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『あなたの子どもは』 詩の紹介 赤ちゃんのいる暮らしより

おすすめの詩
『あなたの子どもは』

カーリル・ギブラン
霜田静志訳

引用『赤ちゃんのいる暮らし』

出典 毛利子来著 『新版赤ちゃんのいる暮らし』 筑摩書房 1998年


この本は、我が子が産まれる前に購入しました。

この本にはいくつか詩が掲載されています。

今回は詩の紹介です。
『あなたの子どもは』
という詩です。

我が子を育てる上で、この詩は私のバイブルでした。(いつも左胸のポケットにこの詩をしまっている感じ)

いつも、この詩が私を制し、励ましてくれました。

子育ての目的子どもの自立です。

子どもが親から独り立ちして、生き抜いていけるよう育てます。

その大切な視点が書かれていました。

ひとりの人間として尊重されるべき子ども。

この詩の、子育てをする親の考え、姿は初めて出会うものでした。

この世に生まれて、私のところにきてくれた。
そして、いつか私から巣立っていく子どもたちは、

私のものではない。

それを教えてくれる詩です。

今回この詩に合わせて曲を選びました。美しい音楽とともにご覧いただけると嬉しいです。

Andre Gagnon - Chanson Sans Paroles (YouTubeから引用)

あなたの子どもは
       カーリル・ギブラン
       霜田静志訳


あなたの子どもはあなたの子どもではない。
子どもは「生命」の渇望からの子どもである。
子どもはあなたを通って来る。
しかしあなたからではない。
子どもはあなたと共にある。
しかし、子どもはあなたのものではない。

あなたは子どもに愛を与えることができる。
しかし考えを与えることはできない。
子どもは自分の考えをもっているのだから。
あなたは子どもの体を動かしてやれる。
しかし子どもの心は動かせない。

子どもは明日の家に生きている。
あなたはそれを訪ねることも、夢みることもできない。
あなたは子どもを好くようになれるだろう。
けれど子どもがあなたを好くようにならせようとはしなさるな。
人生は後に退き昨日にとどまるものではないのだから。

あなたは弓である。
そしてあなたの子どもらは
生きた矢としてあなたの手から放たれる

弓ひくあなたの手にこそ喜びあれと

出典 毛利子来著 『新版赤ちゃんのいる暮らし』 筑摩書房 1998年


卒業式で、誇らしげに入場してきた子ども。

運動会のリレーでは思いっきり走った。

試験勉強では夜中まで机に向かう姿があった。

習い事では、頬を赤くして誰よりも最後まで残って練習した。

子どもはそんなひたむきな姿を見せてくれました。

いつしか、大学の卒業式で袴がとても似合う綺麗な娘に。

そして、スーツを着て社会人として家を出ていった。

そんな我が子を誇りに思う。
私の放った弓から、これから、社会の中で生き抜く矢として。

そして、いつもいつまでも子どもの幸せを願っています。

よちよち歩きをはじめたばかりの子どもは、何度も何度も転びました。

それでも、自分で起き上がって歩く姿、にこにこ笑う姿が、懐かしくもとても遠い昔のようです。

子どもの人生の黒子として、私の人生はより深く彩りのあるものになりました。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

私が目指しているのは共生社会です。

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