5分でレーサムの企業財務分析評価
挨拶
このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回はレーサムを解説していきます!高配当株としてランキングに載っていますが、その実情を分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!
企業概要
レーサムは1992年に不動産による資産運用及び資産形成コンサルティングの会社としてレーサムリサーチを設立したところが始まりです。現在はOasis managementと言う香港のヘッジファンドの傘下になっています。決算月は3月です。
事業内容
レーサムの事業は下記の3個の事業に分けられています。
資産価値創造事業
資産価値向上事業
未来価値創造事業
大層な名前の事業ですが、順に見ていくと資産価値創造事業は不動産を調達し、それを利用した投資商品の販売を行っています。なのでメインで売買しているのは不動産ではなく、不動産関連の投資商品と思ったほうが良いでしょう。
資産価値向上事業は賃貸管理や建物管理を行い収益改善を目指す事業です。
未来価値創造事業はホステル運営やガスエンジン発電機の開発、販売、病院への支援等色々行っています。規模的に考えるとその他の事業と考えてしまってもいいかもしれません。
人員について
レーサムの従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数214人の会社です。規模はそこまで大きくありません。その他の事業として扱われそうな未来価値創造事業ですが従業員数は一番多いです。これはホステルの運営等である程度人が必要だからだと推測できます。その次はやはり資産価値創造事業です。
働きやすさについて
現在注目されている女性管理職の割合や男性の育休取得率ですが、レーサムの女性の管理職割合は23.9%です。台湾ヘッジファンドの傘下だけあって女性管理職の登用は進んでいるように感じます。男性の育休取得率は公表義務の対象ではないので記載していませんが、女性管理職の割合だけ記載しているのが少し気になりますね。今後の女性管理職割合や男性の育休取得率のさらなる改善に期待したいところです。
レーサムの収益構成
レーサムは収益約940億円です。その内90%以上の約860億円が資産価値創造事業の売上です。不動産を自分たちで購入して、その不動産を使った投資商品を顧客に販売することによって稼いでいると評価できます。また、売上の90%以上が国内なので海外ではあまりビジネスを展開していません。
2022年度と比較すると売上は約40%増加しています。直近5年間ではコロナ禍で売上が一時的に下がりましたが、すぐに持ち直しました。そして2023年度は直近5年間では最高の売上になっています。
レーサムが購入している不動産は主にBtoB向けでオフィスや商業施設、物流施設と多岐に渡ります。ですが、マンションや家等の不動産はメインではなさそうです。場所も首都圏、広島、京都と様々な地域の不動産に投資しています。
営業利益と当期純利益
収益が増加しているのも重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
レーサムの営業利益は約23%です。利益率はかなり高い方ですね。2022年度と比較しても利益率は上がっており、売上と両方改善しているという投資家に取っては嬉しい結果になっています。メイン事業の資産価値創造事業でしっかりとセグメント利益を出すことができています。
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