Voguish StartupⅢ: Venmo

Venmoはもはやスタートアップではないですが、アメリカに来て一番感動したアプリ・サービスですので、纏めておきたいと思います。

VenmoはP2P(Person to Person)(個人間での)送金アプリです。アプリ内で気軽に友達にお金を送金が出来る為、アメリカのミレニアム世代中心に爆発的に普及しております。実際に2018年1Qだけで、$12billion(1200億円)のトランザクションがありました。単純計算で年間約5000億円の送金が行われている事になります。

では、何が魅力なのか。

一つ目は、瞬間的にお金が相手に送金出来る事。


例えば大人数での食事の会計の際に、ベンモは非常に便利です。基本的にアメリカではキャッシュを持ち歩かない為、クレカでほとんど支払いをします。しかし、大人数の場合だと、人数分のクレカでの支払いが難しいお店が多いです。レストランではスプリット(二枚)もしくは3枚程度がMaxでしょう。その際に一人がクレカで食事を立て替え、その場で他の人に「~Venmoして」と言い、立て替えた人にお金を送金します。すぐにアプリ内で送金完了の知らせが届きますし、まだ送金していない人が誰だかすぐに分かります。送金未完了の人に送金リクエストも送る事が可能なので、大人数であればある程未払いを予防出来ます。パーティーや複数でプレゼントを贈る際にも、Venmoは重宝されております。


二つ目の魅力は、ソーシャルメディア要素が含まれている事。


VenmoアカウントはFacebookを使うとすぐに作る事が可能で、個人を見つける事がとても簡単です。また、送金の際にemoji(絵文字)で何の送金を表すかが個人的に楽しいです。勿論、文字で行う事も可能ですが、絵文字の方がユーモアがあって、学生にはウケております。

例えば、韓国焼肉の支払いなら、こんな感じで送ります。

では、次は何を立て替えたかわかりますか?


これは、友人宅でThanksgivingとベビーシャワーのパーティーをした際に、ホストにVenmoした時の絵文字です。お酒・餃子・寿司代を立て替えてもらいました。

くだらないと思いますが、このように絵文字を組み合わせてVenmoするのが楽しいです。

*余談ですが、絵文字は英語でもEmojiと言います。インド人の口からEmojiと聞いた際は驚きました。


そして、三つ目にして一番の魅力が、これらの送金やアプリ内で蓄積されたお金の銀行口座に戻す事が全て無料。


相手に送金する事も、立て替えてVenmoで集金する事も全く苦ではありません。あえて言うなら、銀行口座にお金を戻すのが数日かかる位で、それ以外にVenmoでpainを感じた事はないです。

*注意:送入金が無料なのは、銀行口座もしくはデビットカードを登録している場合のみで、クレカ登録は手数料がかかる様です。


Venmoは、ペンシルベニア大学出身のAndrew KortinaとIqram Magdon-Ismailが2009年に創業しました。AndrewがIqramの自宅に遊びに行った際に、財布を忘れた事がきっかけにビジネスアイディアを思い付いたそうです。

創業から3年でBraintreeに26億円で買収され、翌年にはBraintreeが800億円でPaypalに買収されておりますので、Venmoは現在Paypalの傘下になります。


「Can you Venmo me ~」「いくらVenmoして」は日常会話となりつつあります。アメリカでは日本の様に気軽にATM行く事が出来ませんので、Venmoが無い生活は今では考えれません。

では、日本にはVenmoに似たサービスはあるのか。

需要はまだまだ少ないと思いますが、LINE Payが一番普及しているのではないでしょうか。LINEを使っていない人がもはや絶滅危惧種ですので、個人的にも便利だと思います。しかし、Venmoと違って入金手数料がかかってしまうようです。銀行の収益モデルの違いもあるとは思いますが、入金手数料がかかってしまうのは、大きな足枷なのではないでしょうか。

メタップスとみずほ銀行から協業した「Pring(プリン)」が個人的には一番Venmoに近く、日本に帰国した際に使用したいアプリです。

今後日本でどのサービスが主流になるか注目ですね。


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