サウンドインスタレーション「音を奏でるクリスマスドーム」〜巡回編〜
2024年1月12日(金)・13日(土)に昨年流山おおたかの森駅前で公開したインスタレーション「音を奏でるドーム」を流鉄流山駅前にあるmachiminにて限定公開しました。
当日はインスタレーション を制作したクリエイターとともに制作秘話やVIVIWAREのプログラムを紹介してお話ししたり、来場した方とアイデアをふくらませるきっかけとなるものづくりをVIVIWAREとレーザーカッターなどをつかってワークショップをおこないました。
※「VIVIWARE」とはVIVITAオリジナルのプロトタイピングツールで今回のインスタレーションの楽器に使われているツールです。詳しく知りたい方はこちら
きっかけは建築家 福井さんの想い。
きっかけはVIVITAの活動にお子さんと参加してくれている福井さんという流山の建築家から声をかけてくれたことから始まります。
一昨年から福井さんは街のブランドイベントである「森のマルシェ・ド・ノエル」のオブジェ制作を流山市から任されていました。そこで昨年12月におこなうブランドイベントのオブジェ制作をVIVITAと共同で制作をしませんかという声掛けのもと実現できました。
「単発で終わるインスタレーションではなく新旧色々な場所をつなぐきっかけとなりたい。」
そんな、福井さんの思いと共感したVIVITA TOKATSUと福井さんが2か所目の設置の場所として選んだのが、「まちをみんなでつくる」というコンセプトのもと共感した市民同士だけで運営している「machimin」という場所でした。
あえてアレルギーがある場所でやる。
写真で見ておわかりのとおり、デジタルファブリケーションや電子工作にアレルギー反応がある層がくる場所でワークショップをおこなったのですが、「VIVITA=プログラミングやロボづくり」を教える場所というバイアスを払拭したかったというのが狙いでした。
あと、「この層にVIVIWAREのプロトタイプツールを触ってもらったらどんな反応するんだろう?」という好奇心からの実験でした。予測できないことはとても楽しいのです笑。
案の定、最初に会場においているインスタレーションとVIVIWAREを見てアレルギー反応を示していました。しかし、とても印象に残って新しい発見があったのが、アレルギーが強かった女性の方々がVIVIWAREのワークショップで一通り形にできた後と前の、インスタレーションやVIVITAに関する捉え方ががらっと変わった瞬間を見たことです。発言もそうですが、あきらかに体験の前後の顔の明るさとテンションが違いすぎます。
「もしかしたらこういうのを偏見でみていたのかもしれない、実際にさわったら難しいどころか楽しい!もっとやりたい!」
「これを使えばいろんなことができる、たとえば・・・」
など、どんどん対話とアイディアが出てきたことはわたしたちの驚きと嬉しさで満たされました。
アートは「どうでもいいもの」。だからこそつなぐことができる。
VIVITAのクルーはこどもたちと社会をデザインしていける環境をつくることを目指しています。
VIVITA TOKATSUでは社会をデザインするというものを、図書館や公園など公共施設のありかたや制度など、過去に大人だけで決めて作られたものを利用する当事者であるこどもたちを含めた市民が再構築して提案しみることを流山市で試みています。
一方で、地域の中でいろいろな人が集まるときに、利害が相反したり、共通のものが見つかりにくいということがよくあります。しかし、ものづくりやアートは誰の利害にもかかわらない一方、接してみると結構面白いとかんじられるので、今までばらばらで同じテーブルに着きようがなかった人たちを無理なく対話や協力へと導くことができる効果があります。
アートは「どうでもいいもの」。だからこそつなぐことができるのです。
まちづくりに活かしたい。
今回は市のまちづくりの中心を担う「まちづくり推進課」や「マーケティング課」の方々が10名ほど仕事の合間を縫って、またプライベートで休みの日にこのイベントにきてくれました。そこで共通項を見出したのは「流山市は市民と若い人とともにデザインしていく」という熱い思いでした。まちづくりにおきる摩擦やばらばらの関係性をつなぐヒントを今回見れた気がします。