明言はされていません。

2025年4月か、7月か…といった声も聞こえてきます。

これを鵜呑みにして良いのか悩みますが、ガンダムチャンネルでは2027年1月17日という意味深なプレミア公開が設定されています。

Beginning公開の2年後に適当に設定しただけかもしれませんが、アニメの制作スケジュールを考えるとこれから残り11~23話作るとすればありえなくもない話です。

(対談で映画公開直後の時点で最終話を作っている所らしいので、シンエヴァの時のように完成間際で庵野氏のやり直しがかからなければそこまでは引っ張らずに放送される…かも)

私の推し(オマケ)

コモリ少尉とエグザベ少尉のカップリングが見たい…
この二人、絶対お似合いすぎるでしょ。



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