技術士 ~ 何回受けても受からなくて困っている人へ ~
はじめに
ここでは、本気で技術士に受かりたい! 何度受験しても一向に受からない・・・、という方に、おすすめの文章の書き方をご紹介します。
勉強はしているのになかなか受からない、経験も知識も問題ないはずなのに、得点が上がらない人は、ここに書いたコツをつかむことで、合格の可能性がぐっと近づくはずです。
全分野の技術士に共通するアドバイスとなりますので、技術士受験予定者は、是非、実践していただきたいと思います。
私が技術士合格のコツに気付いた経緯
私は、技術士(建設部門 建設環境)の試験に4回目の受験で合格しました。
1回目は、どんな試験なのかを体験するために、あまり勉強しない状態で受験したため、不合格は目に見えていました。
もちろん1回目の不合格に悔しさはありませんでした。
そして2回目、3回目、試験内容や出題傾向を自分なりに細かく調べ、本気で受験勉強しました。
しかし、結果はいずれも不合格でした。
2回の挑戦の際は、本気で受験勉強しただけに、結構悔しかったのを覚えています。
そして3回目については、答案内容として、まあまあ書けていた、という自信があっただけに、なんで合格しなかったのだろう?と本気で悩みました。
幸運にも、私の身近な知り合いに、文章のプロフェッショナルともいうべき、弁護士さんがいました。
そこで、その弁護士の方に、私の答案を一度見てみて!と無理やり査読を依頼してみました。
その弁護士の方、当たり前ですが、専門外の資格試験の答案のため、当初はあまり乗り気がしない感じでしたが、一応は見てくれることになりました。
しかも無料で!
いやー、悪いねー、なんて言いながら、3回目の受験の際の答案を見せたところ、本当にざっと斜め読みしたくらいで、私の答案をポイっと投げ捨て、「読む気がしないね」と一言。
いやね、確かにね、無料で、しかも無理やり査読をお願いしたのは私ですから、どんなことを言われても、真摯に向き合うべきってことは、頭では理解していましたが、頭がかっとなりかけて、思わず喧嘩を吹っ掛けてしまうところでした。
正直なところ、「その分野に精通した私が書いた文章を、その分野のことを全く知らない弁護士であるあなたには理解できなくても仕方ないですね」、みたいな、拗ねた気持ちでいっぱいでした。
ご好意に甘えて見てもらっているのにも関わらず・・・。
辛うじて喧嘩腰のそぶりは押さえ、「うう・・・、そんなに私の原稿、ひどかったですか?」とお聞きしたところ、
その弁護士さん曰く
「そもそも文章の書き方がなっていないので、採点する人は、この答案を読む気になれない。多くの答案を読まなければならない採点者に、最後まで読ませる文章を書かなければ、合格には程遠い。たとえ、最後まで読んでもらえたとしても、書き手側が本当に書きたかった内容が、採点者にきちんと伝わらなければ意味がない。技術士という専門的な資格試験を受験する人達であれば、恐らく知識や経験を豊富に持っている人が多いはず。しかし、そんな専門知識を持った人たちが毎年受験しても10人に1人しか合格していない、ということは、恐らく、受験者の答案の中には、十分に合格するだけの内容であっても、試験官に、答案を最後まで読んでもらえていない場合が結構あるのではないか、内容がきちんと伝わっていないために、不合格になっているのではないか。」
と・・・。
この言葉を聞いた時、「なんとまあ! 言い方は無性に腹立つけど、これは技術士合格を目指す人にとって、ものすごく重要なポイントかもしれない!」と感じたのを覚えています。
それまでの私は、ひたすら環境白書や国土交通白書を読み込み、最新の世の中の問題や課題について考え、課題の抽出、解決策の提案など、実践的な練習に取り組んできました。
また、それまで日々の仕事の中で培ってきた業務経験を鑑みて、直面した課題に対してどのように具体的に解決してきたのか、ということばかりに目を向けていました。
確かにそれらの努力は間違っていなかったと思います。
OJTで培ってきた経験に加え、最新の知識を身につけたのですから。
技術士を受験される多くの人が、同様の勉強をしてきていることでしょう。
しかし、そこにもう一つ付け足さないといけないことがあったのです。
それは、読み手を想像して答案を書くことでした。
技術士に合格するためには、それぞれ専門分野における知識と経験、課題抽出力、課題解決能力は必須ですが、それらに加えて、読み手が読む気になる文章を書くことが、実はとても重要です。
私は、このアドバイスを元に、文章の書き方を大きく修正し、練習問題を解きまくりました。
その結果、3回目の受験で、技術士の試験に合格することができたのです。
技術士合格のための文章の書き方
では、具体的にはどうすれば読み手にとって読みやすい文章となるのか。
弁護士さんに教わった具体的な5つのコツをお教えします。
コツ①:一つの文章の中で、主語と述語を明確に示すこと
これ、本当に当たり前のことなんですが、技術士に何度チャレンジしても合格しない人の多くは、結構この当たり前ができていないのです。
分かりやすい文を作るためには、主語を省略してはいけません。
主語はその文章の主体であり、述語は主体の説明なのです。
そのため、どちらか一方がないと、説明不足な文章となり、内容が伝わりません。
コツ②:主語と述語の位置をあまり離さないようにすること
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