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失敗の末のレシピを信じろ

あぶない、本当に三日坊主になるところだった。
毎日朝から晩まで職場と家の往復だと刺激も何もなく思考が停止する。

もうすぐバレンタインということもあり街は浮足立ちあちこちからチョコレートのにおいが漂ってくるような甘い雰囲気に包まれている。
バレンタインは恋人に花を贈るイベントだったはずなのにいつの間にか女性から男性へ好意を伝えるためにチョコレートを渡すという謎イベントになっているのは解せないが新作や限定のお菓子がたくさん発売されるのはとても好ましい。チョコレートは好きだ。

若い女の子たちが製菓コーナーでスマホ片手に真剣に棚を見つめいているのを目撃する。
友人かはたまた気になる子へ贈るのかほほえましく思いながら通り過ぎた。

思い返せば私が高校生であった時にも友チョコ文化はすでに定着していた。
教室の友人と手作りのお菓子を交換するのだが…得手不得手は誰にもあるものだなと思った覚えがある。
まだスマホでレシピアプリなどなくお菓子のレシピを検索するなど考えも持ち合わせていない中、本や雑誌で見かけたレシピを手探りで作るお菓子の交換会程怖いものはない。
味のしない油分が浮いた硬いチョコレート、メラミンスポンジのような食感の無味焼きドーナツ、固まることができないトリュフもどきなどがかわいらしくラッピングされ渡される…美味しくなくても美味しいといわなければならない圧力を感じつつ無理やり飲み込んだ苦い記憶がよみがえる。
かく言う私もお菓子つくりが趣味とはいえプロではないので失敗することもある。だがレシピは忠実に守るだけでそこそこ美味しいものができあがる。
冒険はするな、レシピに忠実であれ。

最近は簡単なレシピがいつだって手元で確認できるので失敗することも少ないだろう。

相手を想いながらのお菓子つくりはさぞ楽しいだろうな。




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