【動画🎓🎞️】株式投資とは何か。投資家はまず証券取引所を見学しよう~お金の教科書STEP2(2-7)

ポッターさん

2023年5月4日 10:00

今回は株式投資についてのお話を動画で解説していますが、その前にちょっと「証券取引所見学のススメ」を書いていきたいと思います。

今回のトップ画像はニューヨーク証券取引所(NYSE)の名物トレーダーでありマスコット的な存在「588おじさん」こと、ピーター・タックマン氏の喜ぶシーンですが、皆さんは証券取引所の見学をしたことがあるでしょうか？

彼に限らず、世界最大の株式市場であるNYSEでは実に多くのトレーダーたちが場立ちを行い、今日ではタブレットを使っていますが、かつては無線インカム、その前は指などの身振り手振りで取引を盛り立てていました。

他方、1989年には世界の時価総額上位をほぼ独占した日本企業の約9割が上場する東京証券取引所。

今ではNYSE・NASDAQなどの米国市場だけでなく、上海証券取引所またユーロネクスト(英国を除く欧州)にも抜かれて、香港証券取引所もすぐ真後ろまで迫っています。

東京証券取引所(東証)といえばシリンダー状の取引所マーケットセンター内の様子が経済ニュースなどで度々取り上げられますが、NYSEと比べてどこが違うか気づいているでしょうか。

シリンダーの上部の表示「チッカー」。株価は取引量によって8段階の速度がある。
表と裏は同じ企業の株価が表示されている。

NYSEと立会所の人々

NYSEは今なおピーター・タックマン氏らに代表されるトレーダーまたはスペシャリストと呼ばれる人たちによる場立ちで、取引の活況または下落や暴落の雰囲気を知る事が出来ます。

他方、東証はシステム化を図ったことで場立ちを1999年4月に廃止しています。日本で最初のインターネット専業証券会社となった松井証券(1918-)が業態転換をしたのは2001年8月の事です。

これに伴ってかつて「日本のウォール街」と呼ばれた兜町かぶとちょうから多くの証券会社が本社を移転。

相場で儲かった証券マンたちが兜町界隈のうなぎ屋などで豪遊した時代は遠いものになり、昔ながらの地域の喫茶店や定食屋なども閉店が相次ぎ町の雰囲気もかなり変わってきています。

ちなみに米国では世界最初の電子株式市場NASDAQが1971年に誕生し、NYSEも1975年に全米市場システム(National Market System)をいち早く採用、効率化を実現しています。

しかしそれでは何故、NYSEは未だトレーダーによる場立ちを行っているのでしょうか？これについては本題から離れてしまいますので、別な機会に記事にしたいと思います。

さて、証券会社には「マーケットメイク」と呼ばれる役割もあり、その一環でもあることからディーリング業務が認められてもいます。

ETFにも見られるマーケットメイク
証券会社が取引に参加する事で取引の活性化、売買の成立をしやすい市場づくりに貢献する

場立ちはシステム化されるまでは売買が円滑に成立させるための手段ではありましたが、NYSEのシステム化とトレーダーたちによる場立ちというハイブリットな取り組みは別な理由があるとしても、結果的に取引の雰囲気をメディアを通じて世の中に伝えるのに大きな役割も担っています。

こうした事を知らなくとも投資はできます。しかし多くの個人投資家はそれが何故なのだろうという関心ももたず、ただ目先のお金を増やすことに目を血走らせています。

これではただ数字を見て、日経平均が上がった下がった、TOPIXが上がった下がった…市場の既に株式などで投じていた投資家の養分になるマネーゲームで、投資家を増やしているにすぎません。

真の個人投資家を増やす気がないと言っているのと変わりありません。

証券取引所見学のススメ

疑似見学

東京証券取引所(東京日本橋・茅場町)の見学に行ったことがないという人も今では多いかもしれません。

個人投資家にとって聖地であるこの場所、可能であれば投資を始める際には是非一度は証券取引所を見学してから投資を行ってほしいと思います。

ここでは東京証券取引所に行ったつもりになって、ダイジェストで見学をしてみましょう。

オススメの順番は取引所の北にある兜神社(日本橋兜町1-8)で必勝祈願のゲン担ぎからでしょうか(笑)

※商売繁盛の神様:御稲荷様(倉稲魂命)を祀り、併せて五穀豊穣や開運・出世・財運向上の神様である大黒様(大国主神)。更に漁業の神・商売の神・五穀豊穣・開運招福・学業成就等の神様でもある恵比寿様(事代主命)も祀られているとっても縁起の良い神社。
証券会社がかつて立ち並ぶ兜町の地名にもなっているのは神社の兜岩から。

東京証券取引所は外観も特徴的ですが、こちらの正面口は一般の方は入ることが出来ません。

この入口の向こうにはロビーがあり、様々な式典や催し物などが行われるスペースとして利用されています。

この真反対(裏側/西口)に一般の方の入場口があります。
(入場・見学は無料ですが、自由見学はコロナ禍で中止中。予約制になっています)

かつて場立ちなどをしていた場所は改装され、現在は「東証アローズ」と名を改め投資市場についての様々な情報提供を行う場になっています。

入口では空港のゲートをくぐる時のような検査が行われ、入ってすぐ右手には日本の証券史の資料館になっています。

日本の投資市場の変遷を伝えてくれる貴重な資料館となっており、今は電子化されましたが株券や債券などの現物を見る事も出来ます。

①が資料館、②は売店、③が株式投資体験コーナー
⑤マーケットセンター、⑥上場の鐘(立ち入りできない)

エントランス以外にも東証ホールと呼ばれる講演スペースが設けられています。

③ではタブレットを利用して株式売買のミニゲームをしたりすることで、単にお金が増えただけでなく、証券取引がどのように売買を成立させているかなどを理解することが出来ます。

これは理屈だけでなく、実際にやってみることで腹に落ちる部分でしょう。そしてマーケットメイクという証券会社の担っている役割の重要性も体感することが出来ます。

シリンダー内の取引所マーケットセンターの外周を囲む回廊では東京証券取引所の歴史が写真と解説で振り返ることが出来ます。

さて気になるマーケットセンター、シリンダーの中では何をしているのかといえばNYSEとは打って変わってパソコンの画面を見ながら東証の職員が何かをしています。

シリンダーの外側には吹き抜けの二層構造の部屋があります。

ここは国内外の報道機関各社が東京証券取引所から中継を行う際のスタジオや放送センターとなっています。
よく観ると一応ガラスで落下防止措置が取られていますが、散らかしていたり何かしている様子も見学者からは丸見えです(笑)

2022年4月から高校3年生の学習指導要領に「投資教育」が導入されました。

座学で勉強をすることも大切ですが資本主義社会で生きている以上、投資は誰にとっても身近で、経済の発展において大切な役割を担っていることを理解させるうえでは関東圏の中学～高校生の校外学習や地方でも東京などへの修学旅行などでは東証アローズなどを見学するなどの取り組みももっと必要なのではないでしょうか。

ネズミーランドなどへの行程を全く否定するつもりはありませんが、修学旅行が教育の一環だとするなら地方の方こそより見学する価値があるのではないでしょうか。

また周辺界隈には三井記念館美術館や日本銀行本店もありますので、見学する場所が足りないということはないでしょう。

また世界史・日本史を考えれば、日本橋周辺には日本に造船技術や航海技術、天文学からイングランドとの朱印船貿易に貢献した青い眼のサムライ、ウィリアム・アダムス(英国人)こと三浦按針が住んだ場所に因む按針通り。彼と共に船でやっていた蘭国人ヤン・ヨーステンが住んだことに因む八重洲もあります。

授業で学んだ内容を実際に目で見て触れる世界の記憶は生徒たちにとってどれだけの価値があるでしょうか。

学校教育とは自分でやってできることを教える場だけでなく、こうした場所への見学や体験を通じて主体的・能動的に学ぶ物である必要性はないのでしょうか。

30年遅れの教育に対する日本人の誤解

かつて世界一の時価総額を誇った日本の株式市場ですが、今や米国と圧倒的とも呼べる差をつけられています。

これは複利の力、株式投資と成長という仕組みを活かすことで経済の原動力としてきた事もさることながら、教育に対しての取り組みの放任さがもたらしたとも言えます。

そしてこれは2019年から始まった18歳からの選挙権の投票率の低さにも現れています。

日本は全年代で低すぎるのですが、特に10〜30代の50%割れは社会への無関心さと実感のなさ。

ネット用語で言う所の「義務教育LOSEロセ」でしょう。

答えを教えてもらう事を教育だと誤解してきた日本人の大きな課題でもあります。

学びとは本来、答えを教えてもらうものではありません。
自ら興味・関心を持ち、調べたり、考えたりすること。好奇心によってその種は芽を出し、やがて花を咲かせ実を付け、未来につながるのです。

投資もそれは同じ。今日種を植えたものが、明日明後日に芽を出し、花や実が成ったらそれは異常というものです。

さて、肝心の株式投資とは何か…ですが、続きは動画で。

STEP1

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前回までの記事

2-1「リスクとは何か？」(Free)

2-2お金について学ぶ目的は?(Free)

2-3

2-4/2-5

2-6

【2-7】株式投資とは何か

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