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ワクチン接種強要論への危惧~個人の価値観を脅かす不信感
新型コロナウィルスの感染予防にあたって65歳未満での新型コロナワクチン接種も始まっていますが、これを巡って新たな社会的分断の火種になりつつように感じています。
この記事は特定の個人の価値観を誹謗中傷する意図はありませんが、読まれて不快になる方もいるかもしれませんのであくまでも私個人の価値観であることは予め断っておきたいと思います。
尚、私は新型コロナワクチンの接種には賛成も反対もありません。
接種をする人が自己責任の原則において、接種したい人はすればよいし、接種したくない人は接種をしないで良いと思っています。
しかし、私が現在このワクチン接種で気になっているのは次の3点です。
①みんなが接種しているのだから接種しよう
②副反応との因果関係が証明されていない
③集団免疫を獲得するために接種しない人は迷惑をかける可能性が高い
これについて今回は記事を書いていきたいと思っています。
任意接種が社会的圧力で半強制的風潮
まず誤解があってはいけないのは新型コロナワクチン接種は"任意"です。
強制でもなければ義務でもありません。
これを現段階で接種した人が社会的に正しく、接種していない人が社会的に間違っていると論じたりすることは大変危険です。
メディアや周囲の人たちが接種をすることを強要するような発言や「みんなが接種しているから」というので自分もしなければいけないのではないかという方向にもっていくことは憲法19条で保障されている個人の価値観に対する「思想信条の自由」に対する侵害だと私は考えています。
私はFP・保険募集の業界に10年以上いますが、様々な保険金・給付金の請求事例を学びます。
市販の風邪薬を飲んで失明をしたり高熱によって意識不明の状態、体に回復の見込みがない障害(高度障害)になった事例などもあります。
ゼロリスク(100%安全)ということは世の中のどんなものにもありません。
新型コロナワクチンの接種によって接種を受ける方が通常想定している高熱が出たりなどの副反応以上の事態。
例えば身体にその後の生活に支障をきたす障害や心筋炎、血栓ができて肺塞栓(エコノミークラス症候群)や心筋梗塞、脳梗塞などで倒れたり、麻痺が残ったり、果ては亡くなるなどということはいくら事前に説明をされていたとしても接種をされる方とその家族からすれば想定外の出来事でしょう。
新型コロナワクチンは臨時接種に該当し、接種したことによる副反応で該当する状態になると国の予防接種法に基づく「健康被害救済制度」の対象とされています。
一見すると補償があるから起こる可能性は低いだろうけれど、起きた時には経済的な補償が得られるだろうと考えたいところですが、新型コロナワクチンは通常の予防接種と大きく異なる”特有の事情”があります。
今更聴けない新型コロナワクチンの種類と基本
ワクチンにはいくつかの種類があります。
結核や麻疹などに使用される毒性を弱めたウィルスそのものが入っている「生ワクチン」、インフルエンザや日本脳炎などで使用される感染力を失わせたウィルスの一部を利用する「不活化ワクチン」などです。
現在、日本で緊急承認されて接種が始まっているファイザー製とモデルナ製(21年8月下旬からアストラゼネカ製の投与も始まる)ですが接種会場によって異なる製薬メーカーのものが使われています。
新型コロナウィルスが2019年後半に確認されてから僅か1年ほどの短い期間でワクチン開発がされてきました。
通常のワクチンは開発に数年間はかかり、更に治験期間などを経ての一般接種となりますが、このスピードがあまりに早いために訝しむ人たちもいます。
しかしmRNA(核酸)ワクチンやウィルスベクターワクチンは元々ウィルスの遺伝情報さえ入手できれば短期間で開発が出来るという大きな特徴があります。
2003年4月14日にはヒトゲノム計画(1984-2003*)が完了したことで、ヒトゲノムDNAの全塩基配列がそれぞれどのような身体の細胞に分化したり、影響しあっているのかを人類はシミュレートできるようになりました。
*mRNAワクチンが20年以上かけて成熟させてきた技術であるという部分。
そしてコンピュータの演算能力が高くなったこと、製薬会社の医薬品開発の技術的進歩で、ウィルスの遺伝子解析が可能となり人類はmRNAワクチンやウィルスベクターワクチンなどの早期開発と大量生産を手に入れています。
なので開発期間が短くて、しかも大量に供給されているからというのは新型コロナワクチンに対する不信感を覚える理由としては適切ではないと私は考えています。
新型コロナワクチン接種状況(21/08/06時点)
2021年2月医療従事者や高齢者や基礎疾患がある方などから順番に接種をしていったことは記憶に新しいと思います。
基礎疾患*や65歳未満の方への接種は地域差があり6月から順次各自治体がワクチンクーポンを郵送して準備が出来た地域から開始しました。
*基礎疾患とは所定の病気や状態で通院/入院をしている人もしくはBMI30以上の肥満の方を指します。
東京では5月24日に自衛隊が大規模接種会場を設けてクーポンを持っている方が接種を受けることが出来るようにと整備していきました。
日本では2021年2月14日に承認され2月下旬から接種が始まりました。2021年8月6日時点で1回接種をした人が全人口のうち37.42%、2回目接種は27.81%となっています。
ワクチンが十分に効果的となるためには2回接種が必要とされているのは既知の通りです。
このため1回目を接種して2回目接種をしないという人は恐らく殆どいないでしょう。
時間差こそあれこの差は間隔である2週間遅れで追いついてくるでしょう。
接種率88%で先行する英国のウィズ・コロナ
2020年12月、世界で最も早く新型コロナワクチンの承認に至ったアストラゼネカが本社を構える英国。
英国は2021年1月に1日の死者数が1,500人を超えた悪夢のような状況からの脱却を目指し、現在ではアストラゼネカ、ファイザー、モデルナ3種類のワクチン接種が行われており1回目接種完了の成人は成人人口88%、2回目接種は68%の人が終えています。
※生産年齢人口(15-64歳)4279万人+65歳以上1253万人/全人口6721万人なので全人口で比べると1回目接種は72%、2回目接種は56%。
日本と同じく医療従事者や高齢者を優先したため徐々に若い世代への接種が進み、30代以上の大部分の人は1回目接種を終えているとされています。
接種率が非常に進み、スポーツだけでなくカフェやレストラン・パブ(日本で言う居酒屋など)でも多くの人が街に出ています。6人以上集まっての…などいくつかの制約も徐々に解除されてきています。
欧米ではスポーツの大会などは有観客で行い、マスクをしている人も殆どいないような状況です。
その一方で英国は1日の感染者数が2万人を超えるなど依然として感染者の数は高止まりをしています。(殆どデルタ株とされている)
7月23日、イングランド公衆衛生局の調査発表によると
2月1日から7月19日までにデルタ株に感染した約23万人をワクチンの接種回数などで分類。ワクチン未接種の感染者は12万1402人で、2回接種済みの感染者は2万8773人。
そのうち、死亡者は未接種が165人、2回接種が224人だった。
亡くなった人の割合を計算した結果は、ワクチンを2回接種しながらも感染した人の死亡率(0.78%)が、未接種の感染者の死亡率(0.14%)を上回っていた。
ここで気を付けなければいけないのはワクチンを接種した人の死亡率が未接種者より多くなくなっているというのをワクチンの副反応と早とちりしてしまう点です。
ワクチンは基礎疾患や高齢者など元々の死亡リスクの高い方から接種しているため、新型コロナウィルスがこの死因とは限らないという点です。
一方で高齢者層においても次のような結果が出ています。
死亡者の大半を占める高齢者層(50才以上)において、ワクチン未接種の感染者の死亡率は5.6%で、2回接種の人の死亡率1.64%を大幅に上回った。
記事の中に色々と接種をした全年齢においても死亡率が未接種者よりも多いことをあれこれ理由をこじつけようと努力していますが、全く説明になっていない意味の分からない文章に気づけるでしょうか。(説明の不適格、不十分)
日本では東京五輪が事実上の無観客で行われ閉会しましたが、ワクチンの接種率がもっと進めば経済活動の本格的な再開。
所謂日本で現在敷かれているような緊急事態宣言に基づく不要不急の外出はしなくてもよくなるのでしょうか。
実態はそう単純ではないと私は考えます。
欧米に学ぶワクチン接種の本当の効果
接種率で先行する英国から分かることはワクチン接種の予防効果を多くの方がおさらいすることです。
ワクチンを接種することで発症リスクや重症化リスクを抑えることは期待できそうですが、接種した人が感染しない(しにくくなる)かは未知数です。
ここを誤解するとワクチンへの過信となり、市中の感染爆発が抑えられなくなってしまう危険性が考えられます。
厚生労働省が2020年10月2日にまとめた「ワクチンの有効性・安全性と副反応のとらえ方について」には次のように書かれています。
集団免疫効果…接種していない人にも波及する予防効果は大規模な接種後まで分からないとしていました。
既に触れたとおり英国は大規模接種を日本よりも先駆けて行い接種率で日本よりもはるかに先行していますが、大量の感染者を出しています。
つまり目論んでいた集団免疫の獲得に失敗をしたために経済再開の圧力に負け、新型コロナウィルスとの共存であるウィズ・コロナに舵を切らざるを得なくなった状況が見えてきます。
極端に言えば、イギリスの政策はこうです。
感染者が大量に出て死者が出ても、ワクチン接種前と比べて減っているのだから少ない犠牲は残念だけど仕方ない
これが日本で社会的に許容されるかはなんとも微妙というより難しいと思いますが、東京五輪の強硬開催と国内での感染爆発、そして政府の見て見ぬふりの無策には日本も同じような方向に舵を切ろうとしているのだろうなということを想像させます。
ワクチンを未接種・接種しない人たちの懸念点
新型コロナワクチン接種には懸念するべき点があります。
①みんなが接種しているのだから接種しよう
②副反応との因果関係が証明されていない
③集団免疫を獲得するために接種しない人は迷惑をかける可能性が高い
「①みんなが接種しているのだから接種しよう」は個人の価値観に対する、他人の価値観の押し付けではないでしょうか。
現在の日本では、ワクチン接種は義務ではありません。
強制ではなく任意です。
接種をする人本人が自分の意思と責任において接種をするか、しないかを選択することしか現状はできません。
「責任」については以前、書いたので下記の記事を参考にしてください。
これを「みんなが打っているのに、なんでお前はワクチンを打たないんだ!」と強要するのはモラルハラスメントです。
接種したくない人は接種したくない理由や事情があるので放っておけばいいのに、何故強要する人たちが出ているのでしょうか?
もしそんな人がいたら、やばい人じゃないですか?
まるでマスク警察などのような正義を振りかざしている人と似ている節はないでしょうか。
接種を希望しているけれどお住まいの地域などでワクチンが足りず接種できない人やワクチンの接種に注意が必要な人たち以外でも、ワクチン接種を保留または”選択的に希望しない人たち”がいます。
彼ら彼女たちがワクチンを接種しない理由に「新型コロナワクチンを接種したことで将来どんな副反応が起こるか分からないから不安」というのがあります。
ここで出てくるのが「②副反応との因果関係が証明」の問題です。
新型コロナワクチンによる副反応が原因で亡くなった、また新型コロナウィルスを直接の原因として亡くなったというのは証明することが困難です。
また新型コロナワクチンの副反応として挙げられることのある血栓症ですが、心臓で詰まれば心筋梗塞、肺静脈で詰まれば肺塞栓、脳で詰まれば脳梗塞です。
血栓ができやすい人がいるというのは症例として報告されていますが、それは大規模な接種をすれば元々血栓ができやすい人もいるわけで、新型コロナワクチンとその患者に血栓ができたことを証明することは予め血栓ができやすい人かどうかのデータがなければ証明が困難です。
データは元となる比較するものがなければ比較になりません。
そしてそれがワクチンによる副反応かどうか証明ができなければ、補償もされません。
最近は多くの方が我先にと猫も杓子もワクチン接種とばかりに飛び込んで接種をしたことや副反応(発熱等)を逐一SNSなどに挙げている人たちがいますが、どうなんでしょうか。
mRNAやウィルスベクターという新しい製造方法で
・早期に作れました。
・量産できました。
・短期的な効果はありそうです。
でも”まだ長期的な安全性は確認されていません。”
この部分が実は大切ではないのでしょうか?
多くの人たちは三歩歩けば忘れる鳥頭でしょうか?
3つ以上のことを考えられないのでしょうか?
より長期に有効性や安全性が認められるかどうかについて、引き続き情報収集が行われているためです。
物は言いようですね。
言い換えれば、長期に有効性や安全性が分からないから、引き続き情報収集をしているのでは?
これを説明したと言えるでしょうか?いや言えない。(反語)
特例承認を国(厚労省)がしたことと長期的な安全性が確保されているかどうかは別物です。
しかしある記事によると…
実は治験が終了しているかどうかは医薬品の承認の可否において重要ではありません。
(中略)
結論から申し上げますと、海外第3相治験は、既に参加された方の経過観察のために継続中です。ただし、治験継続中か否かは医薬品の有効性、安全性を語る上であまり重要ではありません。
はて?重要ではないことを何年もかけて薬やワクチンの承認をしているのは何故でしょうか?
この「治験は継続中でも…」で言っているのは、短期的には効果があるだろう(リスクよりもベネフィットが大きい)から承認をしているということを説明しているだけです。
またさらっと長期では分からないから治験を継続しているともきちんと説明しているのです。しかし文脈をきちんと読まないとまるで長期で安全が確認されているから接種が承認されているようなミスリードをさせるような意図的な文章になっています。
長期での効果をきちんと調べたら生活に支障を与えるような影響や副反応が出たら殆どの人は困ります。
そしてそれが心配だから受けるのに慎重な人もいるのに、それをすっとばして安心安全とは一体誰がどんな責任の下で発言しているのでしょうか?
彼らは短期的なベネフィットを優先している人たちで、
長期のことは考えるのを止めた人ともいえるかもしれません。
またインターネットは有象無象、玉石混交です。
何を信じるも信じないも結局のところ、自己責任というところに帰ってきてしまうのです。
だからこうした治験が終わっていないことやワクチン接種に対して懸念や警鐘を鳴らしているものもあります。
しかし真偽のほどは分かりません。
仮に長期で健康に影響があったとしても「因果関係が証明できない」と言われて補償もされない可能性があります。
ワクチン接種後に若い方や元気だった方が亡くなっても因果関係が証明できないのに、どうして長期間経過してからの因果関係が証明できるのでしょうか。
そんなのどうとでもそれらしい理由を付けられて終わりです。
亡くなったら司法解剖をしてもらい、エビデンス(証拠)を残すまでしてようやく補償の対象になるかどうかです。
身近な方が亡くなるという出来事だけで十分に精神的ショックは大きいのに、遺体を解剖してもらうというのはどれだけの精神的負担でしょうか。
悲しむ間もなく火葬場で焼却してしまえば証拠も何も灰になってしまいます。
全て接種に際してのリスクに自己責任で同意したとして処理されてしまうことを考慮する必要があります。
本人の同意の上とは自己責任に同意をしたということです。
またそれに同意をしたという署名をワクチン接種の際には署名を求められています。
尚、mRNAには核に入る仕組みがないのでDNAに影響を与えないとも説明されますが、医科学の常識が覆る事などしょっちゅうであることを知っている現代人においては鵜呑みにするのも自己責任と思います。
「③集団免疫を獲得するために接種しない人は迷惑をかける可能性が高い」は完全な思い込みです。
これを主張する方はあまり国語が得意ではなかった人かもしれません。
新型コロナワクチンの効果をおさらいすると
自分が「感染しにくくなる」→ワクチン接種をしても感染する人はします。
自分が「重症化しにくくなる」→ワクチン接種をしても重症化する人もいますし、亡くなる人もいます。
そしてインド由来のデルタ株の蔓延(日本は現状3割くらい?)によって元々言われていたワクチン接種を2回接種すれば発症予防がという効果は下がっています。
今後更に変異株がどこかで蔓延し始めればこれがどれだけ効果を発揮するかは未知数です。
この機会にギリシア語のアルファベットを覚えそうな勢いですね。
ワクチン接種者は自分自身が感染しにくい、重症化しにくいという点で医療のひっ迫を軽減してくれることに一定の貢献をしてくれるとは思います。
しかしここで勘違いをしてしまいがちなのは、ワクチン接種者が周囲へ感染を広げないわけではないという点です。
ワクチン接種を済ませ、ウイルスを大量に保有しながら無症状となっている人は「誤った安心感を抱いている可能性があるため、実際にはある意味で一段と悪質なウイルスの拡散者になる」
デルタ株などに対してマスク着用がどれくらい効果があるのかも分からない中ですが、いつからワクチン接種をまるで人に感染させないという都合の良い解釈に至ったのでしょうか。
不要不急の外出を控える、人と会話する時は距離を確保、マスクを着用。
これを一人一人が徹底するしかありません。
それが出来ていない人を相手にしてはいけません。
そして政府は不要不急の外出を控えるよう要請する際には企業ではなく、個人に対しても生活の経済的な保障を代償として行わなければ、経済を優先したい人たちは外出をし感染が広がるリスクを高めます。
これはワクチン接種をしたとしてもこれまでと変わらないという事を恐らく外出を控えずにいる人たちの中で過信している人も少なくないのでしょう。
東京五輪が閉会式を迎え、会場に入れないのにもかかわらず周辺で人が溢れんばかりに集まっていたそうです。
野球やサッカーやラグビーの国際大会など大規模なスポーツイベントの時に騒ぐ連中とこのような状況下でも変わらないのは国民性でしょうか。
コロナ禍でのうっぷんや自粛疲れを免罪符にしているのでしょうか?
新型コロナワクチンはいつから免罪符になったのでしょうか?
全部、都合の良い言い訳ですよね。
彼らは会場に入れもしないのに競技場の周辺に出かけて、一体何がしたいのでしょうか?
ただ単に騒ぎたいだけ、お祭り気分を味わいたいだけの刹那的感情に支配された愚かな人、自制できない人というだけです。
これこそ不要不急の外出ではないのでしょうか。
ワクチン接種をする人、しない人から見えてきた社会的な分断
新型コロナワクチンの接種をする人としない人、この断絶は私は社会に対する信頼感・不信感が現れているように感じます。
これは私の感覚的な話なので数字やデータはありません。
しかし日本という国や社会、政府や厚労省を始めとした官庁・官僚に対して信頼をしている人たちは比較的ワクチンの接種率が高い傾向にあるような気がします。
彼らは所得が高く、経済的に質の高い生活や安定している人、自分の人生を概ね肯定的に捉えている人に多いような傾向にないでしょうか。
個人的に好きな表現ではありませんが、「勝ち組」ですね。
そして大衆迎合という言葉はやや過ぎた表現かもしれませんが、長いモノにとりあえずまかれておけば安泰という体育会系というか、頭の中まで筋肉か思考停止型の人が少なくないように思えます。
その一方で非正規雇用やアルバイト、所得が思う様に伸びていない人たちは社会的な格差に対する不満や生活に対する不安が前者よりも強く、自分の人生に対して悲観的な人にワクチンを接種しない・したくないと言っている傾向にあるような気がします。
恐らく彼らは社会を信頼できていないし、政府は接種後の副反応や長期にわたる後遺症が起きても補償してくれないかもしれないと疑心暗鬼になっている人たちが多いのではないでしょうか。
社会やコミュニティへの所属意識が希薄だったり、人との交流が偏っていたり少ない人に多いように感じます。
彼らはあがいてあがいてそれでもそこからなかなか抜け出せない、前者のようになれなかった人たちのようにも思えます。
いわゆる「負け組」と呼ばれることもある人たちです。
またこれを前者が自責、後者を他責と簡単に白黒つけるのも適切ではないと思います。
前者の中にも他責の人はいますし、後者にも自責の人はいます。
また勝ち組、負け組というのも人生を単純化しすぎています。
何をもって幸せかは人それぞれなのに、誰かにラベルを貼られているようで個人的にはあまり良い印象がありません。
正規雇用で経済的に安定で、結婚して子どもがいる人は幸せですか?
非正規雇用で経済的に不安定で、未婚の独身、子なしは不幸ですか?
正規雇用でも仕事にやりがいを感じていない人がいれば、非正規雇用でも仕事にやりがいを感じている人もいます。
結婚してても幸せじゃない人もいるし、結婚していなくて幸せな人もいます。
子どもがいて幸せな人もいれば、悩んでいる人だっています。
しかし日本人は白黒二つのことしか考えられない思考力の弱い人が多すぎます。
世界は入り組んでいて複雑で、矛盾をごちゃまぜにして混沌としているものです。
何度も繰り返しますがワクチン接種は現在、任意です。
そして接種をするもしないも自己責任です。
接種している人が偉いわけでもなければ、思考停止しているのでもありません。
接種をしていない人がイキっているわけでもありません。
他人に接種の強要や接種の否定をしてはいけません。
自分の人生ですから、最終的な判断は自分にしかできません。
ワクチン接種の有無が人を分けるなどというのは、差別と偏見以外の何物でもありません。
人を憎むのではなく、こうした声こそ選挙を通じて国政に反映させていかなければ何のための選挙でしょうか。
間もなくやって来る秋の衆議院選挙で、我々は今度こそ民意をきちんと示さなければならないでしょう。
この国はこれからどういう方向へ進んでいくのか、一人一人が考えて選挙に参加しなければなりません。
この人なら未来を切り開いていけると、託せる人に投票をするのです。
【蛇足】PCR陽性者=感染者という誤解
またメディアなどが毎日不安そうに煽って報道している感染者数ですが、正確にはPCR検査の陽性者数であり、新型コロナウィルスに感染をしているかどうかは別です。
PCR検査はだ液検査などの検体の中に一定量以上のウィルスがいればそれが壊れたウィルスであっても陽性反応を示します。
しかし実際にメディアは「陽性反応者数」という言葉を使いたがりません。
不安や不満を煽る、これはヒトラーが大衆を扇動し、かつて日本が戦争に突き進んだ時にも使われたメディアの常套手段でもあります。
インターネットの情報も過信をしてはいけません。検索キーワードに合致した都合の良い情報を集めるだけの機械ですから、人を誘導するのは造作もない事です。
大切なのは自分の頭できちんと考える事。文章を自分のペースで咀嚼しながら読むことです。
メディアやYouTubeのような一方的に流れてくる動画は洗脳に最適です。
思考力を奪われるのですからエンターテイメントと割り切ることが重要です。ながら見なんかは最悪の視聴方法だと私は思いますが、そういう危機感は多くの方は意識されていないかもしれませんね。