
【研究日記】 自分の持っている知識と関連させて語彙を覚える / 英語講師の役割
こんにちは。飯島尚憲です。今日はツイッターで考えたあることを実際に、自分のツイートを見せながら紹介していきます。今回は英単語のbankを例にします。
自分の持っている知識と関連させて語彙を覚えることの重要性、そして、英語講師の役割まで派生して話します。それでは、はじめて行きましょう。
①多義語か、同音異義語か、どうやって見分ける?
例えば、bankという言葉を考えてみる。この言葉は「多義語」と扱われている。「一段高いところ」がコアミーニングだそう。しかし、実際には片方の意味はゲルマン語由来、もう片方がラテン語由来になっている。そのため、本当のことを言うとbankは同音異義語になる。しかし多義語と教えると覚えやすい。
— ヒサノリ (@cogedu3121) March 14, 2022
例えば、bankという言葉を考えてみる。この言葉は「多義語」と扱われている。「一段高いところ」がコアミーニングだそう。しかし、実際には片方の意味はゲルマン語由来、もう片方がラテン語由来になっている。そのため、本当のことを言うとbankは同音異義語になる。しかし多義語と教えると覚えやすい。
例えば、bankという言葉の意味、いくついえますか。普通の人は「銀行」という意味が思いつき、ちょっと上のレベルの方ならば「銀行」と「土手」という二つの意味が思いつくのではないでしょうか。
しかし、確か「銀行」の意味のほうがラテン語由来で「土手」の意味の方が、ゲルマン語由来なんですよね。そのため「語族の違う言葉がたまたま同じスペルになってしまった」という解釈でいいと思います。つまりは、同じ音の意味の違う言葉、すなわち「同音異義語」になります。
②英語講師は英語情報を「伝える」仕事
教えやすさ・使いやすさ・学びやすさ。この3つの観点が必要になるのだけれど、ボクの最近の疑問って「なんで言語現象をありのままに教えても生徒には伝わらないのか?」なんです。いや、だからこそ、英語講師の仕事があるんだと言われればそこまでなのですが…
— ヒサノリ (@cogedu3121) March 14, 2022
教えやすさ・使いやすさ・学びやすさ。この3つの観点が必要になるのだけれど、ボクの最近の疑問って「なんで言語現象をありのままに教えても生徒には伝わらないのか?」なんです。いや、だからこそ、英語講師の仕事があるんだと言われればそこまでなのですが…
上の話を続けると、同音異義語です。では、同音異義語として覚えてくださいねというにはあまりにも早い話であって。そうすると、言語のありのままを教えるとどうしていけないのかということになるのです。
ここに、言語現象を教育へと応用させることのギャップがあると思います。つまり教育用にアレンジするには、ある程度の真実を歪める必要があると言えるでしょう。その点では「言語現象を教育に応用させようとしてもすべて、応用するのは無理がある」ということになります。
言語学的に、
— ヒサノリ (@cogedu3121) March 14, 2022
多義語→複数の意味の中に関連したニュアンスがある。
同音異義語→複数の意味の中に関連したニュアンスがない。
結局、関連したニュアンスがあるかないかの差で、仮に「ない」となったら、それこそ根性論の世界になる。生徒は根性で覚えることを強いられる。でもね(続く)
(続き)関連性を生み出すかは、実は「関連性理論」と言うものがあって、関連をするかしないかは個人の問題だと思います。関連性を見出したら、それは個人の中で多義語とカテゴライズされる。関連性を見出せなかったら、それは個人の中で同音異義語になる。
— ヒサノリ (@cogedu3121) March 14, 2022
全然関係ないけれど、Categorizationについては「Linguistic Categorization」と言う本がある(John Taylorって研究者が書いてる)。その後のTaylorが出した「Mental Corpus」の第7章「多義性」の部分には人生が変わってしまうほどの体験をした。
— ヒサノリ (@cogedu3121) March 14, 2022
多義語というのは、言語学的には「1つの言葉の中に複数の関連した意味のある言葉」です。そして、同音異義語というのは「1つの言葉の中に複数の関連した意味のない言葉」になります。要は、関連しているか、していないかということが、同音異義語か多義語か、区別する指標になるのですね。
しかし、関連しているかしていないかというのは、個人差があると思います。関連するということは、その関連を見出せる能力が必要になります。その能力のあった場合、その単語は多義語になり、そうでない場合は同音異義語になる。よって、その意味では、絶対的な多義語の定義に意味はないといえます。
その意味で、英語講師って(ボクもやっていた経験があるので)英語の伝道師のような役割を果たすと思う。ありのままの言語現象をどのように生徒に伝えるか、伝わるか。 https://t.co/SKLC2T9AJT
— ヒサノリ (@cogedu3121) March 14, 2022
よって、言語学の知識のない英語の先生って何を教えているんだと思います。言語学に無知な人が言語教育を教えようと思っても無理があるでしょうに…。
— ヒサノリ (@cogedu3121) March 14, 2022
では、ここで、英語講師の役割になります。ありのままの言語現象を伝えて学生が根性論とかを持ち出すならば、言語に対してある程度は関連性を教えてもいいのではないかと思います(諸説あり)。もちろん、自分の見出した関連性になります。もちろん、そこに正解とかそういうものはないと信じています。
英語講師というのはいわば、英語の伝道師のようなものです。英語に対して、わかってもらうために英語の情報を伝える(もちろん、先生の役割はそれだけではないのですが)のが主な役割になります。なので、英語という言語を知らない人が教えることはできないというのがボクの意見です。
今日の余談
雑談になりますが、最近はこんな質問ももらいました。
よく学部生に聞かれるのが「論文ってどんなふうに検索すればいいの?」なんだけど、その度に申し訳なく思う。だって、ボクはキーワードを検索したら、片っ端から読んで、マインドマップの形でまとめていくって言う手法しかとらなかったので。今でもそれが王道と思うけどどうなんでしょうね。
— ヒサノリ (@cogedu3121) March 14, 2022
それについても、どこかで、書ければと思います。根性論で論文を読んできたので、体系的な教え方がよくわかっていないのです涙。
まとめ
というわけで、今日は以上になります。まとめるとこんな感じになります。
①多義語か同音異義語か見分けるのは個人の裁量次第
②英語の先生は言語に対する理解がとても大事になる
さて、本日はツイッターを題材にネタを書いてきました。このほうがかきやすいです(ボソっ)。それでは、またお会いしましょう。