「生きることって」ーフランクルのそれでも人生にYESと言う
この記事では、NHKの番組(YouTube)や書籍を通じて、耐えがたい苦しみの中でも希望を見出し、生きる意味を求め続けたヴィクトール・フランクルの人生と思想について紹介しています。
1.絶望のどん底に落ちたとき、私たちはどう生きるか?
私たちの人生には、時に「もうここまでか」と感じる瞬間があります。
精神科医のヴィクトール・フランクルは、ナチスの強制収容所という過酷な現実に直面しながらも、「それでも人生にYESと言う」という強いメッセージを残しています。
どんなに困難な状況でも、人生には必ず意味があり、その意味を見出すのは自分自身の責任であるという彼の考えは、今なお多くの人々に勇気を与え続けています。
⚫︎NHKからの引用
だめだと絶望しそうになっても “それでも”生きる意味はある『夜と霧』著者・精神科医の人生と思想、こころの時代、NHK、4月21日、2024年
◎NHKの番組で講師の勝田茅生さん(日本ロゴセラピスト協会会長)は以下のように話しています。
2.どんな人間にも備わっている自己治癒力
梶田さんは、絶望や悲しみを経験した人でも、自己治癒力によって自らを癒し、充実した生活を送る力を持っていると言います。
大きな打撃を受けた人を助けるのは、実はその人自身の中にある精神的な力だと説明しています。
3.生きることは問いに答えること
人生の意味について、フランクルは、書籍で次のように述べています。
人生の中で投げかけられる様々な問いに、どのように向き合い、どのように答えるかが、私たちの生き方を形作るのです。
4.戦いを放棄しない—フランクルの教え
フランクルは、人生の厳しい現実に直面したときでも、「戦いを放棄しない」ことの重要性を訴えています。
彼は自殺の無意味さを訴え、人生には常に意味を見出すことができると説きます。その意味を見つける責任は私たち自身にあるのです。
5.困難を乗り越えて成長する
フランクルの著書には、私たちが不幸や困難を乗り越えることで成長できるという教えが記されています。
ドイツの詩人ヘルダーリンの言葉を引用し、「自分の不幸を足元にするとき、私は一層高く立つ」と記しています。
困難にどう向き合うかが、その人の本質を表し、意味ある人生を築くことができるのです。4)
最後に
私は、フランクルの教え、そしてヘルダーリンの詩にも共感しました。
時には、不幸な運命に、振り払っても降りかかる火の粉に対して、何の意味があるのかと投げ出したくなる時があります。
「なぜ私だけがこんな目に遭うのか」と思ったこともありました。
それは人生からの問いかけであり、私たちはそれに答えていく必要があると理解しました。
また、それは人生からの要求であり、果たさなければならない責務でもあります。
これは私にとって一度きりの人生であり、私だけのものです。
たとえ困難な状況にあっても、人生を肯定する「イエス」という言葉と、自らに備わる自然治癒力を信じ、この問いに一つ一つ答えていきたいと思います。
「より一層高いところに立つ」
これは、容易な状況ではなく、困難や試練を乗り越えて達成されるものです。
そう考えると、私の人生は「より高い場所に立つことができる人生の方が幸せである」と教えてくれました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
私が目指しているのは孤立のない共生社会の実現です。
参考文献
1) V.E.フランクル著 山田邦男ほか訳 『それでも人生にイエスと言う』 春秋社 2024年、57頁
2)同上、45頁
3)同上、46頁
4)同上、40頁
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