ドタバタ珍道中~セブ島~2

狭い飛行機の席に大きな体をなんとかねじ込み我慢すること数時間…
セブ島への乗り継ぎのためのマニラ国際空港へ到着!


乗り継ぎのタイムスケジュールがタイトなため入念な下調べをしイメージトレーニングはばっちりだ。
格安航空チケットのためセルフトランスファーだった。
入国審査を受けたのち、一度受託荷物を受け取り乗り継ぎカウンターへバリ行きの飛行機に乗せてもらう手続きを自分たちで行わなければならない。


夫のパスポート期限の問題でひやひやしたがそんなに時間がかからず通してもらえた。

安堵し荷物をピックアップに向かう。
同じようにセブ島へ向かうのであろう日本人カップルが私たちの後ろについてくる。
手慣れてそうだから付いていけば安心などと話しているのを聞いてしまったので私に任せとけと強気になる。

手荷物を預けるカウンターの場所は事前に確認してあるから完璧だ!とずんずん進んで行ったがカウンターがあいてない…!
焦って警備員に確認すると反対方向にあるよと笑顔で教えてくれた。
ここに来て方向音痴など発揮しないでほしい。恥ずかしかった。

正反対の方向にあったカウンターには乗り継ぎの人が群がっておりすぐに分かった。
簡単なやり取りだけで荷物を預かってくれたので少し心配になりつつ時間は余裕だったのでやっと実感しだす。

満喫するぞ!!


空港の外に出るとムッとした湿度を含む空気に包まれる。
どことなく匂いが日本とは違う。
何度海外に行ってもこの瞬間が一番好きだ。

マニラの空港はターミナルの場所が離れているため移動にはシャトルバスに乗らなければならない。
このシャトルバス、人数が集まらないと出発しないと聞いて外国だな~と嬉しくなった。
心配する暇もなく10分程度で人は集まりバスは出発する。

街中を眺めながらバスに揺られ、目的の第二ターミナルへ到着する。
バスの停車位置など関係ないと言わんばかりの路上駐車でバスが止まれない。
ゆっくりそして無理やり進んで行くバス。
停車の直前、脇に止まっていた車と車体が擦れる音がした。

バスの中の日本人達が事故だ…と少しざわついたが他の乗客達は全く気にしていないところを見ると少し擦っただけで過剰反応しているのはおかしく思えた。
停めてはいけないところに停まっている方が悪いんだろうな。

空港では難なく搭乗手続きが終わり飛行機の搭乗口へ向かう。

建物の中のはずがたくさんのスズメが落ちている食べ物をついばんでいる。
君たちはどこから入ったんだい…。

みんな慣れているのかスズメのことなんて全く気にも留めていない。
見るものもないため私はじっと観察してると日本のすずめより二回り以上大きいことに気がづいた。
たくさん食べているから大きいのか、もともと日本のスズメより大きい種類なのかはわからないがふくよかでまん丸でかわいい。


搭乗までまだ少しあるのでコーヒーでも飲みたいとカフェを探すが何もない。
仕方ないのでお菓子などが売っているスタンドでコーヒーと水を買う。
コーヒーは色がついたお湯だった。

うろうろしつつ自分達の搭乗ゲートを確認するもどこにも私たちの飛行機が書いていない。
急に焦りアナウンスをよく聞くとゲート変更のアナウンスがあったように思うが周りがうるさくよく聞き取れない。
案内カウンターへ聞きに行くもわからないの一点張りで搭乗開始時刻まで10分を切っている。

仕方がないので同じセブ島行きの別の空港職員へ聞いてみると親切に一番端のゲートだと行き方まで教えてくれた。
本当にありがたい。

何とか無事に乗り込み外の風景を眺めながら海の綺麗さに心を躍らせる。


セブへ到着したのは夕方だった。
とりあえずSIMカードを購入し換金してからホテルへ向かう。

ぼったくりタクシーが怖くて配車アプリからタクシーを手配するも待ち合わせ場所がわからず落ち合うことができない。
何台かタクシーを逃したあと、配車アプリで電話ができることに気づき運転手に場所を聞いたらどうやらタクシー専用のロータリーがあったみたい。
逃した運転手さん、ごめんね。


あたりは暗く風景はよく見えなかったが日本ではない雰囲気に興奮する。
タクシーに揺られながら街をぼーっと眺めていたら運転手が突然ドアをロックした。
何事かと心配になっていると信号で停止した瞬間に物乞いや水や菓子を売り歩く人たちが現れた。
ドアのロックをしていないと勝手に開けて押し売りをしたりするそうだ。
商魂たくましい。
ちなみに価格はスーパーで買うより3倍ほど高いのだそう。

ホテルへ着き、チェックインを済ませた後買い物のために外へ出る。
ホテルのある場所は高い塀で囲まれており門番が常に車や人の出入りを監視していた。
そこから外へ出るといたるところに野良犬がいる。
危ない雰囲気はないが日本では野良犬と遭遇することがないため少し怖かった。
街頭も少なく、至るところで男の人たちがたむろしておりなんでも怪しく見える。
恐々歩いていると口笛を鳴らされ声を掛けられる。
夫と一緒だったからよかったものの一人だと対処に困るなと思いながら夜は徒歩での外出を控えることを心に誓う。

それにしても歩道がとてつもなく歩きにくい。
歪み傾いているのはもちろんだが歩道と車道の高さが15㎝~50㎝とまちまちで降りたり上ったり大変だった。
そりゃみんな多少危なくても車道歩くわ。
日本の道路整備って無駄だと思っていたけどそんなことないんだなと感謝した。

歩きにくい道を歩いていると歩道の端に人が倒れていた。
ドキッとしてよく見ると浮浪者のようだった。
まだ若いように見える。
距離をとりつつ通り過ぎるとき気がついた。
女性だ。しかも小さい赤子を抱いて眠っている。

やつれているが同じ歳くらいに見えた。
お世辞にも綺麗とは言えない環境で若い女性と赤ちゃんが路上で暮らしていることに衝撃を受けた。
日本にも浮浪者はいるがみんなおじさんで女性などなかなか見かけることがない。
頭の片隅で女性や子供は誰かしらが助けてくれて少なくとも雨風はしのげる環境にいるものだと思い込んでいた。
当たり前だ。ここは日本ではないし、ストリートチルドレンだっている。
若い女性が赤子を連れて路上で眠ることもあるのだろう。
そう思い通り過ぎたが何とも言えない重たい物が胸の中に残る。





その日はホテルのレストランで食事をし次の日にアイランドホッピングの予定を入れていたため早めに就寝した。






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