見出し画像

Under the rose個展|ミラの星を胸に、きらめきの拍手の中へ

 クジラ座の胸に輝くミラ。「ふしぎなもの」という意味を持つ星に見守られる庭。光が強まったり弱まったりする度に、現実と空想の世界が縮まったり離れたり。

 そんな不思議な世界を作り出すUnder the roseさまの記念すべき初個展が、星のきらめきの拍手が溢れるなか、幕を上げました。

 動植物たちが、ワルツのように軽やかに集まってくる。ひとつずつ手縫いで制作されているビーズやスパンコールで着飾ったアクセサリーをお楽しみください。

 今日は何か素敵なことが起こりそうで、くちびるに薄く紅を差していると、鏡の先にきらめく何かが飛んできた。急いで振り返ってみれば、庭に咲いている丁香花(ハシドイ)の木の下に、それはそれは美しい2匹の昆虫がいたーー

 丸々とした身体は、手触り優しいベロア生地で制作されています。中央のビーズが、小さな魂のように力強く光る。
 襟元にビーズを着けて着飾った茶目っ気たっぷりの姿。一匹はサファイア色の羽を持ち、モーヴを帯びた瞳が厳かな態度で舞踏会へと誘います。

No.36「ハクカハシドイ」

 片方は、ラベンダー色の身体に深い紫のビーズが並びます。

No.7「ムラサキハシドイ」

 お気に入りのお洋服に留まってくれれば、夢のようなどこかへ向かう勇気を与えてくれるブローチです。

 足元の緑を避けながら、脚は軽やかにステップを踏む。ひとりだけのワルツは、夜の灯が照らし出す昆虫たちを追いかけた。

ブラン

 月が真上に架かるテラスは、どこよりも鮮やかに輝いていた。そこには、繊細なガラスのように薄い花弁が折り重なる薔薇が咲いている。

モーヴ

 予感めいて差した口紅と同じ色。ブラン・モーヴ・リュビ。今宵ワルツを踊るなら、どの薔薇が一番、私を映えさせる? 薔薇に頬を寄せてみれば、聴いたことのない、初めての音色がくちびるから流れ出す。

リュビ

 花弁にはビーズで描かれた蝶が堂々と舞い、花の芯には繊細なシフォンが少しずつ色調を変える。青々とした若々しさだけでなく、金色に装飾された葉が柔らかなエレガンスで魅力します。

 Under the roseさまの優しい眼差しが紡ぎあげてきた世界に、たくさんの動植物が引き寄せられ息づく。どこか奇妙だからこそ心を奪われる。そんな「美」を体現するアクセサリーを身に付け、初夏の凛とした風に纏われる2シリーズです。

Under the rose | ビーズ刺繍アクセサリーブランド →Twitter
碧い茨に隠された『秘密』(Under the rose)という名の宝飾店。
月が差し込む硝子ケースの舞台には 天鵞絨で着飾った
多様な動植物が集う ミラの星が輝く晩
仮初の自由を手に 一夜限りの宴が始まる…  
「空想宝飾店」をテーマに、昆虫をはじめとした動植物のアクセサリーを制作・販売しております。ビーズ刺繍で着飾った、華やかで不可思議な世界をあなたに。

維月 楓|詩人・英米文学研究者・翻訳家 →Twitter
幼少期より言葉が織りなす世界に魅了され、現在は詩作を行いながら英米文学の研究を行う。古今東西の女性詩人の作品を読み解くことを通して、彼女たちの人生の軌跡に敬愛を捧げている。また、モーヴ街の図書館《モーヴ・アブサン・ブック・クラブ》では司書を務めている。



作家名|Under the rose
作品シリーズ名|ビーズ刺繍の昆虫ブローチ No.7「ムラサキハシドイ」

フェルト・スウェード・ベロア・ガラスビーズ・フレンチワイヤー
作品サイズ|約5cm×5cm/約10g
制作年|2023年(新作/デザイン発表2021年)
*オンラインショップに別ショット画像掲載中(以下同)

作家名|Under the rose
作品シリーズ名|ビーズ刺繍の昆虫ブローチ No.36「ハクカハシドイ」

フェルト・スウェード・ベロア・ガラスビーズ・フレンチワイヤー
作品サイズ|約5cm×5cm/約10g
制作年|2023年(新作/デザイン発表2021年/新色)

作家名|Under the rose
作品シリーズ名|ビーズ刺繍の薔薇のブローチ No.26「トルバドゥール」(3色)

ブラン・モーヴ・リュビ
フェルト・スウェード・ベロア・ガラスビーズ・フレンチワイヤー
作品サイズ|約8cm×4.5cm/約8g
制作年|2023年(新作/デザイン発表2022年/リュビは新色)

ブラン
モーヴ
リュビ

↓モーヴ街MAPへ飛べます↓

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集