院長先生、、、うつ病の職員を解雇したいと思ったことありますか?
最初に言っておきます。可能です。
1. うつ病とは
うつ病は、精神疾患の一種で、持続的な気分の落ち込み、エネルギーの低下、興味や喜びの喪失が主な特徴です。この状態が長期間続き、日常生活や仕事に重大な影響を及ぼす場合、治療が必要とされます。厚生労働省によれば、日本では約300万人がうつ病に罹患しており、その原因はストレス、遺伝的要因、環境要因など多岐にわたります。
クリニックでは、職場環境がストレスの原因となることも多く、特に医療従事者はその傾向が強いため、適切な対処が求められます。
クリニック職員がなりがちな「うつ」
1. 産後うつ
対象者: 妊娠・出産後の女性職員
発生要因:
出産後のホルモンバランスの急激な変化
育児との両立によるストレス
睡眠不足や身体的疲労
クリニックでの影響:
出産後の復帰時期に働き方を調整しきれない場合に発生することが多い。
育児支援や短時間勤務制度が整っていない場合、発症リスクが高まる。
2. 更年期うつ
対象者: 40代後半~50代前半の女性職員
発生要因:
更年期に伴うホルモンバランスの乱れ(エストロゲンの減少)
年齢に伴う身体の不調や家庭内の役割変化(親の介護、子どもの独立など)
キャリアの停滞感や職場での役割変化
クリニックでの影響:
長年勤務している職員の場合、責任が重くなる一方で体調管理が難しくなる。
周囲に相談しにくい場合、孤立感から症状が悪化することも。
3. 職業性うつ(バーンアウト症候群)
対象者: 医療従事者全般(男女問わず)
発生要因:
患者対応による心理的負担(感情労働のストレス)
長時間労働や夜勤による慢性的な疲労
チーム内での人間関係のトラブルやプレッシャー
医療ミスへの恐れや責任感
クリニックでの影響:
医療業界は人手不足であることが多く、過度な負担がかかりやすい。
特に受付や看護師など、患者対応が直接的な業務ほどリスクが高い。
4. その他のうつ(適応障害や軽症うつ)
対象者: どの職員にも発生し得る
発生要因:
職場の人間関係の悪化(院長や同僚との摩擦)
新しい業務への対応ストレス
プライベートでの問題(離婚、家族の病気など)が職場に影響
クリニックでの影響:
メンタルヘルスの問題が隠れがちになり、見過ごされることが多い。
本人が気づかないまま症状が進行するケースがある。
対応策
産後うつや更年期うつには、職場環境の柔軟性(時短勤務や在宅勤務など)を整える。
職業性うつには、業務の見直しやメンタルヘルス相談窓口を設置する。
その他のうつには、早期発見を目指して定期的な面談や職場内での支援体制を強化する。
クリニックという場では、多様なストレス要因が重なりやすいため、職場全体での予防・対応が重要です。
2. 解雇とは
解雇とは、使用者が労働契約を一方的に解除し、従業員を職場から退職させることを指します。ただし、日本の労働基準法では、解雇には厳しい制限が設けられており、「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当であること」が必要です。解雇には以下の3つが多いです。
解雇には大きく分けて以下の3種類があります。それぞれ、法律で厳格な条件が定められており、適切な手続きを踏む必要があります。
1. 普通解雇
概要: 従業員が就業規則や業務遂行の能力を満たせない場合に行われる解雇。
具体例:
業務遂行能力の著しい欠如(期待される仕事ができない)。
職場規律の重大な違反(無断欠勤、業務指示の拒否など)。
健康状態の悪化による業務遂行の困難(ただし慎重な対応が必要)。
注意点:
解雇理由が「客観的に合理的」であり、「社会通念上相当」であることが必要。
労働基準法の「30日前の解雇予告」または「30日分の解雇予告手当」の支払いが必要。
2. 整理解雇
概要: 経営上の理由(業績悪化、事業縮小など)で人員削減を目的として行われる解雇。
具体例:
会社の業績悪化によるリストラ。
部門の閉鎖や事業再編に伴う従業員削減。
4つの要件(整理解雇の必要性を判断する基準):
人員削減の必要性: 会社の経営悪化が明確であること。
解雇回避努力: 転勤、配置転換、希望退職募集など、他の手段を試したか。
解雇対象の合理性: 対象者の選定が公正かつ合理的であること。
手続きの妥当性: 労働組合や従業員への十分な説明や協議を行ったか。
注意点:
経営者側が慎重に手続きを進めないと「不当解雇」と認定されるリスクが高い。
3. 懲戒解雇
概要: 従業員の重大な規律違反や不正行為に対して行われる最も重い処分。
具体例:
横領、窃盗などの犯罪行為。
業務上の重大な背信行為(情報漏洩、競業避止義務違反など)。
著しい職場規律の乱れ(暴力行為、セクハラ、パワハラなど)。
特徴:
即時解雇が可能(ただし、労働基準監督署への「解雇予告除外認定」の申請が必要)。
従業員に対して退職金が支払われない場合が多い(就業規則に基づく)。
注意点:
事実関係の十分な調査が必要。
就業規則で懲戒解雇の理由が具体的に記載されていることが前提。
補足: 解雇における注意点
解雇は労働基準法や労働契約法の規定に基づいて行う必要があります。また、解雇を行う際には、以下の点に注意しましょう。
解雇予告: 解雇の30日前に通知するか、30日分以上の解雇予告手当を支払う。
不当解雇のリスク: 解雇理由が不適切だったり、手続きが不十分だった場合、裁判で解雇無効となる可能性がある。
クリニックなどの職場では、特に懲戒解雇や健康状態を理由とした解雇は慎重に対応する必要があります。
3. うつ病のシグナル
従業員のうつ病を早期に察知するためには、以下のシグナルに注意を払うことが重要です。
業務パフォーマンスの低下:期限の遅れやケアレスミスの増加。
コミュニケーションの減少:同僚や患者との会話を避ける傾向がある。
身体的な不調:慢性的な疲労感、頭痛、消化器系の不調などの訴えが増える。
感情の変化:イライラしやすい、涙もろい、無表情になるなど。
頻繁な欠勤や遅刻:明確な理由なく仕事を休むことが多くなる。
これらの兆候を見逃さず、早期に適切な支援を提供することが、職場の健全性を保つ鍵です。
4. うつ病職員を解雇するリスク
うつ病を抱える職員を解雇する場合、以下のようなリスクが伴います。
不当解雇訴訟:解雇が不当と判断されると、訴訟に発展する可能性が高い。
企業イメージの低下:ハラスメントや差別的行為と見なされ、社会的評価が下がる。
他の従業員への悪影響:解雇の不透明さが職場全体の士気を低下させる。
再雇用命令のリスク:裁判所が解雇無効を認めた場合、再雇用を命じられる可能性がある。
金銭的損失:損害賠償や和解金が発生する場合がある。
これらのリスクを避けるためにも、解雇は最終手段とし、慎重にプロセスを進める必要があります。
5. うつ病職員の解雇の方法
うつ病の職員を解雇する場合、以下の手順に従うことでリスクを最小限に抑えることができます。
十分な記録を残す
従業員のパフォーマンスや健康状態についての記録を定期的に保管します。これにより、解雇の正当性を証明するための資料となります。専門家の意見を求める
産業医や精神科医の診断書を取得し、病状の正確な把握を行います。労働者に無理のない環境提供の努力も明示する必要があります。配置転換や業務軽減の検討
解雇の前に、配置転換や業務量の軽減といった代替手段を提案することが重要です。これにより、企業が誠実に対応していることを示すことができます。労働基準監督署や弁護士の相談
解雇前に専門機関や弁護士に相談し、適法性を確認します。特に精神疾患の場合は慎重な判断が必要です。退職合意の形成
可能であれば、労働者と話し合いの場を持ち、合意退職を目指します。これにより、トラブルを未然に防ぐことができます。
このあたりが一般的な鬱職員への「一般的な」対応ですね。
ただ、院長先生ともなると忙しいので、鬱になった職員との連絡の取れなさや、めんどくささから放置してしまいがちです。
となると、普段から、だれが鬱になっても問題がないようななんらかの方法を取り入れたほうがよいです。
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