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第757回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ホーチミン市の前年度の外国からの直接投資の内訳に「変化の兆し」
本日の記事:
「2022年、ホーチミン市がFDI(外国直接投資)の誘致で主導権を握る」
原題:
" HCMC takes lead in FDI attraction in 2022 "
記事リンク:https://english.thesaigontimes.vn/hcmc-takes-lead-in-fdi-attraction-in-2022/
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【本日のポイント】
(1)昨年のホーチミン市における新たな外国直接投資(FDI)の承認額は前年比5.4%増となり、ベトナム全国63の市と省の中で、FDIの最大の受入国になった。
(2)ただし、製造業の承認額は前年比で9.7%減少となり、逆に教育・訓練・技術の承認は前年比6倍増と激増するなど「構造変化」が見える
(3)今後のベトナムの経済構造が「外国の下請け」から「自ら考え、自ら生み出す」ステージへ変わるきっかけとして注目される
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【解説】
アジアゲートベトナム代表の豊田です。
さて、今日の記事について。
さて、タイトルにあるFDI(外国直接投資)、これはベトナムで事業をやる方なら聞き馴染みがあると思います。
まぁ、要するに皆様が会社を設立する時にベトナムへ投資するお金のことです。
ただ、外国”直接”投資があるなら、当然、外国”間接”投資もあるわけですが、この違いってお分かりですか?
外国間接投資(FII=Foreign Indirect Investment)はベトナム企業の株式や債券の取得などによって、主に金融利潤だけを追求するような投資のことです。
外国直接投資が永続的に利益を獲得するため、現地法人や子会社などを設立したり、海外企業へのM&Aに資本を投下して事業を営むのと対を成しております。
まぁ、「事業をして利益をあげる」のか「株式売買などによる利潤狙い」か、ってことでしょうか。
で、まぁ、このメルマガをお読み頂いている方にとって身近なのは「直接」の方かと思うんですが、昨年のホーチミン市における新たな外国直接投資(FDI)の承認額は39億4000万米ドルで、前年比5.4%増あり、全国63の市と省の中で最大の受入国になったそうです。
「まぁ、そうでしょうね」なんですが、内訳が興味深く、製造業の承認額は前年比で10%近くも減少してるのに、「教育・訓練・技術」の新規投資承認はなんと、前年比6倍の「激増」だそうです。
「教育・訓練・技術」ってなんじゃい、という話ですが、「教育・訓練」は子供への知識教育で、「訓練」は産業に関わる職業訓練なんだろうと思います。
ただ「技術」っていうのが、これは「IT産業」自体を指しているのか、IT技術に関わる「教育」を指しているのか、ちょっと不明なのですが、、、
これはホーチミン市、そしてベトナム全体の経済の今後を占う2つの大きな流れを示しているように思います。
1つは 「人件費の高騰による製造工場投資の限界」、もう一つは「”国際的下請け”から”自立国家”への脱却」です。
2000年代から本格的に「世界の下請け工場」の一角としてベトナムが国際的なサプライチェーンに登場して20年が経ち、その間、ベトナム国内の人件費は激増し、もはや、以前のように「若くて安くて器用な人材がうじゃうじゃいる国」とは言えなくなってきたのは自明の事実かと思います。
正直な話、すでに一部の日系製造業は本気でベトナム以外の国への移転を考えていますが、「これ」という代わりの候補国がなく、悩んでいる状態にあり、弊社でも、他国の進出アドバイザーを紹介していたりします。
今回、ホーチミンで見られるような外国企業による「製造業への投資の減少」と「教育やITへの投資の激増」は今後、ベトナム中で起こり、ベトナムが「国際的な下請け」から「高度な教育を受けた人材が自らモノやサービスを生み出す国」へ発展する兆しのように思います。
そのようなステージになった時、既存の先進国としてFDIをベトナムにしている立場の方々は、今後、どのように関わっていくことが良いのか、私も皆様と一緒に考えていきたいと思います!
以上 豊田英司
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