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未だに「インデックス有利、アクティブ不利」と思っている殆どの個人投資家が陥っている誤解①

投資信託における運用先を検討する際に必ず誰もが通るのが「アクティブ運用か、インデックス運用か」ですが私はこの議論は的外れで意味がないと思っています。

株式投資の仕組みや、投資信託という仕組みを考えると”一部”の機関投資家や”一定”の個人投資家にとってインデックス運用が有効であることはバートン・マルキールやチャールズ・エリスの指摘する通りだと考えることが出来ます。

しかし木を見て森を見ずの思考で資産形成が出来るかと言えば答えはNoです。インデックス型ファンドによるパッシブ運用が”効果的な局面や投資先”と、アクティブ運用が”効果的な局面”また”投資目的”は全く異なります。

つまりどちらが良い悪いの議論に意味はないというのが私のIFAとしての結論です。

これが何故そうなのかについては有料セミナーではデータを用いて解説していますが、遠方でご参加頂けない方も少なくないでしょうから有料記事として一部を抜粋して書かせていただきます。まずインデックス運用についての基本的な理解からです。



経済成長すると株価が伸びるの意味

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上図は一番左が消費者で、右に行くに連れて店舗や工場、そして企業となっています。

一番左上の食事の図から説明します。

人が増えて沢山の食事が消費されるようになるとその肉や野菜、惣菜やお弁当などの食料が沢山買われます。するとその材料である農家や畜産に携わる職業農家の人たちが儲かります。

人が増えて沢山買い物がされるようになると店員が儲かり、企業も儲かります。

インターネットや携帯電話・スマートフォンが普及するとその製造に携わる様々な企業が儲かり、サービスを提供する回線業者や付随する新たなサービスなどを生み出す周辺業界が儲かります。

人は長い歴史の中で次々により便利に、より快適になるよう追求してきました。

21世紀の今日も、これからも人が便利で快適な生活を手放すことは考えづらく、むしろより快適に暮らせるように便利や快適を追求すると考えられます。

するとより付加価値の高い商品やサービスが売れ、それによって企業は売上を上げ、利益を生み出し、企業価値(時価総額)が高まります。

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この図は日本の戦後の国内GDP推移ですが、国内GDPが増えると企業価値である時価総額がそれに合わせて伸び、国内GDPが停滞すると時価総額は停滞や下落を繰り返しています。

日本の総人口は2008年に頭打ちとなり、人口減少社会に突入しました。人口が増える環境下では経済成長が自然と起きます。人口減少が必ずしも経済成長をしなくなるという事ではありませんが、経済成長しにくくなる事は否めません。


他方、2018年の世界の総人口は約75億人ですが、2050年には90億人を超え、2100年には112億人を超えるとされています。

世界の人口が増えると消費者→生産者→企業という活動はより増えるので、世界のGDPが増えます。

特に2000年以降はインターネットが普及したことで世界の経済成長は加速的に進んできました。

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世界のGDP総額を基準に、世界の株式時価総額はバブルのピークを迎えます。2007年にサブプライムローンに端を発した世界同時金融危機、2008年のリーマンショックはまさにそれを示しています。

この事を考えると投資での大きなヒントが得られます。

どんな投資でも良いわけではなく、経済が成長している所に投資をすることはとても大切なヒントです。

価格は”価値”へ収斂していく

バートン・マルキールが指摘するとおり、日々の短期的な株価の変動を当てる事は誰にも出来ません。

これは短期的な利益を上げようとするディトレーダーや機関投資家の需給(買いたい、売りたい)で容易に根拠なく変動します。

「今日の株式市場は米中貿易交渉が改善しそうだという期待感から上昇しました」

などと最もらしく経済ニュースで株価が上がったり下がった理由を解説しますがそれはそれにそうした投資家たちが反応をしたというだけの短期的な解説です。

長期的には価格(株価)は価値へ収斂していきます。これは株式投資の仕組み上のことなので傾向にあるとかではなく、鉄則であり原則です。

日本人が投資で資産を築くことがなかなか出来ないのは日本の経済が成長しておらず、かつ日本人にとっての身近で代表的な株価指数である日経平均株価やTOPIXもこれと連動して成長していないためという問題や自国バイアス(自分の国の何となく聞いたことがある指標を良さそうと感じる心の偏った見方)が折り重なっているためでもあります。

またお金についての「価値」というものをお札に日本人は求めていますが、欧米人は紙幣を価値とは見ていません。

日本ではどうすれば資産が増やせるのかというテクニックや商品選びを学ぶ事を多くの方々が金融教育と思っていますが、それは本当の金融教育ではありません。

昨今、日本でも金融庁自らが出前講座とか言いながら仕事しているアピールをしていますが、本当に申し訳ないですがあんなものは官僚の自慰であって金融教育ですらないのです。

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もし私が金融庁の出前授業を行う学校に我が子を通わせる親であればそんな授業は受ける必要がないと学校を休ませるか、ディ◯ニーランドにでも連れて行くでしょう。

金融庁にとって都合の良い金融知識など生きていく上でこの国の政府や官僚にとっての食い物にされることはあっても役に立つことはないと断言できます。

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一体いつまで自分たちのミスと無知を世間にさらけ出せば自分たちが世間に誤解と誤認を与えることを金融教育として伝えると気づくのでしょうか。

インデックス運用を検討する上で大前提となる考え方が抜けている

世の中、ネコも杓子もインデックス運用を持てはやすインデックス全盛期の今日ですがそもそもインデックス運用とは何でしょうか?

一般的に指標と呼ばれる株価指数(日本における日経平均やTOPIXなど)と同じような値動きをするものと解説されることが多いですが、これは正確ではありません。

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我々は外出をする際に無意識でも意識的でも現在地と目的地を理解しています。

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外出時における目的地にあたるのが、投資におけるベンチマークです。

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インデックスファンドというのはこの”ベンチマークと連動する値動きを目指す”パッシブ運用(アクティブに対する対義語で消極的とか受け身の意味)な事を意味しています。

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そしてインデックス運用を支持をしている殆どの個人投資家は「目的地にたどり着くこと」が目的になっています。

投資とは「手段」であって、そこに行って何かをしたいという”目的のために投資をする”のです。より適切に言い換えるのであれば目標とかマイルストーンです。

まさに金融教育をきちんとしてこなかった日本人らしい誤解です。

投資する事で得られる”価値”について何も考えていないのですから、投資を長く続けることもなければ資産を築くのもなかなか出来ないハズです。

投資とは”価値”の交換ですから、投資哲学(何のために投資をするのか、自分にとって投資とは何か)がない人が資産を築くのは難しいと言えます。

「コストが安い=利益が出る」マルキールは一言もそんな事を言っていない

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また多くのインデックス投資家が誤解している事はコストが安ければ利益が出ると思い込んでいることです。

インデックス運用はあくまでベンチマークと連動しますから、利益が出るかどうかはベンチマーク次第です。厳密にはアセットアロケーション次第です。


インデックス運用を提唱したバートン・マルキールは「株価の将来の値動きを予測する事は困難」(ランダムウォーク理論)と言い、プロのファンドマネージャーにその予測できないことに高いコストを支払うのは無駄。猿にダーツを投げさせて当たった銘柄を買う方がまだマシと言いました。

そして「将来の株価の予測は出来ないが、コストは誰でも比較して比べる事が出来る」として低コストでの運用を推奨しました。

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例えばインデックスファンドで信託報酬が年率1%と0.5%と0.25%のものだとベンチマークに対して低コストであるほど近づきます。

繰り返しますが、このベンチマークが利益を上げられるかは全く別な話です。

昨今の個人投資家のインデックス礼賛はアクティブファンドはさも駄目で、インデックスファンドなら極論どれでも良い。そしてより低コストのファンドであればあるほどなお良いという論調ですが、そもそもそれは大きな誤解ですし、嘘です。バートン・マルキールは一言もそんな事を言っていません。


投資の世界は「敗者のゲーム」に似ているが異なる別物である

チャールズ・エリスがその後「敗者のゲーム」を1985年に出版してアメリカで最初のインデックスブームが起きます。

「敗者のゲーム」とは、テニスのようにプロは相手から点を取って勝つ。アマチュアはミスから相手に点を与えて負ける。

投資は多くの投資家のミスによってミスをしない人が勝利を手にするという話です。

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テニスの試合は確かにその通りだと言えます。しかし投資の世界は1人の勝者(リターンを得た人)と1人の敗者(リターンを得られなかった人)がいるわけではありません。

リターンを出す人は何人でもよく、またリターンを出さない人がゼロや負ける人がとても少ないことさえ起こります。

投資哲学の大家であるチャールズ・エリスの意見に一介の個人投資家やIFAが何を言うのかと思うかもしれませんが、エリスの言っているそれは投機の話でゼロサムゲームのことです。今日の資産形成の話ではありません。

マルキールとエリスを礼賛する日本人投資家の大多数は彼らの仕事を知らない

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