最新GoogleアルゴリズムとスタートアップがやるべきSEO(後編)|サイバーエージェントSEOラボ研究室室長 木村賢教授
今回は株式会社サイバーエージェントの木村教授(@kimuyan)を迎え、Googleアルゴリズムの基本からSEO対策について最新全体像とスタートアップが今行うべきSEO対策を詳しく教えていただきました。前編では、Googleアルゴリズムの基本的な内容を解説!後編では、更に詳しくスタートアップが行うべきSEO対策を教えていただきましたので、是非ご覧ください。
※この記事の前編はこちらをご覧ください。
ビタミンゼミってなに?
ビタミンゼミについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
直近の効果を求めるInformationalクエリに対するSEO
前編で解説したInformationalクエリ上位表示の傾向の中からページ作りをする上で影響が出る部分を6項目抜き出しました。
●LPのメインコンテンツ(テキスト・画像)量が豊富
●LPのメインコンテンツにキーワード数が多くキーワード率が高い
●title・h1にキーワードが入っており目立つ
●サイト内外への発リンクが多い
●LPへの滞在時間が長い
●キーワードに関連したページ数が多い
※これはあくまで表面上、定量的にとれるデータだけなので、これだけ求めていても上がりません。併せてGoogleがどのようなことを考えているのかをガイドラインや、情報提供しているセントラルブログ等から抜き出していきたいと思います。
「良いコンテンツ・良い情報コンテンツ」だということを軸として解説します。
●専門性・信頼性・権威がある
なかなか、スタートアップが大手と戦うことが難しい部分ではありますが、実際に書かれている内容として、Webサイトやコンテンツの責任が明確で連絡先が明記されていること、つまりアノニマスやステルスじゃないことがわかることが重要です。
それから著者やWebサイト運営者の評判が良いこと、そして専門家が書いているということが重要ということが書かれています。専門家が書いているということというのは、当然専門家が書いていることをGoogleが理解できるということまで重要になります。また、メインインコンテンツの品質が高くなければならないことをGoogleはガイドラインに記載しています。
●メインコンテンツの品質が高い
どのようなコンテンツは品質が高いかというと、
・ページ目的が達成できる
・メインコンテンツがオリジナルであり、自動生成ではない
・情報が正しく、コンセンサスを示している
・分かりやすいタイトルを持つ
・メインコンテンツの量が十分である
・モバイルユーザーの意図に沿っていて、”知りたい””やりたい”に応えている
このようなことがあげられます。これを含めて、何を意識するべきか、まとめていきます。
LPとして意識すること
・メインコンテンツが豊富
(これは、画像も含めてです。)
・キーワードが多い・率が高い
・キーワードを含む分かりやすいtitle、h1
・サイト内外への発リンクが多い
・滞在時間が長い・読了される
・専門家が書いており・専門家が書いているということが伝わる
・オリジナルコンテンツである
・ユーザーの検索意図を満たす
サイトとして意識すること
LP一つではできないことで、
●キーワードに関連したページが多い
●Webサイトの保有者・連絡先が分かる
●ユーザーの検索意図を満たす
これは最低限、押さえなければならないことです。では、どういうことを細かくやっていけばいいのか説明します。
運営元を理解させる
●SSLの証明書
まずはSSLの証明書です。企業認証にすれば組織名が出てきます。価格が高い証明書になりますが、もしGoogleが見ているとすれば、確実に運営者が伝えられると思います。
●ドメインwhois
ドメインのwhoisをマスクしてしまっている会社もありますが、whoisが公開されていれば、お客さんがトラブルにあったとしてもwhoisを見れば連絡先が分かるのでなんとか連絡取れるようになります。なので、実はwhoisに出しておく方が非常に信頼性という意味でプラスだと思います。
●Wikipedia
大手企業でないと作成することが難しく、スタートアップが作ろうとすると、すぐに停止されてしまいます。Wikipediaは社会的認知されたなというタイミングで作成する必要があります。
●Googleマイビジネス
Googleマイビジネスでも実体の認識ができる可能性があると思います。問い合わせ先をしっかり明記することも重要です。
専門家の執筆について
専門家が書いているということをどうやって知らせるのかという点を説明していきます。
専門家の先生が監修している記載があります。実際はこれだけで上がることはほとんどありません。
過去上位表示に影響したと考えられる例としては、その専門家の方が持っている公式のサイトやブログ、SNSからこの記事を書いたというような発リンク(証明)をしてもらう方法です。発リンクが専門家の執筆や監修の証明になることで、専門性の証明になるのではないかと考えられます。
さらに、この著者や監修の方が”専門家”ということ自体をGoogleが認識していないと、当然専門家が書いたというように見てくれません。
専門家として認識する大きな点としては経験上、専門家の名前で検索をした際に書籍が出てくるかどうかということが、ひとつはあるように思います。
一時期、書籍を書いている方の執筆の場合だけ上がりやすく、そうじゃない場合に落ちやすいという傾向が見られました。ナレッジパネルが出たりとか書籍情報が出たりとかWikipediaがあったり専門性をGoogleが認識していそうなケースの方に頼めると一番いいと思います。
自分たちが専門家である場合には、自社の専門性をGoogleに伝えられると良いと思います。そのためには、以下のような方法が考えられます。
・コーポレートサイトで専門分野について記述する
・WikipediaページやGoogleマイビジネスで専門性があることを記載したり、カテゴリを選択したりする。
・プレスリリースなどを活用し、Web上になるべく多くの情報を発信する。
上記のように、GoogleがWeb上の評判や情報を収集する可能性は高いので、Web上で自社の情報を整備できるところはしておきましょう。
・WikipediaページやGoogleマイビジネスで専門性があることを記載したり、カテゴリを選択したりする。
・プレスリリースなどを活用し、Web上になるべく多くの情報を発信する。
上記のように、GoogleがWeb上の評判を収集する可能性は高いので、Web上で自社の情報を整備できるところはしておきましょう。
メインコンテンツの品質を高める方法
大前提として「検索者の知りたいことに応える」「検索者の課題を解決する」これができなければ、原則上がるのは難しいでしょう。
この検索ワードにはどのようなインテントがあるだろうかということを推測をし、品質を高めることが大切です。検索者の知りたいことに応えるサイトを作ろうとする場合に、昔のSEOだと「○○について」というページで何万文字のすごく長いコンテンツを書いていたと思います。現在は情報を1ページに長ったらしく書いても上がりづらいです。
これは、ユニットでおさえるという考え方ですが「詳しくはこちら」とページを複数作成し、多様なインテントに応えていく方法が有効的です。1ページですべて解決しようとしてはいけないということです。
階層構造化してユニット全体で多様な検索意図に対応できるような意識を持っていくことが大切です。
●ビックワードでランキングを上げる方法
大きめのワードは複数のユニットで上げていくとページの力が集まってディレクトリ(上階層)に影響を与えます。そして、ディレクトリの力が集まってサイトに影響を与えることになります。例えば「クレジットカード」で上位表示を目指すのであれば(YMYLの代表格でありスタートアップで上げることはほぼ不可能ですが)サイト全体でクレジットカードの情報を網羅していく必要があります。
ディレクトリにおちるのは、「学生 クレジットカード」や「ゴールド カード」だと思いますがサイト全体でクレジットカードの情報を全部網羅していくようなつもりでやらないと、このようなビッグワードには上がりません。こうすると、キーワードに関連したページが自然に増えると思います。このように、細分化をしてあげることによってキーワードに関連したページを増やすこともできますし、サイト全体でユーザーの様々な検索意図も満たすこともできていくわけです。これにより、サイトとして意識することの
・キーワードに関連したページが多い
・ユーザーの検索意図を満たす
これら2点網羅されます。ただ、もちろんこれでカバーしただけではダメで、ページの力を上階層に集結をさせるので、ページそのものもいいものにしていかなきゃいけません。
LP(ライティングページ)で意識すること
●メインコンテンツを豊富にする
テキストはコンテキストの網羅とオリジナル要素を意識すれば自然とある程度増えていくでしょう。
画像は意識的にオリジナル画像を増やそうとしないと増えないので、素材集ではなくて、事業のタイミングでいろいろ写真を撮っておいてコンテンツに使っていけるといいと思います。素材集でみんなが使っているような画像を使ったとしても、それはオリジナルコンテンツとしてみなされないので評価に影響しないことがほとんどだと思われます。
オリジナルで画像を入れていけば、その画像はプラスになると思われます。特にキーワードに関連した、コンテンツの理解を助けるような画像がおすすめです。
●キーワードが多い・率が高く、分かりやすいtitle、h1
主軸としている検索ワードをtitleやh1タグにわかりやすく入れるのはもちろん、コンテンツの本文にも入れるようにすると良いでしょう。
例えば、「ハンバーグ レシピ」というキーワードでコンテンツを制作するのであれば、見出しなどにも「ハンバーグの作り方」「ハンバーグの材料」といった具合にキーワードを含めることもひとつの方法です。一見くどいように見えるかもしれませんが、実際には閲覧時の1画面には2個程度しかキーワードが存在しないのでUX上も問題ありませんし、効果も高い傾向があります。
●サイト内外への発リンクが多い
情報の信頼性も、この発リンクで伝えることができると考えられます。何か情報コンテンツをつくったとします。例えば「花粉症にヨーグルトが利きます」という記事を書いたとします。
世の中の人がほとんど知らない会社が「新しく花粉症に効くヨーグルトを開発したんです」と言っても世の中の人は信じてくれませんが、もし厚労省のサイトや大学の研究所が論文を出していて、そこにリンクをすると信ぴょう性がありますよね。エヴィデンスを示すリンクはユーザーに安心感を与えます。
リンクだけではなく、独自の情報、レポート、研究、分析など独自の調査データなどでエヴィデンスを示すこともプラスになると思います。
また、サイト内リンクが多いとランキングが上がる傾向がありますが、そこまでコンテンツを読んだ読者が、次に読みたくなるようなリンクを設置してあげるということが非常に重要だと思います。
●オリジナルコンテンツである
ユーザーの課題解決法候補がオリジナルであることが最良ですが、オリジナルな解決方法というのは難しいことが多いと思います。
競合と同じ解決方法しか提示できない場合には下記のような提示の仕方でオリジナル性を持たせると良いでしょう。
・事例を多く含める
・解説に画像や動画を追加する
重要なポイントとしてすでに上位にあるコンテンツと同じことを言ってるだけではランクアップは難しいということがあります。これは大手企業でも、スタートアップでも会社の規模は関係なく、Googleからすると今更同じものを作ったというようにみなされるのではないでしょうか。
なので、そのサイト独自の情報を入れてあげなければいけないということを意識する必要があります。
●ツールを活用する際に注意すること
コンテンツSEOを取り組まれている方が多いと思います。
いろいろなツールを使用してコンテンツを作成していると思いますが、一点注意が必要です。ツールは抜け漏れを防ぐためには良いですが、競合も同じツールを使っていたとしたら競合も同じデータを見ています。ツールだけでインテントカバーをしようとすると競合と全く同じベクトルを持ったコンテンツができてしまうかもしれません。
なので、ツールだけで終わらせないということを意識してください。最後の一歩は自分でひねり出す必要があります。
オリジナルを出す意識を持たなければ競合が先に同じツールを使ってコンテンツを作っていたら負けると思っていたほうが良いです。
●LPへの直接的な被リンクが多い
やはり、直接的なリンクは強いです。
攻めたコンテンツというのははリンクが集まる可能性があります。今まで誰も書けなかった話や書かなかった話というのをある程度触れることにより、それを見た人は他の人に教えたくなります。
難しいかもしれませんが、業界の裏話や業界の人は知っているが公表しなかった話などを書くと非常にリンクがつきやすくなると思います。
攻めたコンテンツをたくさんつくることは実際に難しい場合は、情報を引用する際に引用元のサイトへ連絡を入れるのも1つの作戦だと思います。
例えば「今回、このようなコンテンツを作ろうと思っており、御社の○○のプロダクトがこういう部分で非常に共感し、良かったので取り上げさせてほしい」などと連絡をとります。大事なのはここで具体的に褒めることと、引用する前に引用したい旨を伝えてワンステップをおくことです。
そしてコンテンツをリリースした際に「もしよろしければ、御社のサイトでもこのサイトで取り上げられたということを掲載いただけませんか?」と、伝えます。具体的に良い点を挙げて称賛することでリンクをもらえる確率は高まると考えられます。
●キャッシュ更新日が新しい
キャッシュ更新日が新しいというのもランキングと強く相関しています。
ランキングが上がってからの話ですが、検索流入が多いページというのは人が当然来ます。ここが万が一フィッシングページなどに書き換えられてしまいますと、検索者にリスクが及びます。なので、上位にあがるページはクロールが頻繁に来て変なものに変わってないことが確認しているのかもしれません。
キャッシュの更新ができないと、せっかくランキングが上がっても落ちてしまいます。
そのため、上がったページほどキャッシュの更新は欠かせず、クロールを呼んでこなければなりません。
通常は重要な特に上がっているページに、サイト内リンクを複数本貼っておけば原則は問題ありません。これだけでは不安定だなという場合には重要なページをsitemapに掲載しておくと良いでしょう。
●表示速度を改善する
大事なのは、表示遅延による即離脱を避けることです。表示に3秒かかると53%が離脱するという結果がGoogleのデータであります。
表示が遅いというのはいろいろな原因があると思います。レンタルサーバーを借りていて共用サーバーで非常に遅いというケースがスタートアップの場合多くあります。そのほかサイトによって、さまざまなことが考えられますのでPageSpeed InsightsやGoogleChromeのデベロッパーツールなどを使い、どこにボトルネックがあるのかを調べ、あまりに遅いようであれば修正をしていただく必要があると思います。
●CLSを改善する
Core Web Vitalsの改善ということも同じく必要です。Core Web VitalsはCLS(通称:ガタン)に苦戦しているケースが最も多いです。CLSとはユーザーに大きな影響を与え、ストレスが発生することがあるので注意をしていただき、はじめから枠を取るプレースホルダの設定をした方が良いと思います。
他にもインタースティシャル広告など、初めに画面を全面的に覆うようなが出てくるようなケースも良くないですし、httpのため「保護されていない通信」とでてしまうことも当然良くないです。安全性や安心感を高めていくことも重要になります。
●読みやすいさを意識する
ほとんどが同じ文章ですが、左と右どちらが印象が良いでしょうか?
おそらく、ほとんどの人が右と思います。
では、これはどちらが良いでしょうか?
こちらも右が良いでしょう。
このようなことを行うととっつきやすく柔らかい印象になります。
本屋さんに行って本を開いた時に漢字ばかりの本ですと、ちょっと嫌だなって思うことがありますよね。はじめに、どう読みやすそうだなと思わせるかはすごく重要です。
特にWebサイトは本以上に重要です。
適度に行間をとり、ひらがなを使用しても不自然じゃない箇所はなるべくひらがなを使用するほうが良いでしょう。
あとは、キーワードを一定量入れておくと常時、何のコンテンツを読んでいるか理解できると思います。
ちなみに、とっつきやすいという点で絵文字の利用は原則としてネガティブにもポジティブにも現時点ではならないと思われますが、口語調になる場合は注意が必要です。
書かれている言葉をGoogleが理解ができるかどうかが重要です。ちょっとくだけた文章にしても主語述語をはっきりさせるなど、省略しすぎないことに気を付けましょう。
また、新語や略語を出す際には説明を注釈に入れるなどして機械が読み取るということに少し意識を持っていくと良いと思います。
また、定期的にそのページが1~2秒で「何のコンテンツなのか分かるか?」を客観的に確認することを行うと良いと思います。
将来の効果を求めるTransactionalクエリに対するSEO
Transactionalクエリへの仕込みは長期的な投資です。主にサイトブランドの強化は重要です。メンションや指名検索数などのサイテーションの数をGoogleはブランド力だと考えていると思われます。
●SNSへの投資
SNSは投資リスクを少なくしてできるということが利点です。フォロワーが増えればコンテンツは自然とシェアされていきますのでメンションを獲得しやすくなります。
Twitterで拡散させるにはまず役立つ情報だということ、「人に教えたくなる情報」というところに意識を持ってください。みなさんが教えたいということよりも人が教えたくなる情報は何かという点を意識していくことが必要です。
●調査系のプレスリリースをする
調査系のプレスリリースは、ほかメディアに引用されることが多くあります。
調査系プレスリリースはサイテーションにプラスになることが多いです。
不動産ですと住みやすい街ランキングなどをプレスリリースをし、大手企業もサイテーションを獲得しています。
●プロダクト
プロダクト自体が評判を生むことは実は非常に重要です。圧倒的にいいものというのはSNSを介して実際にニュースになりサイテーションを大量に生みます。これはサービス全体の話でなくても良いのです。
一つの企画や一つの商品によって大きくサイテーションを変えることができるケースがあります。
サービスそのものやサービスの一部が世間を騒がすようなものになっていけばTransactionalが狙えるタイミングが近づいてきます。
●マイページ
マイページを充実させると、指名検索が増えることがあります。マイページに定期的に行く動機付けができているものは検索数が増え、Transactionalが上がりやすくなります。
例えばUGCの機能を持たせたり、そこに行くと得をする体験ができるような内容にし、マイページに行く理由をつけ、ただの管理画面にしないことが重要です。コアユーザーをつくり、検索やブックマークからリピートすることによって指名を増やしていくということが重要です。
●広告
広告の目的はさまざまかと思うので、必ずしもSEOを絡める必要はないと思います。もし、絡められるのであればブランド名とキーワードをセットで訴求する必要があります。
Aのサイトが”お茶”で上げたいなら”お茶のA”というように言葉の組み合わせを意識する必要があります。それから、拡散や検索をしてくれそうなターゲットにアプローチできる媒体を選びましょう。それから、名前訴求です。特にCMが打てる段階であればSEOのためには、名前訴求をする方が指名検索を増やすために良いと思います。
●キーワードに関連するページ数を増やす
キーワードを含む、ページ数やタイトルにキーワードを含むページ数が多いほうがInformational以上に上りやすいというデータがありました。
「ハワイ ホテル」であげたいと思ったら「ハワイ ホテル」が何件このサイトに在庫があるかということが重要になってきます。
要するに、商品力です。商品点数や選択肢の多さがTransactionalの成否に直結します。掲載件数では営業を頑張ってたくさん在庫を持たなければいけませんし、商品を自分たちでつくるのであれば商品開発を頑張って点数を増やす必要があります。SEO以外でも努力する必要があります。
もちろん、あるだけではダメです。1万点の商品があれば1万件Googleにインデックスされないといけません。
そのためには上のようなことをいろいろと考えていく必要がありますし、これにはいろいろと工数がかかります。サイトマップの自動生成システムをつくったり、リンクの数を差配したり…
例えば、そのリンク先の情報を見てindexさせない場合、されないであろう場合には、そのリンクにnofollowを入れるような仕組みを作るなどいろんな仕掛けをしなければいけません。なので、今の状況でそのサイトにとってやるべきことが変わってきます。
●ドメインエイジを長く運用する
Transactionalクエリの上位はドメインエイジが長い傾向がありました。これはドメインやブランド名を変えない方が無難ということでもあります。ブランド名だけでも変えてしまうとサイテーションが失われる可能性もあると思います。結構、コロコロとサイト名やブランド名を変えてドメインを変える方がいますが、原則変えられないと思って、はじめのネーミングやブランドというのを決めていただく必要があると思います。
ほとんどはサイト制作やSEOの人だけでは対応できない
いろいろなサイテーション周りを強化するTransactionalで非常に重要なことを説明しましたが、ほとんどは”サイト制作”や”SEO”だけでは対応が出来ません。
何より大事なのはまずは徹底的にプロダクトを尖らせること。ブラッシュアップすることだと思います。そうすればサイテーションが勝手に増えます。
すごくオススメなのが優秀な広報PR担当者を早く採用することだと思います。
経験談で、過去に担当した会社でスタートアップから上場した企業がありますが、どこも、優秀な広報PR担当者がいました。なかなか早い段階で広報の方を採用するのは勇気のいるかもしれませんが個人的にはすごく重要だと思います。採用できるのであれば早く採用をした方が強くなると思います。
ちなみに、優秀な広報PR担当者とはSEOも含めて、ネット広告、リスティング、ディスプレイの広告など、これから露出していくものに対して自分たちが発信する情報がどう影響を及ぼすのかというところまで考えられる広報の方は、すごく優秀だと思います。
「今後こういうCMをやるみたいだから、こういう打ち出しをしていこう」
このように考えられる方はすごく優秀ですし、社内のコミュニケーションを頻繁に取れる方もすごく優秀だなと思います。
あと、今の時代は難しいかもしれませんし賛否両論あると思いますが、メディアとかテレビ局との関係がある方も強いです。ベタですが重要で、古臭いことも厭わずやれる方というのはめちゃくちゃ強いのは確かです。
SEOに力を入れるタイミングとは
●Informationalクエリの場合
最後にSEOに力を入れるタイミングについてですが、Informationalクエリは内製でリソース確保できる状態であれば、効果は半年程度はかかる可能性があります。なので、今日・明日にでも成果を出したい場合には広告を打った方が良いです。また、内製ができない場合でキャッシュに余裕がある場合は外注に出すということもあるでしょう。ただし、外注はオリジナリティを出すことがほとんどができないのでオリジナリティを最後に加えるという品質管理ができる場合だけやるべきだと思います。これに当てはまらない場合はInformationalクエリであれ、SEOではないマーケティングの手法を考えた方がいいと思います。
●Transactionalクエリの場合
Transactionalクエリではブランド力向上は今すぐにでも取り組んでおかないと上がることは先になってしまいます。なおかつ、ブランド力向上というのはSEOだけではなくいろんなところに効果が波及しますので行う必要があると思います。
また、上げるための具体的なテクニカルの施策は業界内での位置がだいたい5位~10位ぐらいになった時が的確かと思いますので、そのタイミングだと思った時に手をつけると良いと思います。
ただそういう施策というのはエンジニアのリソースが必ず必要になります。中でも外でもいいのでエンジニアリソースが確保できなければ、できないので注意をしましょう。
スタートアップでよく見るSEOの失敗
これまでおそらく100社近くスタートアップのSEOに関わってきた経験からよく見る失敗例を紹介します。
初めてお会いした時に、3ヶ月でAmazonや楽天に勝とうとしている方がいます。いきなり大手企業のサイトに勝つことは不可能です。まず、いつどこに勝つかを明確にする必要があります。
それからアルゴリズムのアップデートで右往左往して戦略を変えてしまうことも多く見受けられます。
アルゴリズムというのはGoogleが勝手に決めることなので、良くなるときもあれば悪くなるときもあります。そのように、風向きだと思って、完全にはアルゴリズムに順応させることができないということを理解しましょう。
そして、アップデートで右往左往をしないこと。それから正しいことをしているという状態の時は戦略を変えないという必要があると思います。アップデートのたびにネガティブになったり、経営者が不機嫌になったりしないことです。あと、「SEOにだけは自信があります」という方がいますが、正直リスクです。アップデートによってアルゴリズムはコロコロ変わりますのでSEOにだけ自信があるというのは他に自信がないとも言えます。
また、SEOがSEOだけで完成すると思っているのも違います。
広報PRや商品力であるところの結果がSEOになることを正しく理解してください。
顧客を見ずに検索エンジンを見始めてUXを損ねたり、プロダクトが何かおかしい方向行ったりするケースもあるのでまずはユーザーを見てください。
他にも複数のコンサルタントを導入し、それぞれの良い部分だけを反映しようとすると、どこかでうまくいかなくなってしまうケースを時折見かけます。SEOで成功に導くためのの戦略は何通りかあり、コンサルタントによって異なる場合があります。セカンドオピニオンとして導入することは問題ありませんが、主とする戦略は決めておいたほうが良いと思います。
Transactionalの効果を待つことができない状況で施策を行ってしまったり、Informationaでも半年待てなくて、違う方向にコンテンツを変えてしまうケースをよく見ます。非常に勿体無いです。実際にどの程度役立つかわからないものでも、Googleにも人にも信頼に影響が出そうなことを可能な限りしておくほうが安全です。正しいことをしていると思えるものでしたら、信じて待ってあげることも大切です。その心構えはある程度持ってSEOに取り組んでいただくと良いと思います。
最後に実際にどの程度役立つかわからないものでも、Googleにも人にも信頼に影響が出そうなことを可能な限りしておくほうが安全です。正しいことをしていると思えるものでしたら、信じて待ってあげることも大切です。その心構えはある程度持ってSEOに取り組んでいただくと良いと思います。
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