遥かなるゲームマーケットへの道 〜 初心者が手探りで初出展を果たした話
はじめに
こんにちは、改めましてVIVITA BOARD GAMESです。
私たちは、2022年10月29日(土)/30日(日)に東京ビッグサイトで開催された「ゲームマーケット2022秋」に初出展しました。
この記事では、ゲームマーケット初心者である我々が出展に向けてどんな準備をしたのか、ゲームマーケット2022秋までの道のりを簡単にご紹介したいと思います。これからゲームマーケットに参加してみようかな、と考えている方の参考になれば幸いです。
あこがれのゲームマーケット
ゲームマーケットは“電源を使用しない”アナログゲームの振興と、ユーザの交流を目的とした「みんなでたのしく」過ごせるイベントです。
日本一のボードゲームの祭典と言われ、ボードゲームを愛する人々にとって憧れの場所。国内外から多様な出展者が集います。2022秋は春に比べ会場も広くなり、10月29日(土)は12,000名、10月30日(日)は9,000名、のべ21,000名が来場したとのことです。
VIVITA BOARD GAMESのメンバーにも、オリジナルのゲームが完成していくなかで「いつかゲームマーケットに参加してみたい」という思いが芽生えていきました。自分たちがつくった「たのしい」をよりたくさんの方に届けたい。2019年から活動を始めて3年超、満を持してゲームマーケット出展を決定しました。
とは言え何しろ初めてのことだらけ、右も左も分かりません。両日、または土曜か日曜のみの出展も可能で、今回より試遊ブースが復活するとのこと。来場者が多く人気なのは土曜日のようで、出展料も異なります。検討の結果、日曜のみ、試遊ありのブースで申し込みました。
ゲームマーケット大作戦始動
申し込みからしばらくして、ゲームマーケット運営から当選のお知らせ。
喜びつつも、ここから3ヶ月でゲームを商品として仕上げ、出展の準備をしなければいけません。プロジェクト管理が得意なクルーがスケジュールを引き、タスクを洗い出しました。
出展までにやらなければいないことを洗い出してみると、ざっくりこんな感じ。
ここから細かいタスクに分解し、何をいつまでにやるか活動の計画を立て、役割分担をします。
ちなみに、小項目のタスク件数は250件を超えました・・・。
オリジナルのゲームを開発しよう
ゲームマーケットに参加するにあたって、何はなくとも出展するボードゲームが必要です。
これまでにカタチにしてきた各メンバーのアイデアによるボードゲームに加え、「みんなで開発したい」というメンバーの希望で作り始めたボードゲームを完成させることにしました。
まず、つくりたいゲームのイメージを膨らませるため、アイデア出しのブレストをおこないます。
メンバー全員の合意のもと方向性が決まったら、
テーマ、コンセプト(世界観)
メカニクス、勝利条件、おおまかなルール
などを企画会議で固めていきました。
ゲームの全体像が見えてきたら、テストプレイ用の試作品をつくります。
テストプレイを繰り返してゲームバランスを調整し、詳細のルールを詰めていけば、ほぼ完成です。
出展する5つのゲームが決定
そして、ゲームマーケットに出展する5つのゲームが決まりました。
合わせて、ゲームマーケットの公式カタログに掲載してもらうブースカットを作成し、入稿しました。
そしてここから、商品化に向けてコンポーネントや説明書、パッケージのデザインやテキストを整えていきます。基本的にアートワークは子ども作家とVIVITAデザイナーのアオキさんとの共作ですが、中にはグラフィックソフトや3D CADソフトを習得して自らデザインを起こした子ども作家もいました。
デザインやテキストが固まり、それぞれのデータを起こしたら量産します。方法はいくつかありますが、VIVITA BOARD GAMESでは3つの手段で量産しました。
1.プロに依頼する
コンポーネントや説明書の制作は、萬印堂社さんにお願いしました。萬印堂は、日本有数のカードゲーム・ボードゲーム・タロットカード専門の印刷所です。とてもきれいな仕上がりで大満足です。
2.専門店に行く
パッケージ(箱)は既製品を活用することに決め、浅草橋の専門店に最適なものを探しに行きました。シモジマ浅草橋本店は包装用品、店舗用品、慶弔用品、事務商品を扱う専門店です。
それぞれのゲームのサイズに合わせた箱を仕入れました。
3.自分たちで手を動かす
そして最後に頼れるのはやっぱり自分。ひたすら自分たちで手を動かしました。印刷所から届いたコンポーネントや説明書を、仕入れた箱に詰め、パッケージしました。
そしてついに、商品が完成です!
コツコツつくりあげてきたアイデアがこうしてカタチになってみると、言い様のない感動があります。
情報発信してみんなと仲良くなる作戦
さて初出展のVIVITA BOARD GAMES、何と言ってもボードゲーム界における知名度はゼロです。ゲームマーケットまでに1人でも多くの人に知ってもらわなければいけませんし、他の出展者のことも知っておかなければいけません。
まず最初に、TwitterとInstagramのアカウントを開設しました。
Twitterは積極的な情報発信と情報収集のため、Instagramは情報の置き場所としての役割を目的にしました。なんとなくですが、Twitterのほうがゲームマーケットに関する情報が多く収集できそう、という肌感があったからです。
▶︎ YouTube
そして、今回特につくってよかったものは、各ゲームの遊び方を紹介する動画です。VIVITAデザイナーのmixさんが助っ人としてプロジェクトに参加し、動画を編集してくれました。「総力戦」の動画は間に合いませんでしたが、4つのゲームの遊び方動画を作成し、VIVITA JAPANのYouTubeチャンネル内にGAMESの再生リストを作成して掲載しています。
▶︎ note
また、我々の母体であるVIVITA JAPANのnote「VIVITA Production note」にあるGAMESのマガジン(この記事が掲載されているメディアです)に活動を紹介する記事を掲載しました。
▶︎ webサイト
最後に、ゲームマーケット公式サイトにVIVITA BOARD GAMESのページを開設。自前のサイトをつくる計画もありましたが、今回はそこまで手が回らない・・・ということで、このページを充実させることに注力しました。
おかげでうれしいことに、Twitterなどで事前にVIVITA BOARD GAMESのことを知りブースに足を運んでくださった方も複数いました。もう少し上手な情報発信ができていたら・・・と思う部分もありますが、それは次回に活かしていきたいと思います。
目をひくブースを設計しよう
まずはテーマとコンセプトを決め、レイアウトを考えました。今回のテーマは「おまつり」に決定。親しみやすく、立ち寄りやすいブースを目指します。
平置きするより立てて展示したほうが視認性が良いので、組み立て式の段ボールひな段を使いました。
おまつりの楽しいムードを演出するためランタンやガーランドを吊り下げ、「VIVITA BOARD GAMES」をのれん風に吊るすことにしました。また、予定していませんでしたが、タイミングよく「VIVITA」ののぼりが余っていたので拝借。
なお掲示物は「床からの高さは 210cm 以内であること」「幅は 90cm 以内であること」などいくつかの制限があるので要注意です。
そしてプロジェクトや各ゲームを紹介するパネルやPOPを作成。
呼び込みのためのフライヤー、購入者や購入検討者にお渡しするショップカードも作成しました。ショップカードは子ども作家が名刺がわりに使うことも想定しています。
そして迎えたゲームマーケット当日
搬入は宅配便でも可能ですが、我々は今回、車を使いました。ボードゲーム事務局に事前に車輌証の発行を申請しておく必要があります(有料)。
台車は貸し出してもらえないので、車輌証とともに忘れずに車に積みましょう。そして絶対に忘れてはいけないもの、それは出展者証と出展確認カードです。ついでに電源もありませんので、モバイルバッテリーもお忘れなく。
また、おつりですが、売れ行きがまったく読めないので5万円分(5000円札 5枚・1000円札 20枚・500円玉 10枚)用意しました。しかし蓋を開けてみると売上で入ってくるお札でおつりを出せたので、あまり出番はありませんでした。3万円分くらいでも良かったかもしれません。
その他、ブースに持ち込んだものです。割とどれも役に立ちました。
そしてこちら、完成したブースです。
ランタンに灯りを点けてみたら祭壇のようなムードを醸し出してしまったので、イベント中は消すことにしました(笑)。
VIVITA BOARD GAMESのメンバーは何故かみんな、どちらかというと普段は口数が少なめなんですが・・・、当日は子どもたちがゲーム作家として自分たちのゲームを積極的にアピールしてくれて、うれしい驚きでした。
その甲斐もあり、試遊のブースではたくさんの来場者に遊んでいただきました!
当日の様子は、こちらの記事もご覧ください!
さすがに完売とはいきませんでしたが、初出展、知名度ゼロのスタートにしては上々の売れ行きだったのではないでしょうか。
何より、自分たちでつくった「たのしい」をたくさんの人に届けることができたことは、VIVITA BOARD GAMESのメンバー全員にとって何にも変え難い経験となりました。
初めてのゲームマーケット出展は、楽しすぎてあっという間の1日でした。
ご来場くださった皆さま、ご購入いただいた皆さま、応援してくださった皆さま、ありがとうございました!
VIVITA BOARD GAMESは今後もたくさんの「たのしい」を生み出し、世界中にお届けしていきます。
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