家族の本棚は発見の入り口だと思う。
家族でぶらり散歩していた時、子供がある建物を指さし一言。
「あれ、バウハウスだ!」
唐突な一言と、普段会話に出てこない単語に驚く我々をよそに
「ほら。あのベランダの感じ。そうだよ!バウハウスだよ!」
なんて嬉しそうに説明している子供。
あぁ。そうかぁ。と一人納得したのは私。
数年前に買った「バウハウスってなあに?」が確かリビングにある
「家族の本棚」にあったなぁ、と。それを最近読んだのか。
バウハウスの話しをしながら、「あれ、っぽいよね。」とか「あれは違うねぇ。」なんて話しながら。子供は夫に説明しながら。とても嬉しそう。
そして一言。「おもしろいねー。」
いやぁ。これよこれ。と。
我が家はリビングに5段(夫。私。子供。レシピ集。なんでも系。)の
そんなに大きくはない本棚を置いている。
夫の仕事部屋と子供の部屋にもそれぞれ本棚はあるけれど、これは「今読書中」「次読みたい」そして「ふ」と手に取ってみたくなる。がテーマの入れ替え制の家族の本棚。それがいい感じに活用されている事を実感した。
私の両親は本好き。
小中高の頃に読んでみたいな。と思う本はだいたい揃っていて
気になったらすぐ手に取れる環境があった。
画集なんかもあったりしたので、暇つぶしにただ眺めたり。
それが大人になって、海外の美術館へ行ったりすると
「見たことあるな」とか「知ってるわ。これ」とかって事が増える。
そしたら今度はその画家について、画家同士のつながりについて。などの興味の幅が広がっていく。って好循環に気が付けばハマっている。
そんな事が自分自身の体験としてあったので
子供が同じ様に楽しみながら知っていく。を体験している事が嬉しかった。
まさに発見の入り口。
ようこそ!いらっしゃいましたねー。的な。
自分が知らなかった楽しさを教えてくれる本。
自分の親が興味を持つ世界を教えてくれる本。
自分を知るために必要な事を教えてくれる本。
素晴らしすぎる本。
夏に実家へ帰省した時。
父が「久しぶりに読んだらこんなの出てきたぞ」と
一枚の古びた紙切れを出してきた。
なんと私が高校生の時、父に書いた手紙。
手紙と言っても、数行のメモっぽい感じではあったけど
懐かしさと、驚きと、こんなの書いたんだ。って気恥ずかしさと。
だから場所は取るし、重いし、持ち歩くの大変だけど私は紙の本が好き。