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VOGUE BUSINESS「NikeのWeb3における次の手は黒のフーディー: Rtfktの創設者たちがすべてを語る」(翻訳前半)

Japanese translation of "Why Nike's next Web3 move is a black hoodie: Rtfkt’s founders tell all" BY MAGHAN MCDOWELL 23 APRIL 2022
執筆: MAGHAN MCDOWELL 2022年7月18日 (※ 翻訳の正確さについては上記のオリジナル記事を参照してください。)

メタバースのSupremeと呼ばれ、記録破りのデジタル・スニーカーのドロップで知られている。ロボットの鳩ミステリアスなブラック・ボックスのNFTカラフルな宇宙飛行士のような人形たち。「メタバースの香水」と初のフィジカル・マーチャンダイスがやってくる。

ナイキが所有するデジタル製品の会社Rtfktは転機を迎えている。メタバースの中で「クールなもの」に関して初期権威者であり、次のムーブはWeb3のレンズを通じたフィジカルなファッションの創出である。

最初のフィジカル・プラス・デジタルの着衣可能な商品を、ナイキとともに今週ローンチする予定になっている。Rtfkt x Nike AR Genesis フーディは、NFC(near field communication) チップ と共に入手できる。アーギュメンティッド・リアリティ(AR, 拡張現実)の中でトラッキング可能となり、例えば仮想現実の中で羽をつけることが出来るようなオプションが与えられている。値段はドロップに近づいたら発表されることになっているが、$250イーサリウムぐらいと予想されている。(訳注: この記事が出版されたのは7月18日であり、フーディが既にドロップされている可能性がある。) これが利用可能なのは、クローンX (CloneX)と呼ばれる20000強のアバターのコレクションの所有者およびクリプトキックスの所有者のみである。フーディは、Rtfktを非公開の値段で12月に買収したNikeとの共同ブランドとなっている。

Rtfktファンがフィジカルな商品を物理的に「フォージ」するのはこれが初めてではない。フィジカルのスニーカーの双子が既に約束されている。しかし、このフーディは最初のクロージングの商品である。ナイキにとっては新しい時代の案内役でもあるといえる。

ナイキの傘下になったことで、Rtfktはデジタル・ファッションで遊ぶということがどんな風か、既存の大きな遺産(つまりWeb2)であるようなブランドによって支えられながら、その土台を築いている。「Web2のブランドがWeb3に効果的な方法で参入してきた例はまだありません。」共同設立者の Steven Vasilev (通称「Z」)は、Rtfktは素早く動く風変わりな精神に惹かれて集まってきたすさまじく忠実なコミュニティに対して、まず第一に誠実であることを意識していると言う。「巨大なグローバル・コーポレーションの一部になったことで、スピードが遅くなることはRtfktの死に繋がるだろうと言う人もいます。」

Rtfkt x Nike AR Genesis フーディー

彼らは「初物出し」のペース保ったまま、スニーカーとストリート・ウェアの混雑した市場の中で、より広げてしていくつもりである。例えばこの春、Rtfkt はMnlthとよばれるミステリアスなブラック・ボックスのNFT(中身が分からないにもかかわらずリセール価格は9ETHにも及んだ)をアンロックするにあたって、ヴァーチャルなコレクションの「探索」シリーズをファンに送り出した。共同設立者の Benoit Pagottoは、Rtfkt(「アルテファクト」と発音する) を「次世代のルクジュアリー・ブランド」であると考えている。定期的にドロップが予想されるという意味で、ストリートウェアに影響されている。「どんな売り物にでも、そのカルチャーの要素が入っている限り『Supreme』と入れることはできます。」と彼は言う。「ドロップのシステムを作成しています。ドロップしたときには最初からやり直すのではなく、ビデオゲームの新しいバージョンのように常にアップデートしていきます。」

デジタルのアセットから売上は生み出され、それは中古のマーケットへと広がっていく。スマート・コントラクトとNFTによる仕組みによって、将来のセールスはオリジナルのクリエイターとそのパートナーたちに売上を継続してもたらすことが出来る。11月のローンチ以来、RtfktのクローンXのドロップは、トレードの量は6億5千万ドルにも上るという。

多くの人にとってナイキに買収されたことが、そのコンセプトを合法化させたと言える。Pagottoは言う。「加速させるためにWeb3が必要だったのです。これをシリアスなものであるというメッセージを送ることができました。アナウンスされた日から多くの有名ブランドが電話をかけ始めたという事実により、それが分かったのです。」ナイキにとっても、よりメタバースを推し進めようとしているアディダスのような競争相手に対するアドバンテージが得られたのである。デジタル・ファッションの領域における創設者やクリエイターにとっては、デジタル・ファッションはマーケティングのためだけでなく実際にお金を儲けることが出来るという、長年の理論についての具体的な証拠を見せつけた。ナイキのメタバースに対する野望についての近道となるだけでなく、業界において先駆者であり続ける役割をはたしている。

「Web3の将来を規定するのを助けるパワフルなポジションが得られました。」とVasilevは言う。その中にはナイキのリーガルのチームとの作業によって、予測不可能な開拓地に対して防御壁を作り上げることが含まれる。「このディールの大きな部分は独立を保ったままナイキをWeb3の世界へ案内していくことです。」

ナイキのスライド


Pagotto, Vasilev そして共同創設者の Chris Le が彼らのビジョンの概要を作成していたとき、あるスライドでナイキを彼らのロードマップに置いていた。靴のシルエットと2025年に買収されることの両方である。その当時、彼らはギークっぽく聞こえる言葉「ノン・ファンジブル・トークン」は避けていたし、ゲームはそれほどクールなものではなかった、という。パンデミックはそれを変え、メタバースとNFTを単なる共通の用語ではなく、時代精神へと押し進めたのである。

(※今回の翻訳はここまでです。続きに期待される方は、スキをお願い致します。)


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