双子のパパの韓国育児記録(No.4)〜産後ケアセンター体験
韓国ではママは出産後数日間病院で過ごし、その後産後ケアセンターに入所することが多いようです。韓国人のワイフに聞くと、彼女の出産した友人達も特別な事情がない限りは入所しているとのことです。私達夫婦も双子を出産後2週間ほど産後ケアセンターで過ごしました。今回は韓国の産後ケアセンターでの生活を紹介します。
産後ケアセンターは①出産後の母体の回復のサポート、②新生児のケア、③育児指導といったことを目的とした施設です。出産した病院に併設されていることが多いようです(独立した施設もあります)。数年前に産後ケアセンターでの生活を面白おかしく取り上げた『パンドラの世界 ~産後ケアセンター~』という韓国ドラマが日本でも放送されましたが、施設の雰囲気やママ達の生活の様子、パパ達の居場所のなさはこのドラマによく描かれていると思います。
私のワイフは大学病院で出産し、そこには産後ケアセンターが無かったため、大学病院近くの産後ケアセンターに入所しました。男子禁制の施設も少なくないようですが、私達が利用したところはパパがいても良いとのことで私も産後ケアセンターで2週間を過ごしました。もちろん男性は授乳室には入れませんし、食事も基本的には提供されません(数回は基本料金内で提供され、必要があれば追加料金を支払うことでパパ向けの食事が提供されます)。
私達の双子は未熟児で生まれNICUに入りましたので、私達夫婦と産後ケアセンターで過ごす時間はほとんどありませんでした。私達夫婦は前述の「①出産後の母体の回復のサポート」のために産後ケアセンターを利用したことになります。
産後ケアセンターでの毎日は概ね次の通りでした。
・3時間毎の搾乳。赤ちゃんと入所しているママは呼び出しがかかると授乳室に行って授乳。
・食べて食べてまた食べる。朝食、朝の間食、昼食、おやつ、夕食、夜食…、消化する間も無く食べ物が提供されます。
・午後は講義と演習。授乳やオムツ交換、沐浴等の授業があります。参加は任意です。
・赤ちゃんとの面会。ガラス越しの面会です。
その他、以下のサービスが受けられます。
・マッサージ師によるマッサージ(2回まで無料)
・施設内マッサージ機器は使いたい放題
・体調や育児の相談
・併設される病院の利用
・洗濯機は日中は自由に使用可能
施設の規則はそれ程ありません。ママは一定の時間帯は外出も可能ですが、コロナ対策で戻ってから48時間は赤ちゃんと接触することができません。パパは特段のサービスの提供も制限もありませんが、基本的に赤ちゃんと接触することはできません。
産後ケアセンターの私の印象は学生寮と病院とホテルを足して3で割ったようなものでした。ホテルのようにベッドや風呂トイレのある個室が提供され、学生寮のように給食があり、看護師が近くにいて下のフロアには病院がありました。
産後ケアセンターでの生活は、ワイフのサポート他は、ひたすら食べ続け母乳を絞り続ける毎日でした。元々少食のワイフは毎回の食事を頑張って食べるも食べきれず、私がお裾分けを受けていました。男性の私もお裾分けの食事で十分にお腹いっぱいになりました。3時間毎の搾乳は睡眠時間が削られ大変に思いました(が、その後の育児生活から見ると大変なうちに入りませんが)。搾乳した母乳を凍らせてNICUの子供達に届けることが私の日課でした。
産後ケアセンターのサービスを全て受けた訳ではありませんが、帝王切開後に身体が動かないワイフには身体を休める良い施設だったと思います。また、退所を前に子供達がNICUを無事に退院し、家族4人が揃いました。いよいよ始まる子供達との生活、その前の最後の休息時間だったともいえます。尚、私達の利用した産後ケアセンターの料金は2週間で30万円弱でした。