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双子のパパの韓国育児記録(No.3)〜NICU
私達の双子はワイフの故郷の韓国で出産後NICUに入ることになりました。今回は私がNICUに通った日々について書きます。NICUとは新生児集中治療室のことで、早産だった赤ちゃん、呼吸の補助や何らかの治療等の助けが必要な赤ちゃんが入る部屋です。私達の双子も早産だったことや、母乳を吸う力や呼吸に助けが必要であったことから2週間程度NICUに入りました。
私達の利用した病院のNICUは原則として両親も入ることができません。子供達の様子を知るにはNICUの入口で看護師を呼び出し、子供達の状況を聞いたりスマホを渡して写真を撮ってきてもらったりする必要がありました。ワイフは帝王切開後の療養が必要だったこともあり、搾乳した母乳をNICUに運び、子供達の様子を聞いてくることが私の日課になりました。韓国語に不慣れな私がこの日課をこなすことはかなりの負担でした。母乳は冷凍保管してまとめて持参すれば毎日NICUに通う必要もありません。しかし毎日子供達の様子を知りたく、また子供達の写真欲しさに勇気を出して毎日NICUに通いました。看護師への質問をワイフに韓国語にしてもらい病院に向かう地下鉄で練習したり、質問の回答を看護師にノートに書いてもらったり、韓国語に慣れていく期間だったともいえます。
NICUの外で看護師を待っていると、NICUに来る他の夫婦の様子も見えます。スマホで子供の写真を見て喜ぶ夫婦もいれば、詳細は聞き取れないものの看護師から何らかの説明を受けて涙する夫婦もいました。嬉しさの涙なら良いのですが、そうではなさそうな場面もありました。NICUは多くの小さな命が生きようと頑張っている部屋なのだと実感しました。幸いNICUを卒業することができた私達の双子の生きたいという想いに私も寄り添っていこうと決意しました。今思うと自分自身が父親であることを意識した1つの瞬間だったのかもしれません。
ところでNICUの外にいると赤ちゃんの泣き声が聞こえてくることがあります。多くの赤ちゃんがいるでしょうから、誰かの赤ちゃんが泣いているのだろうなという程度にしか感じていませんでした。ところがある日、泣き声の大部分が我が息子であることを知りました。大きな声でたくさん泣いてNICUの看護師を手こずらせていたようです。プロである看護師も手こずる赤ちゃんはどのような子なのだろう。間もなく始まる育児生活に一抹の不安を感じました。