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私は、時々無料の電話相談を利用させてもらっています。

毎日が綱渡りのような日々でした。
スクールソーシャルワーカーの伴走がありましたが、日々の変化に自分では整理ができなくて、頭の中でぐるぐると答えも見つからず、負の気持ちの悪循環に至ることもしばしばありました。

どうやって生きていったら良いのだろう。
そんな日々でした。

そのような時は、仕事の昼休憩や夕方に家に帰った後など、電話での相談を利用しました。

こちらも匿名ですので、要点をまとめてお伝えする。
一期一会の機会です。

最初で最後の電話相談です。
様々な人に出会いました。

⚫︎以下のように話す人がいました。
「あなたは、生きてるだけで素晴らしい。あなたはそこに存在するだけで尊いんだよ。」

これは、自己肯定感を高めるためのメッセージですが、ただ虚しく感じました。

⚫︎質問ばかりをしてくる人がいました。「どうして?」「なんで?」

私は何も答えたくなくなり、防御したい気持ちが強まりました。

⚫︎提案をしてくる人がいました。
「こうすれば良いでしょ」「こんな風にしてみたらどう?」

私は自分の考えを持っており、自ら解決策を導くための機会が欲しかったのです。

⚫︎自己理解を促す質問をしてきた人がいました。
「ところであなたは他人のことを色々と言っているけれど、自分をどんな人間だと思っているの?」

批判や攻撃をされたと思い、その後その人と話す気持ちはなくなりました。

⚫︎指示や価値の押し付けをしてきた人もいました。
「会社の利益を考えたらあなたがそれに従うべきでしょ。」

これには驚きました。非指示的アプローチは基本ではないでしょうか。

その際は、電話を終了させていただきます。
電話によって苦しみが増すことを避けるためです。

匿名の短時間の電話相談では、相手が見えないので声のトーンや話す速度、傾聴、受容と共感、沈黙等、声の抑揚や小さな非言語的なコミュニケーションが相手により伝わります。
それはすぐに分かるものです。
話してもいい人かどうか。

耳から聞こえてくるのは、その人が理解してくれようとしているのか、聴いているのか。
そして、その人そのものが聞こえてきます

私が最も記憶に残っている電話相談がありました。

高齢の男性でしたが、私が行き詰まっている状況に対して、アドバイスをくれました。

「こうだからこうなんだ。だからこうしたら良い。」
のようなものです。

その時、私はとても落ち込んでいて、これは電話を切った方が良いのかと思った瞬間に、その男性が歌を歌い出しました。

讃美歌
「いつくしみ深き」

歌は決して上手ではなかったけれど、その声に込められた感情に心が動かされ、慰めを受けました。

歌に込められた男性の思いと祈りが私に響きました。
私は、自然と涙が出てきました。

私の苦しみを少しでも分かってくれた人がいて、その方自身で私を慰め励ましてくれた

これは、カウンセリングの技法にはないかもしれません。
しかし、私はこのように人とのつながりによって希望を見出すことができました

この一期一会の出会いは、私の大切な思い出となりました。

そして、これは私に気づきをもたらしてくれました。
対人援助を行う自分は「人としてどうなのか?」ということです。
スキルも大切だけど、「苦しみのただ中にあるからこそできることがある。」のではないかと。
出会いがもたらす励ましや癒しは、決してスキルからだけではないということです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
私が目指しているのは孤立のない共生社会の実現です。


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