調査結果は活用するチームの用途に応じてまとめ方を考えるべきだと思った話
初めに
こんにちは!株式会社vivion UXリサーチチームの古澤です。
皆さんは調査結果をどのようにまとめていますでしょうか?
今回は、UXリサーチの結果をまとめ直した経験をもとに、調査は相手の用途と目的に合わせてまとめ方を分けて考える必要があると考えたので共有します!
調査は用途別でまとめ方を分けて考えよう
早速ですが、私は調査は相手の用途別にまとめ方を分けて考えるべきだと思っています。
用途とは、リサーチを通じて何を知りたいのか、知ったうえでどういった行動につなげたいのか、などです。
用途別にまとめ方を分けて考えるべきだと考えた理由は、相手の用途に合わせて作らないと調査自体見られなくなってしまうからです。
具体例のご紹介
具体例として、あるチーム(以降Aチームと呼びます)に関わっているリサーチ結果をまとめ直した業務をご紹介します!
私はこの業務を通じて、調査は用途別にまとめ方を分けた方が良いと考えるようになりました!
当時のAチームの状況、背景
まず、当時のAチームの状況についてご説明します。
Aチームでは、様々なUXリサーチを実施し、課題がどこにあるのかは把握できていました。しかし、出てきた課題の中で、どれを優先して取り組むべきかの判断が難しい状態でした。
そこで、今回、リサーチ結果を改めてまとめてほしいという依頼を受けました。(すでにリサーチ結果はまとめられていましたが、あまり活用されていなかったようです)
どのように業務を進めたか
そのため、まずはAチームの利用用途を整理し、今までのリサーチまとめではどうして活用されていなかったのかを把握した上で、Aチームの利用用途を満たせる形でリサーチ結果をまとめ直しました。
Aチームのリサーチ結果の利用用途
Aチームの方にヒアリングを行った結果、Aチームのリサーチ結果の利用用途は「解決に取り掛かれそうな課題はないか確認する」「課題の解決優先度を決めて管理する」と言ったものだとわかりました。
これらの利用用途を満たすためには、「リサーチからわかった課題を一覧的に把握する」ことが前提として必要だと思います。
利用用途と前提を図解化すると下記のようになります。(図1)
今までのまとめが活用されていなかった理由
Aチームのリサーチ結果の利用用途を整理したことで、これまでまとめが活用されていなかった理由が明らかになってきました。
それは、従来のまとめがAチームの利用目的に合っていなかったためです。
今までのまとめでは、リサーチから導き出された課題が複数の箇所に散らばっており、「リサーチからわかった課題を一覧で把握する」ことができていませんでした。
用途に合わせた形でまとめ直しました
以上の内容を踏まえ、Aチームの用途に合わせた形で新たにリサーチ結果をまとめなおしました。
まずは前提となる「リサーチからわかった課題を一覧的に把握する」ことができるようにしました。
リサーチの結果わかった課題をmiro上で整理する(図2)ことで、前提を満たせるようにしました。
オレンジ、黄色、白などの付箋がリサーチから出てきた課題になっています。
このまとめを見ることで一覧的に把握することができるようになったため、それぞれの利用用途を満たすための前提を満たすことができました。
次に、利用用途に合わせた形でより使いやすくしました。
課題それぞれをどういったタイミングで、どの画面で発生しているのかをわかる形でまとめる(図3)ことで、画面Aに対する改善をしようとしているタイミングで画面Aで発生している課題を確認し、解決に取り掛かれそうな課題がないか確認することができる様になりました。
これにより、画面Aに対する改善をしようとしているタイミングで画面Aで発生している課題を確認し、解決に取り掛かれそうな課題がないか確認できるようになりました。
そのため、課題の解決優先度が決められるようになりました。
🔹解決優先度を決める流れ
特定のタイミング(または画面)に問題が集中している
ユーザーが特に不満を感じているタイミング(または画面)が特定できる
優先して解決するべきタイミング(または画面)がわかる
課題の解決優先度が決められる
また、解決した課題の優先順位を付箋の色で管理できる形でまとめています。(図4)
これにより、解決優先度を決めた課題について一目でわかる形で管理することができるようになります。
まとめ直した結果、利用していただけるようになりました!
結果的に、新しく作成したリサーチまとめは、Aチームが施策を実施する際に定期的に確認していただけるようになりました!
また、「どの課題が解決済みで、どの課題が対応中なのかがわかるようにしてほしい」という追加の要望もいただきました。この要望は、実際にリサーチまとめが活用されている証拠だと感じています。
まとめ
以上の業務から、調査は相手の用途と目的に合わせてまとめ方を分けて考えるべきであると思っています。
この経験をもとに、これからはリサーチするときだけではなく、リサーチの結果のまとめも相手の立場に立って考え、作成していこうと思います。
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