現在の賃金テーブルを見直す場合の基本的な流れ
「賃金が青天井で高騰している」
「昇給を金額ではなく率で決めているので、高い人ほど加速度的に給与が高くなってしまう」
というような問題が生じて、現在の賃金テーブルを変更したいというご相談がベトナムにおいて増えています。
検討の際の簡単な流れですがご参考までに
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ステップ1:レベル分けの再設定
現在の賃金テーブルにおける等級数(マネジャー、とか、リーダーとか役職カテゴリー別にしている場合はその区分)をどう再設定するかを検討する
ステップ2:レベル別の「賃金レンジ」の再設定
再設定した各等級(もしくは役職)毎に賃金の「最低〜標準〜最高」の額を決めて「賃金レンジ(賃金範囲)」を再設定する
ステップ3:レベル別の「標準評価時の昇給額」の再設定
各等級や役職、職種ごとに「標準的な人事評価」を受けた場合に、どのくらいの昇給額が望ましいかを検討する
ステップ4:標準評価者以外のレベルの別の評価に応じた昇給額も再設定
標準評価者に対する「昇給額」が決まったら、その他の評価に対する「昇給額」も決める。
ステップ5;「1ピッチ(号)」ごとの昇給額」の再設定
それが決まったら、それぞれの賃金テーブルを「いくら刻み(ピッチ、号数)」にするか=「1ピッチ(号)の金額をいくらにするか」を決める
ステップ6:全体の見直しと微調整(レベル間、ピッチ間の差の調整)
ここで等級ごとに人事評価に対して何ピッチ(号)進めるか、が決まるので、全体の数字を見て、バランスを調整する。
レベル間でダブりを作るかどうか、ピッチ間で昇給額を調整(エントリー時は高く、上限に近づくと金額を下げる、など)
ステップ7:「ピッチ上限到達者」への対応の決定
賃金テーブルの「上限」にいった「滞留者」に対する対処を決める。
人事労務費の抑制に関しては、これが一番、効果があり、かつ、議論を招く部分である。
こちらに関しては別の note で詳しく述べましたのでご参照ください。
ステップ8;実際の昇級に際して運用を開始する
翌年の昇給から、この賃金テーブルを適用して「B評価なら2ピッチ進む」のような方式にして、全員がこの賃金テーブル上の給与のどこかに当てはまる状態を作る
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ご参考になれば幸いです
アジアゲートベトナム 代表 豊田英司