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5分でコーセルの企業財務分析評価


挨拶

このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回はコーセルを解説していきます!高配当株でもあるこの企業の実情を約3,000文字(読む時間5分)で分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!またメンバーシップを始めました!過去の有料記事から最新記事が全て読み放題なので気になる人は是非!初月無料です!

企業概要

コーセルは1969年に電子部品、電子機器製造販売を目的にエルコー株式会社として設立されたのが始まりです。1971年に標準電源の製造販売を開始し現在まで電源を製造販売しています。コーセルの会社名になったのは1992年からです。決算月は5月です。

事業内容

コーセルの事業は下記の5つの事業に分けられています。

  1. 日本生産販売事業

  2. 北米販売事業

  3. ヨーロッパ生産販売事業

  4. アジア販売事業

  5. 中国生産事業

コーセルは生産、販売地域によって5つに分かれています。北米は販売事業のみで生産は行っていないようです。生産販売しているのは基本的に電源やノイズフィルタです。

人員について

コーセルの従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数721人とそこそこ大きい会社です。約65%の従業員が日本生産販売事業に従事しています。人員構成からすると日本で多くの売上を上げている印象ですが、実情を分析していこうと思います。

コーセル従業員数

働きやすさについて

現在注目されている働きやすさですが、コーセルはグループ会社も多いので単体のデータを見てみましょう。女性の管理職は5.2%と割合がかなり低いです。男性の育休取得率は86.7%と高く、育休の取得には力を入れていそうです。平均勤続年数が17.2年と長く、平均年齢も40歳以上なので長く働き続ける人が多いようです。平均年間給与は十分と言えるでしょう。

コーセル多様性指標①
コーセル多様性指標②

コーセルの売上構成

コーセルは売上高約410億円の企業です。その内約6割以上の売上を日本生産販売事業で稼いでいます。やはりコーセルのメイン市場は日本の様です。2022年度と比較すると売上は約17%増加しています。2022年度に売上が減少していますが、すぐに持ち直し、毎年増収を達成し2023年度は直近では最高の売上になりました。
要因としては部品調達難の解消により受注残になっていた分を生産、販売できた点が大きいです。部品調達難によりコーセルの電源、ノイズフィルタが長納期になったため、様々なメーカーがコーセルの電源を大量に先行手配していました。2023年度は部材調達難が解消されて先行手配されていた分を販売することができ売上が伸びたようです。
ですが、一方で受注残は2022年度の半分以下なので2024年度も同程度、それ以上の売上規模があると過度に期待するのは禁物です。あくまでも2023年度に特需があったと考えるのが妥当です。顧客が大量に先行手配をしているということは顧客の製品が売れなかった場合、顧客が購入したコーセル製品は在庫として残るので次回の発注が中々来ず、売上も立たないというリスクがあります。

コーセルセグメント別売上

営業利益と当期純利益

収益の増減も重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
コーセルの営業利益率は約16.6%です。メーカーとしては高利益体質と評価できます。売上が増加している分、利益額も増加しています。その理由は

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