📧間もなく4年に1度の大統領選挙！ トランプ大統領は4人目の不名誉な大統領となるか？⑨(2020年10月号)

本編はセミナー受講者・契約者および有料メールマガジン会員限定の記事です。

会員の無料公開期間終了後、原則として有料記事として公開しております。

2020年分をまとめたマガジンがお得な価格で設定されていますので、ご関心の方はこちらをご購入下さい。

WITHOVER News2020｜ポッターさん｜note

.note

　来月11月3日(火)はいよいよアメリカ大統領選挙ですね。主な候補者は現職のトランプ大統領と対抗馬の民主党擁立のバイデン候補(オバマ政権下での副大統領)、皆さんは誰が大統領になると予想していますか？

アメリカ合衆国と大統領選の成り立ち、”合衆国”と”連合”の違い

　今回はまずアメリカ合衆国という国の成り立ちと大統領選挙について考えていきたいと思います。アメリカ合衆国はご存知の通り北米大陸に48の州に加え、ハワイ州・アラスカ州を敷く連邦共和国です。

"連邦"とは複数の国家(邦＝くに)、またはそれに相当する強い権限を留保する自治政府（州など）の集合であり、それらが1つの上位政府によって統治される国家の事です。
　邦や州それぞれが国やそれに準じる権限を有し、それが集まって国家としての形を作っているのがアメリカ合衆国(United States of America)です。

　ヨーロッパ連合(EU,EuropeanUnion)も様々な国家が経済や政治など様々な統合を目指した形です。

　連邦制は建国時から州に多くの権限があり、より大きな意見をまとめる場として政府ができた。または独立国家としてそれぞれが成立し、長い歴史を経て国と国が集まり連合となったかという違いと捉えることができます。

アメリカ合衆国は中世以降に誕生した新たな国家の在り方(資本主義、民主主義国家)であり、欧州では規制や弾圧、格差や不満など既存国家への様々な価値観を持った民族や宗教・文化の融合を果たした(または目指す)カタチの１つです。アメリカの場合は州ごとに、国や政府に近い権限が与えられているため、自動車の運転免許が取得できる年齢が州ごとに異なったり、タバコや飲酒・麻薬についての年齢制限や法律なども州によって異なるなど日本とは大きく異なるのも特徴です。

　アメリカの州は元々、イギリスやフランス・スペインなどの植民地としてスタートしてそれぞれ独立を目指した背景があります。そのため同じ国でも文化的、政治的背景も一様ではないということを忘れてはいけないでしょう。

　ではこんな文化も習慣もバラバラの州が50も集まって、自分たちの代表者(リーダー)を決めるのは何故か。州ごとに国家としての役割を行わないのは何故でしょう？これはアメリカの生い立ちにあります。

　15世紀に新大陸が発見されイギリス、フランス、スペインなどヨーロッパ諸国が新大陸アメリカの各地を次々に植民地化していきました。イギリスが治めていた東海岸一帯には13州あり、それぞれがその土地で経済を発展させていきます。

その後、ヨーロッパで起きた戦争や宗教対立によるイギリスの戦費調達など重税を課せられた13州は経済的な自立と基本的人権を掲げ、イギリスとの独立戦争を1775年に起こします。この時、フランスやスペインの支援を受けて大陸軍を指揮した司令官がアメリカ初代大統領のジョージ・ワシントン(このため米国大統領は軍の総司令官も歴代兼任となる)。ロシア帝国からの支援も受け欧州ではヨーロッパ諸国がイギリスを孤立させながらの戦争を行い、大陸軍はイギリス本国からの独立を勝ち取ります。

　しかし州ごとに議会があり、既に経済が回っている中から戦争にかかる軍事費などを捻出させるために州議会よりも大きな権限が必要で誕生したのが州知事の上の権限を持つ大統領という役職だった訳です。
英国からの独立といういわば親からの独立。英国からすれば絶対に手放したくない植民地だったわけですから、独立は容易ではありません。そこで大きな共通の目的(独立と建国)のために、各州が力を合わせて合衆国のリーダーを選ぶ、これがアメリカ大統領選挙の起源となりました。

日本と異なるアメリカの選挙人登録制度

　今日も当時の名残が残っており、投票のためには選挙管理委員会まで出向いて選挙人登録(IDによる本人確認要)が今も必要で、本人確認書類も州ごとに異なる事も珍しくありません。しかも転居などのたびにこれを行わないといけません。一部の州などでは郵送やオンラインでの受付も行われるようになっていますが、何しろ国土が日本の25倍以上ですから大変です。面倒くさいと思って登録をせずにいると自身の選挙権を持てなくなってしまうのです。

　またこの登録期限も州ごとに異なり、大統領選挙の1か月前には締め切る州もあれば、大統領選挙当日まで受け付けている州もあり、登録される選挙人の数の変動次第では選挙結果が変わる事さえ否定できません。

　日本では投票の案内が住民票の住所に一斉に発送されますが、これがアメリカで未だに進んでいないという点は移民の問題や投票率の低い人に参政権を与えたくないと考えている人たちも一定数いるためではとも言われています。

　世界の経済にも大きな影響を及ぼすアメリカ大統領選挙は日本の選挙政治と大きく異なります。日本では選挙の公示日に初めて誰が出馬をしているのかを知りその中から投票をします。政党に所属している場合にはその党の幹部が誰を出馬させるか、比例名簿の当選順位も決めています。

　一方のアメリカでの政党は非常に脆く、大統領候補者も党首ではありません。政党は支援団体に過ぎず、予備選で各州・各選挙区の候補者選びを国民が行います。大統領選終盤だけを見ていると二大政党の候補者が討論をしたりしている様子が印象に残ってしまいますが、今年の上半期頃までに各地で予備選が行われ、様々な候補者がこの州では勝利したが、別な州では負けたというニュースも耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。国民が直接、支持する人をステージに押し上げて行う選挙、これがアメリカ大統領選挙です。

世界大戦以降、2期目を迎えられなかった3人の大統領